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生協の食材宅配【生活クラブ】
国産、無添加、減農薬、
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放射能の自主基準値を引き下げます 2016年4月配達品から従来の2分の1に

東京電力福島第一原子力発電所の事故から5年が経ちました。生活クラブ生協連合会は、事故直後から消費材の放射能検査を自主的に行ない、独自の放射能基準を設定して食べ物からの内部被ばくのリスクを少なくする道を拓いてきました。

これまでの8万4,000件を超える検査の実績と、新たな検査体制の拡充のうえに、2016年4月から自主基準値をさらに引き下げます。

1)飲料水には、国の基準と同じ「緑茶」だけでなく、「麦茶」や「抹茶」などの茶類を含みます。
2)旧基準の「乳製品②」を「乳製品①」に結合し、新基準の「乳製品」とします。
3)新基準の「青果物」には、「生椎茸」を除く「きのこ類」を含みます。
4)検出下限値を目標としている理由は、測定する消費材の比重等により、検査結果にバラつきが生じるためです。

【1】「自主基準値」を現行の2分の1以下に引き下げ より高い食の安心へ

これまでも国の放射能基準値よりも厳しい自主基準値を定めていましたが、2016年4月から、さらに現行の半分以下まで基準値を引き下げます。背景には、東京電力福島第一原子力発電所の過酷事故から5年が経過し、8万件以上にものぼる生活クラブ独自の放射能検査でも、近年の検出値が大きく減少していることがあります。

当然ですが、自主基準値は「この数値を超えた消費材はお届けしない」という基準であり、「この数値までなら放射能が検出されてよい」というものではありません。

【2】基準値の信頼性のよりどころとなる「検出下限値」の目標を設定

自主基準値の引き下げとともに「検出下限値」の目標も新たに低く定めます。検出下限値とは、放射能検査の精度をあらわすもので、この検出下限値が低くなければ、いくら基準値が低くても検査結果に信頼性があるとは言えません。

厚生労働省からは「一般食品の測定下限値は基準値の4分の1とする」ことが示されており、生活クラブでは他の食品にもこれを適用しています。他団体の中には、基準値の4分の1に満たない検出下限値で測定しているところもあるのが実情です。

【3】「ゲルマニウム半導体検出器」を導入して検査体制を拡充します

2016年度からは、高精度の放射能検査が可能な「ゲルマニウム半導体検出器」を導入し、6月から検査を開始します。

既存の5台の放射能測定器による検査に加え、これまで外部に委託していた高精度の検査も内部で行なうことにより、より厳しく充実した放射能検査が可能となります。

*写真:ゲルマニウム半導体検出器

【4】「すくすくカタログ」に掲載する食品は「不検出」を基準に(2016年6月から)

ベビーフードや粉ミルクなど子育てを応援する品目をそろえた「すくすくカタログ」。乳幼児にはより安心できる食品を与えたいという思いのもと、2016年6月から「すくすくカタログ」に掲載する食品についてはすべて「不検出」を自主基準にします

直近1年以内の検査で不検出を確認した食品のみ掲載します。
 

生産者とともに、より高い食の安心をめざします

「推奨目標」をつくり、すべての食品で10ベクレル/kg以下となるような努力を続けます

自主基準値とは別に、「青果物・魚介類・加工食品」と「生椎茸」を対象区分として、国の基準値の10分の1となることをめざす「推奨目標」を設けます。

※乳幼児食品や飲料水、牛乳、米、卵、肉類、乳製品は、すでに自主基準値自体が10ベクレル/kg以下となっています。

自主基準値によって厳しく管理するだけでなく、推奨目標によって、より安心できる食品づくりへと常に努力を続けます。

「生産者支援基金」で、生産者の放射能を減らす活動を応援しています

生活クラブ生協連合会では、「放射能汚染に立ち向かう生産者を支援する基金」(生産者支援基金)をつくり、放射能を減らす活動をする生産者への支援も行なっています。

この基金を活用した生椎茸の放射能の低減実験も、2015年5月から3生産者で行なっています。生椎茸を栽培する原木をプルシアンブルーという薬剤の溶液に漬けて放射性セシウムの低減効果を調べるもので、2017年12月まで行なう予定です。

