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庄内の福祉コミュニティ構想スタート集会「老い支度に多様な選択肢を」が開催されました

3月18日(土)東京で、庄内の福祉コミュニティ構想スタート集会が開催され、庄内の暮らしや老い支度に関心のある生活クラブ組合員111名が参加しました(後援:山形県酒田市)。 

開催のあいさつとして生活クラブ共済連常務理事の伊藤由理子さんは、「生活クラブの提案するまちづくり構想のひとつとして、生活クラブと長年の提携関係がある遊佐町、酒田市を含む庄内地方と提携も視野に入れている。地域社会でのたすけあいの仕組みづくりを行なってきた生活クラブは、福祉をどのように位置づけるかの取組みも進めている。老後の過ごし方のさまざまなニーズに応えるしくみや生産地のまちづくりを一緒に考えていく呼びかけに応えていくのがスタート集会。自分の老いをどうようにとらえるかをともに考えていきましょう」と述べました。

基調講演は、朝日新聞の佐藤陽さん(左写真)より、「日本で老いて死ぬということ ─2025年『医療・介護』崩壊で何が起こるか」とのタイトルで、日本にせまる2025年問題の実像や課題、今後の解決策や展望についてお話しいただきました。

佐藤さんは、朝日新聞社で25年新聞記者をされて、ここ15年位は医療・介護の問題を中心に取材。神奈川在勤中の2013年から2016年の間に、「迫る2025ショック」という2025年問題をテーマにした連載を担当し著書にまとめられました。

佐藤さんは、約650万人の団塊の世代が75歳以上、いわゆる後期高齢者になって、特に首都圏、都市部で医療と介護の提供が追いつかなくなる問題「2025年問題」についてのお話から始まりました。

2025年に予測されることは、①都市部で主な死に場所である病院のベッドが足りなくなる ②特別養護老人ホームの「待機高齢者」が増える ③介護職員が不足 ④社会保障費が膨張し財政ピンチに陥る、などです。この状態に対して国は地域包括ケアへの転換を進めていますが、家族の「意識」や在宅医のなり手が少ないことなどから「在宅看取り」は実現していない現実があります。

そのような状況の中でも、在宅医療における先駆的な取組みも進んでおり、横須賀市や横浜市若葉台団地の再生事例、埼玉県幸手市で地域のキーパーソンがコミュニティデザイナーとして活躍する「幸手モデル」の活動などを紹介されました。

一番言いたかったこととして、「熱い人と冷めた人の落差はどうしてもある。この会場にいる方は熱い人。冷めた人は諦めるしかないかなと。丁度その間にいる「プチ熱い人」、熱い潜在的な気持ちは持っているけど恥ずかしくて前には出ない感じの方々。そのプチ熱い人たちを巻き込んでいくことが2025年問題を解決するには大事。時には、府中のスナックを一晩借りて実施した「介護スナック」の事例、歯医者さんがバニーになって、嚥下食とか、とろみ付のアルコールを提供するという面白い取り組み。こうした遊び心、緩さとか部分をやっていくことが、一つのプチ熱い人を取り入れる方法なのかなと取材を通じて感じた」とお話しされました。

最後に、2025年問題解決への提言3点を頂戴しました。
「特養など介護施設での看取り体制の充実が一番現実的な道。個々の自宅でやることだとハードルが高いけど、特養だと、職員の研修、看護師の意識で看取りは出来る。介護施設は150万床位あるので現実的と思う。あとはアクティブシニアの方。85歳を超えても元気な方、米寿で介護施設で働き始めた人を取材したが、そういう人の能力を活かす。中高生とか大学生とか若い力を活用していく、支える側に回ってもらう。プチ熱い人たちを巻き込む仕掛けなどが考えられる。」 

続いて行われたパネルディスカッション、「老いを地域で見守るために」では、生活クラブ安心システム連合理事長で社会福祉法人いきいき福祉会専務の小川泰子さん、東北公益文科大学准教授(医療経営、福祉経営、ナレッジ・マネジメント、ソーシャルワーク)の鎌田剛さんと、基調講演を行なった佐藤さんが登壇しました。

