「国際生物多様性の日」記念シンポジウムに参加しました
「国際生物多様性の日」にあわせたシンポジウムが5月22日に東京都内で開催され、全体でおよそ60名が集まりました。生活クラブ連合会からは12名が参加し、生物多様性を脅かす遺伝子組み換え生物について考えました。
「ゲノム編集」は本当に大丈夫?
5月22日は、国連が定めた「国際生物多様性の日」です。生活クラブも参加している「食と農から生物多様性を考えるネットワーク」(食農ネット)は、毎年この日にあわせて、生物多様性の重要性や、生物多様性を脅かす遺伝子組み換え生物について考えるイベントを開催しています。
今年は「続々登場する新しいバイオテクノロジー 20年を迎えた遺伝子組み換え作物~最近の傾向は? ゲノム編集技術とは?」というタイトルで、食農市民ネット共同代表の河田昌東さんと天笠啓祐さんが対談し、成長が早くなるよう遺伝子操作されたサケ、切っても赤くならないりんごなど、これまでなかった遺伝子組み換え動物・作物が米国で承認されていることが報告されました。
*国際生物多様性の日:生物多様性条約が締結された日を祝うことを目的に、1993年に開かれた国連総会で定められた。
集会に参加した生活クラブ生協・東京の田中のり子さんは、「ゲノム編集という新しい技術が出てきたことには、驚かされました。他の生物の遺伝子を導入するのではなく、同じ生物から作った酵素の力で遺伝子に突然変異を起こさせるのですが、意図しない変異が起こっても分かりにくいということでした」と新しい技術への懸念を語りました。
遺伝子組み換え作物の栽培面積が減少へ
その一方で、国際アグリバイオ事業団の報告によると、2015年は2014年に比べて、世界の遺伝子組み換え作物の栽培面積は1%減少しました。その背景として天笠さんは、「表示がきちんとされていないなど問題が多く、批判が高まっている」と話し、「今年7月1日にバーモント州で遺伝子組み換え表示を義務付ける州法が施行されれば、影響は大きいでしょう」と遺伝子組み換え作物の最大の栽培国である米国の動きへの注視を呼びかけました。
【2016年6月29日掲載】