「GMOフリーゾーン全国交流集会 in さが」に生活クラブから21人が参加
佐賀市で「第12回GMOフリーゾーン全国交流集会 in さが」が開催され、生活クラブ生協から21名が参加しました。
※GMO =Genetically Modified Organism 遺伝子組み換え作物
※GMOフリー = 遺伝子組み換え作物のない
棚田の保全で遺伝子組み換えでない作物を守る
GMOフリーゾーン運動全国交流集会は、「遺伝子組み換え作物は作らない」と宣言した農家と、それを応援する消費者・小売り・製造業など(サポーター)が年に一度集まり交流する集会です。GMOフリーゾーン運動には、生活クラブをはじめ日本中の多くの団体が取り組んでいます。2006年に滋賀県高島市で第1回目の交流集会が開催され、今年で12回目を数えました。
基調講演では、相知町の元町長の大草秀幸さん(右写真)が棚田の保全活動を中心に報告し、「地元で栽培されたものを使って料理し、残さず食べることを、子や孫に伝えていくことが大事」「佐賀の豊かな自然を守ることや食料自給率を上げることが、遺伝子組み換え作物に反対する取組みにつながる」と話しました。
続いて佐賀市内のスーパー「協同組合アルタ・ホールグループ」に勤務する池田隆二さんが、農業と食べものの大切さを地域の小学生に伝える「大豆100粒運動を通した食育活動」について報告しました。
全国のGMOフリーゾーンの面積の合計は、佐賀県の2,209haなど昨年より7,048ha増加し、94,215.55haになりました。2012年に登録が始まったサポーターも、個人10,846人と46事業所にまで広がりました。
海外からも連帯のメッセージ
今回の全国交流会には海外からも、韓国のパク・インスクさん(GMO反対全国行動共同代表)と米国のゼン・ハニーカットさん(Moms across America設立者。団体名は「アメリカ中のお母さんたち」の意)が参加しました。
韓国では、イネをはじめとする4品目の遺伝子組み換え作物が安全性審査の最終段階に入っています。これに反対するため、「GM作物の試験栽培の中止を求める100万人署名運動に取り組んでいます」とパクさんは報告。
ハニーカットさんは、米国の子どもたちのアレルギーなどの問題と食生活の関係について報告し、「non-GMOの有機食品を食べることで、私の子どもたちのアレルギー症状が大幅に改善しました。母親たちに遺伝子組み換えや農薬のことを話して、有機食品を買うことを呼びかけましょう」と参加者に訴えました。
左写真:パク・インスクさん 右写真:ゼン・ハニーカットさん
生活クラブの各地域で着実にすすむGMOフリーゾーン運動
GMOフリーゾーン運動の取り組む団体のリレー報告では、生活クラブからは千葉の木村庸子理事長(右写真)が報告しました。千葉では、9月から実施した登録キャンペーンで、285人が新しくサポーター登録しました。木村さんは、登録の際に組合員から寄せられた「もっと意識してGMOに反対していきたい」「non-GMOを買い支えることが大事」などのメッセージを紹介しました。
生活クラブでは2016年度、GMOフリーゾーン面積がおよそ3,100ha増加し、合計で63,475haになりました。サポーター登録は、1,531人が新たに登録して合計で6,908人に、加工・流通・店舗の事業者は6事業所が新たに登録し、合計で24事業所になりました。
2013年にこの集会が開催された山梨から参加した、生活クラブ山梨の上野しのぶさん(理事長)は、今回の開催地・佐賀について、「印象に残っているのは、佐賀市が有機栽培・特別栽培など、安全・安心の農作物を推進していること」と言います。「自治体が環境保全型農業政策を打ち出すことによって、地域の生産者や小売店などが連携しやすく、市民活動もしやすいのではないでしょうか」。生活クラブ愛知から参加した尾関めぐみさん(副理事長)は、「この交流会を通して、GMOフリーゾーンが全国で広がっていることを嬉しく思うと同時に、もっと多くの人に遺伝子組み換え作物の問題に気づいてほしいと思いました。そして、未来のために、これからも私たちできる活動を行なわなくては」と今後への意気込みを語りました。
【2017年4月17日掲載】