冒頭、佐藤さんの講演から、小川泰子さん(左写真)から、いきいき福祉会における19年間の経験で「いろいろな看取りの中で入居者と家族とドクターとの信頼関係がなければ施設での看取りは出来ない」と言われ、最近看取った特養ラポールでの事例を紹介されました。そして「今までは特養の待機者が、これからは葬儀場の待機者。死にたくても死ねない状況、そして死んでからも土に還れない状況が今の実態」とお話されました。日本の姿を物語る深い言葉です。

その状況を踏まえて「あなたは残された時間、どのような生き方・死に方を考えていますか?」と問いかけます。「住まいを考える。神奈川で生活クラブがつくった社会福祉法人がやってきたことは、徹底して生き方・死に方を考える住まいと住まい方」であると力強く話され、これからは「民民の協同事業の多様化」で使い勝手の良いものをつくるその必要性を話されます。その上で「50年培ってきた一番大きいのは組合員という財産。この組合員という財産が私はこう生きたい、こう歳をとりたい、こう死にたい、だからこう暮らしたいという声を今出さないと、50年間の積み重ねを株式というか営利に持っていかれる」と問題提起しました。

これからの住まい方として、ラポールグループの住まい手と担い手の写真スライドを紹介しながら、「私が大事にしているのは長屋の文化。住んでいる人同士がおかずを分け合ったり、心配したりという所。ここで看取りも。普通のアパートですから、もうバリアフリーではなくバリアフルだらけ。バリアフルだと足をちゃんと上げる能力を最期まで保てる、職員が手を出し過ぎないようにする。これが私の究極に思っている住まい」と話されました。小川さん自身が生活クラブの組合員であるからこそ、組合員の視点から、生活者の声をだそうとの呼びかけも頂戴しました。

鎌田剛さん(左写真)からは、「地方に移住し、暮らすとはどういうことか?のんびりスローライフすることじゃないと思っています。来たら自動的にスローライフになりますから、希望しなくても。バスも一日2本。間違いなくスロー。地域を守り元気にする役割を私たち一人一人が担うことが、参加する暮らし」と軽快な口調で話し始めます。

遊佐町における“人の増減”の傾向をグラフなど踏まえて紹介しながら、参加する暮らしの事例として、島根の事例、「道の駅」を拠点とした事例です。自治会、婦人会等の有志が、道の駅を拠点として産直・売店・カフェ3つの事業を主とする会社を作り、その背後にUターン者の活躍。住民もお金を出した出資金とトイレ2ヶ所の指定管理、あとは事業の売上により運営。レストランのシェフは、地域おこし協力隊の若い人たち。店番は近所のお爺さん。週末はこのレストランで婦人会による「女将さん食堂」が展開。社会福祉協議会の配食サービスの中継拠点として地元の中高年ボランティアが宅配。みんなが参加する暮らしをしている」と紹介されました。

これらから提言として、「移住希望者は、庄内のこれからのことにも是非意識を向けて頂きたい。自分なりに、私には何が出来そうだ、みたいな参加のイメージを持っていただきたい。あと自治体も頑張らなきゃいけない。情報提供の窓口とか、暮らしの相談体制、支援の体制作り。最後に、庄内の人たち。住民自体も真剣に考えなければいけない。このままだと地域が無くなる、東京の人たちが来てくれるなら、積極的に受け入れようというのを、自治体だけじゃなくて住民が地区・集落単位で一生懸命受け入れをしなければならない。島根はそれが出来ている。凄いなと思います。本日参加の人たち、この三者が入った合同の勉強会をこのような感じで、あるいは少人数のグループワークをしていかなければならない」とお話しされました。

今後の取組みとして、「老い支度を考えるーゆるやかな連絡会(仮)」が毎月25日に開催されます。高齢期の暮らし方について情報交換する会です。参加しませんかとよびかけがありました。
*「老い支度を考えるーゆるやかな連絡会(仮)」はこちら(PDFファイル)

【2017年4月25日掲載】

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