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組合員のつながりで復興支援活動をささえよう 第5次カンパへのご協力ありがとうございました

東日本大震災、東京電力・福島第一原発の事故から5年目を迎えていますが、元の暮らしを取りもどすには時間がかかります。それでも生活クラブふくしまを中心に各地の組合員がつながって困難を乗り越えようとしています。

(2015年11月9日掲載)

今年から栃木県北部の組合員家族も

子どもたちのリフレッシュツアー

2015年度で5年目をむかえるリフレッシュツアー。放射線量が比較的高いところに暮らす組合員とその家族の不安を、少しでも和らげるために開催されています。今年から栃木県北部の組合員家族もツアーに参加できるようにしました。

生活クラブふくしま理事長の大津山ひろみさんは、「子どもは思いきり外遊びができますし、組合員も気兼ねなく放射能について話し合えます。他の地域の組合員活動を知ることができるのもふくしまにとって財産になっています」と、話します。

▲「2015年こうべ・あわじリフレッシュツアー」に参加した家族からのメッセージ

▲2015年こうべ・あわじリフレッシュツアーより

お茶会で地域のコミュニティづくり

福島県新地町・相馬市の組合員

津波で被災した生活クラブふくしまの組合員は、新地町の被災高齢者共同住宅や仮設住宅で「わくわくお茶会」をこの春から始めました。「これまでは支援を受ける側でしたが、支援することで恩返しをしたいと思いました」と、新地町の組合員横山みよしさんは動機を話します。

6月6日は3回目のお茶会。被災高齢者共同住宅の集会場では開始時刻の10時を待ちかねたように9人が集まり、世間話に花を咲さかせます。来場した参加者は「家は近くだけど話すきっかけがないので、お茶会っていいですね」と話します。一方、主催する組合員は、お茶を注ぐなど脇役に徹します。「話題をリードするようなことはしません。高齢者の場合は、興奮して身体の負担にならないよう注意します」と横山さん。そこに住んでいる人が話しやすいように気を配ります。

震災から5年目をむかえ、外部からのボランティアが減少するなか、地域で暮らす人同士のたすけあいがますます重要になっています。

▲月1回程度でお茶会を主催する組合員。「私たちもお弁当持参でお昼はみんなでおしゃべりするので、遠足気分で楽しい」と、話します。

▲男性も来場した仮設住宅でのお茶会。お茶菓子は消費材で、生活クラブが支援しています。
 

国は甲状腺がんの発生を過少評価!?

2014年度甲状腺検査活動報告会

道北勤医協・旭川北医院の松崎道幸さんは、子どもの甲状腺検査活動を当初から監修いただいています。生活クラブは「福島の子どもと知る権利を守る活動」の一環で、2012年度から子どもの甲状腺検査活動をすすめています。2014年度も21の地域で736人が受診、その報告会を7月19日に東京で行ない、約100人の参加がありました。道北勤医協・旭川北医院の松崎道幸院長は講演で、福島県が実施している甲状腺検査で126人の子どもが甲状腺がん、もしくはその疑いがもたれていると指摘し、「国は100万人に1人の確率といってきましたが、予想をはるかに上回っています。被害を10分の1くらいに過小評価しているのでは」と、懸念を示しました。

パネルディスカッションでは、生活クラブふくしま理事長の大津山ひろみさん、生活クラブ茨城理事の魚津真喜子さん、生活クラブ神奈川副理事長の戸田美智子さんが登壇。戸田さんは「甲状腺検査を地域で呼びかけて継続することが、福島の人たちが抱える問題への理解や共感につながっていくと思います」と語りました。生活クラブは2015年度も、組合員カンパをもとに甲状腺検査に取組んでいきます。

