遺伝子組み換えイネ・トウモロコシ・ワタの開発に反対!生活クラブ生協連合会がパブコメを提出
生活クラブ生協連合会は、将来にわたって環境や人体にどのような影響を及ぼすかわからない遺伝子組み換え食品・作物を取り扱わないことを基本とし、遺伝子組み換え反対の声をあげてきました。
農林水産省および環境省は、遺伝子組み換えによる「花粉症緩和米」、および複数の除草剤耐性をもつ遺伝子組み換えトウモロコシ・ワタの隔離ほ場での栽培実験の承認について意見募集を行いました(3/9締切)。
一般農作物への遺伝子汚染や生物多様性への影響、人体への安全性への懸念から、遺伝子組み換えイネ・トウモロコシ・ワタの承認に反対する意見書を提出しました。
▼スギ花粉ポリペプチド含有イネについて
生活クラブ連合会は、日本人をはじめアジアの多くの人びとの主食であるコメについては、特に遺伝子組み換えすべきではないと考え、遺伝子組み換えイネの開発には特段の注意を払い、運動に取り組んできました。今回の実験栽培の申請は、国の農業植物資源研究所から出されており、国をあげての遺伝子組み換えイネの開発に抗議し、実験の中止を求めます。
スギ花粉ポリペプチド含有イネは、いわゆる「花粉症緩和米」として、平塚のほ場での試験栽培に始まり、幅広い反対運動を受け、現在は、医薬品として開発がすすめられています。食品として開発されていた時代には、温室内での栽培実験が行なわれました。つくばの農業植物資源研究所の「隔離ほ場」での栽培は、隔離ほ場と言っても近隣に一般田畑があり、鳥や昆虫も侵入し、強風による花粉飛散が懸念されます。
遺伝子組み換え作物による一般農作物への遺伝子汚染が起こったとしても、現在の日本には調査責任、賠償責任などの法的整備がないため、農家に民事訴訟の負担を強いることになります。国が主体となってこのような実験栽培を行なうことには、反対です。万が一、実験を続けるのであれば、温室内での栽培など、より厳しい交雑防止措置を求めます。
▼チョウ目害虫抵抗性並びに除草剤アリルオキシアルカノエート系、グルホシネート及びグリホサート耐性トウモロコシ、チョウ目害虫抵抗性並びに除草剤ジカンバ、グルホシネート及びグリホサート耐性ワタ、チョウ目害虫抵抗性並びに除草剤アリルオキシアルカノエート系及びグルホシネート耐性ワタについて
これらのトウモロコシとワタは、2,4-D(除草剤アリルオキシアルカノエート系)、ジカンバ、ラウンドアップ、バスタなど、複数の除草剤に抵抗力を持つものです。除草剤耐雑草の広がりを受けて、こういった作物が次々と承認されることに抗議します。複数の除草剤に抵抗力を持つ作物については、複数の除草剤を使用することによる生物多様性への影響を含め、より幅広い環境影響の評価を求めます。
また、ラウンドアップについてはWHOが発がん性を認めたことから、諸外国ではラウンドアップの使用を禁止する動きも出ています。このような有害な農薬使用による人間の健康への影響を含めた生物多様性評価を求めます。
以上
(2016年3月28日掲載)