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食の未来のために種子を守る運動を 「日本の種子(たね)を守る会」設立総会開催

7月3日、参議院議員会館にて「日本の種子(たね)を守る会」の設立総会が開催されました。生活クラブ連合会など全国各地の生活協同組合、農業協同組合はじめ農業団体、消費者団体や研究者などが呼びかけて新たに設立された会です。各団体から約350名が集まりました。
戦後の日本の食と農を支えてきた「主要農作物種子法」(以下種子法)廃止法案が国会で可決成立し、2018年4月に廃止されることになりました。コメ、大豆、麦など、前の世代から受け継いだ豊かな財産である種子を未来の世代へとしっかり渡していくため、生産者と消費者が力をあわせ、新たな法律の制定をめざす活動に取り組むことが「日本の種子を守る会」の目的です。

まず第1部として、農村開発が専門の龍谷大学教授・西川芳昭さん(左写真)より、「種子の多様性を守るー人間と植物の共生の視点から」と題する講演がありました。「遺伝子組み換え作物と農薬をセットにしたビジネスモデルが進めば、農家の選ぶ権利が制限される可能性がある」「種は食べ物の源であって、私たち人間の源である。種だけを守るのではなく、食べ物について考えていかないとならない」「植物と人間は相互にコミュニケーションしながら、そのときに必要な品種・作物が作られてきた。栽培される地域、風土、生活習慣に密接に結びついている。農家が持続的に種子を手に入れることが重要だ」と述べられました。

第2部の総会では、「日本の種子(たね)を守る会」の会長にJA水戸(茨城県)八木岡努組合長、副会長に生活クラブ連合会加藤好一会長とJAしまね(島根県)萬代宣雄相談役が就任しました。

「これまでの種子行政の継続について、予算措置含め国や各都道府県への働きかけ(特に農業試験場の維持、奨励品種制度の維持、種採り農家の保護・協力など)」、「新法制定に向けた国会内・外の協力関係の構築・推進と署名運動など」、「生産者や消費者に公的種子が果たす役割についての啓発活動(リーフレット作成・拡販)、情報共有のための学習会の開催など」を行なうことを確認しました。


設立趣意書(抜粋)
これまで日本は、コメの種子は100%国産で自給し、たくさんのおいしい品種を作り出してきました。私たちは大きな公共財産を失うかもしれない瀬戸際にいます。私たちには前の世代から受け継いだ豊かな財産を将来の世代へとしっかり渡していく責任があります。それには日本の種子の公共品種を守るための新たな法律が必要であると考えます。日本の食と農を守るために、生産者や消費者という立場の違いを超えて、共に公共品種を守るための活動を行なっていかなければなりません。そのために私たちは「日本の種子(たね)を守る会を設立します。

【関連リンク】
プレスリリース「生活クラブ生協連合会が「主要農作物種子法廃止に反対する声明」を発表しました」(2017年4月19日掲載)

「日本の種子を守る会」Facebook
https://ja-jp.facebook.com/taneomamoru/

ウェブサイト
http://tane.life/

【2017年7月6日掲載】

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