▲映画『小さき声のカノン』の上映を合わせて行ない、鎌仲ひとみ監督が挨拶しました。

▲生活クラブ連合会の渡部孝之常務理事をコーディネーターとしてパネルディスカッションが行なわれました。

健康への影響をあらためて学ぼう

生活クラブふくしま 放射能学習会

生活クラブふくしまの郡山準備支部は、桑野協立病院の事務次長の鹿又達治さんを講師に、7月2日に放射能学習会を開催しました。桑野協立病院は生活クラブの組合員の要請に応えて、2014年から甲状腺検査を実施している病院です。当日は病院の会議室をお借りして約10人が参加しました。鹿又さんは「各地で除染が進められていますが、汚染を移動しているだけで、放射能が消えているわけではありません。むしろ砂ぼこりとなって服につく恐れがあるので、日頃から意識して生活することが大事です」と、指摘しました。また、食べものついては「国の放射能基準値は年間1ミリシーベルト未満なら安全として設定していますが、放射能に安全といえる値はありません」と、語りました。

その一方で、東京電力福島原発の事故から5年目を迎え、「意識の持続がむずかしい時期」に差しかかっていると話し、「思い詰めるのではなく、少し気にするくらいの心持ちでよいのでは」と、参加者にアドバイスしました。

▲放射能について地域では話しにくい雰囲気がある一方、インターネットなどでは情報があふれており、参加者は情報を整理しようと、熱心に聞き入りました。

▲放射線技師の資格をもつ講師の鹿又達治さん

 

復興支援第5次カンパの使用計画

生活クラブは2015年度も「福島の子どもと知る権利を守るための活動(甲状腺検査など)」や「リフレッシュツアー」などの復興支援を行なうとともに、共生地域創造財団*を通じて被災地支援を続けていきます。カンパで支援する主な活動(場所・団体)を紹介します。カンパへのご協力をよろしくお願いします。

*公益財団法人 共生地域創造財団:生活クラブ連合会、グリーンコープ連合、NPO ホームレス支援全国ネットワークの三者で被災者支援や農業・漁業の復興、就労支援などの事業を実施しています。

◆カンパで支援する団体の所在地と主な活動

  1  共生地域創造財団・岩手事務所…共生地域創造財団は大船渡市の被災者を訪ね、個人が抱えている問題が解決するようサポート活動をしています。
  2  一般社団法人コミュニティスペースうみねこ…トウガラシ栽培、畑づくりなど農産物生産、販売、居場所づくり。
  3  大室南部神楽保存会…北上春まつりでの神楽上演など
  4  蛤(はまぐり)浜・折浜かき生産者…宮城県石巻市蛤浜で被災したかき生産者が、出荷作業を就労訓練として提供し、引きこもり状態の人などの自立を助けています。共生地域創造財団を通じた支援。
  共生地域創造財団・名取事務所…宮城県や福島県の団体支援の拠点
  6  一般社団法人WATALIS(ワタリス)…地域の交流の場となるサロン活動づくり、手仕事づくり
  7  生活クラブふくしま相馬準備支部(新地町)…生活クラブふくしまがすすめる被災地(新地町・相馬市)での組合員によるコミュニティづくりを継続して支援します。
  8  NPO法人昭和横丁…原発事故により川内村から避難した人などを対象に活動するNPO 法人「昭和横丁」を支援します。共生地域創造財団を通じた支援。
  9  NPO法人シャローム…ひまわりプロジェクト※1
10  生活クラブふくしま本部…福島の子どもと知る権利を守るための活動、子どもたちのリフレッシュツアーなど
11  ふくしまぽかぽかプロジェクト※2点福島県内で放射線量が高い各地区で暮らす人のための週末保養を行っています。共生地域創造財団を通じた支援。

※ 1  ひまわりプロジェクト:食用ひまわり油をつくる障害者施設を支援するため、ひまわりを栽培するボランティアを全国から募り、その種を送るプロジェクトです。
※ 2  福島ぽかぽかプロジェクト:国際環境NGO のFoE Japan、渡利子どもキッズ、ふくしま老朽原発を考える会(ふくろうの会)が共同で結成したプロジェクトです。

『生活クラブOPINION 復興支援ニュース』 2015年10月2回(41週) に掲載された記事を転載しました。

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