自主基準は、生産者と組合員がともに討議を積み重ねて決定します

新しい放射能の自主基準は、生産者と生活クラブ連合消費委員が参加する自主管理部会で討議され、各地の生活クラブの意見を踏まえたうえで、連合理事会で決定しました。

今後もともに意見を出し合いながら、自主基準のさらなる見直しなど、放射能への取り組みをすすめていきます。

*写真:自主管理部会のようす
 

 提携生産者から 

「被害者が加害者になってはいけない」という思いで検査を進めています

栃木県開拓農業協同組合 加藤効示さん

栃木県開拓農協は東京・神奈川・千葉のデポーで扱っている「開拓牛」と「ほうきね牛」の生産者です。福島第一原発の事故があったあの2011年、私たちは、放射能の影響で栃木県産の牧草の一番草が使用禁止になるという被害を受けました。そんな被害者である私たちが加害者になってはいけないと思い、その年の7月には放射能検査器を独自に購入して検査を開始したのです。

牛肉は県でも放射能検査をしていますが、検出精度が生活クラブの自主基準を満たしていませんでした。そこで私たち栃木県開拓農協は独自に検査機関に委託して、出荷する牛全頭の放射能検査を続けています。検査は牛肉だけではなく、牛が食べるエサや、寝床に敷くもみ殻など、飼育環境にまつわるものまで行ない、特に牧草や配合飼料、稲わら、飼料用稲、飲み水、もみ殻、たい肥については3ヶ月ごとに実施しています。エサやもみ殻など敷料の保管は屋内を原則にしています。

このように事故から5年を経ても、私たちがさまざまな放射能対策を継続していることをぜひ理解してほしいと思います。

県や漁協、製造者と連携して生活クラブの自主基準を達成していきます

千葉県漁業協同組合連合会 川名将之さん

千葉県漁連では消費材の原料魚の放射能検査を、提携する製造者とともに検査機関に委託して行なっています。また、私たちは県を代表する漁業団体ということもあり、千葉県と連携した放射能検査も行なっています。

千葉県沖・房総沖の海産魚介類の放射能検査では、2014年度は放射能の検出が最大値でも10ベクレル/kg未満であり、国のガイドラインでは千葉県産の海産魚介類は放射能検査の対象から除外してよいという結果でした。しかし千葉県は消費者の安心のために、現在でもマイワシなど大量にとれる魚は週数回、ヒラメなど海底付近に生息する魚は週1回のペースで検査しています(検出下限値は各セシウム1ベクレル/kg以下)。

また放射能検査計画をつくり、旬を迎える魚介類や各地域で代表的な水産物についても検査を行なっています。千葉県漁連は千葉県の検査計画に対応するために専門の職員をひとり配置するほか、会員漁協と連携して検体を提供しています。

私たちはこれからも、千葉県や会員漁協、提携製造者と連携した放射能検査を行なうことで、生活クラブの自主基準を達成していきたいと考えています。
 


国内屈指の検査実績

生活クラブ生協連合会では、東京電力福島第一原発の事故以来、これまでに8万件を超える放射能検査を行なってきました。

今回の自主基準値の大幅な引き下げも、国内屈指の検査実績に裏づけられています。

最新の検査結果は、こちらのページからごらんいただけます。

【2015年上半期までの検査実績の概要】
検査精度を高めた2015年上半期では、飲料水・牛乳・乳児用食品・鶏卵・鶏肉・豚肉・牛肉・乳製品からの検出事例はありませんでした。
米では、2012年上半期には10~5 Bq(ベクレル)/kg の検出事例が1件ありましたが、2013年度以降は5Bq/kgを超える検出事例はなくなりました。
加工食品では、2012年度には25Bq/kgを超える検出事例が3件ありましたが、2015年度上半期(1,821件)の検出事例は1件のみで(1.5Bq/kg)、1,820件が不検出でした。
青果では、2012年度には50Bq/kgを超える検出事例が4件、50~26Bq/kgが14件、25~10Bq/kgが46件、9Bq/kg以下が33件、合計97件ありましたが、2015年上半期での検出事例は50~26Bq/kgが1件(32Bq/kg)、25~10Bq/kgが6件、9Bq/kg以下が31件、合計38件と、半年の検査実績ですが検出数値の低下が確認できました。


【生活クラブの基本的な考え方】
低線量放射線の影響には「しきい値」(=これ以下であれば安全であるという値)がありません。
食事による内部被曝はできる限り少ない方がよく、国の基準を満たした食品を摂取すれば安全であるとは考えません。しかし、「被曝ゼロ」は人びとの切実な願いであっても、原発事故の当事国としては実現することはきわめて困難です。
そのため、生活クラブは生産者と協力して、被曝リスクを少しでも軽減した日常生活を継続するため、生活クラブ独自の放射能自主基準を作り、2012年4月から運用を開始しています。

『生活クラブOPINION』2016年4月1回号 一部加筆して転載しました。

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