組合員による「ヨーグルトリニューアルプロジェクト」活動レポート vol.1 ヨーグルトの工場見学と学習会を開催しました
長く組合員に親しまれている生活クラブのヨーグルト。一番人気の「プレーンヨーグルト」をはじめ11種類のラインナップで共同購入しています。いずれも組合員の意見を反映して開発されたオリジナル消費材です。この春、各地の生活クラブから組合員9人が集まり、ヨーグルト類のリニューアルプロジェクトチームが結成されました。プロジェクトは今年の11月を目標に意見をまとめ、リニューアル消費材の2019年6月デビューをめざして活動する予定です。
「もっと食べたいヨーグルト」をめざして再開発
消費材のヨーグルト第1号は「プレーンヨーグルト」。1986年、生活クラブの提携酪農家から集めた高品質な原乳を有効活用するために開発されました。それから約30年、組合員意見を反映して加糖タイプやフルーツ入り、飲むヨーグルト、酸味を抑えたタイプなど、ヨーグルト品目のバラエティをひろげてきました。
いま、街のスーパーに並ぶヨーグルト製品は多種多様、いずれも売れ行きはよく、ヨーグルト類の市場規模は大きく広がっています。一方、消費材の「プレーンヨーグルト」は年間約100万個もの利用がありますが、消費材のヨーグルト類全体の利用量を家計消費の統計数値と比較した場合、生活クラブの組合員の中には消費材のヨーグルト類を利用していない方がまだまだおおぜいいると推測できます。
こうしたことから、ヨーグルト類全体の利用量アップをめざして、より組合員の好みに合ったおいしいヨーグルト品目を再開発することになりました。「どんなヨーグルトを食べたいのか」を組合員が考え、生産者との協力で、いまの組合員に幅広く受入れられる新しいヨーグルト品目を作ります。ヨーグルト類の利用を増やすことは、将来にわたる酪農家の持続的な生産を支えることにつながります。
まずはヨーグルトの製造工程を見学!
4月13日、提携生産者の新生酪農千葉工場(千葉県睦沢町)で第1回のプロジェクト会議を開催、ヨーグルト製造工程の見学と乳酸菌の学習会を行ないました。この工場は1979年に生活クラブと酪農家の協同で設立された最初の牛乳工場です。千葉・栃木・長野の51戸の提携酪農家から集めた原乳を使い、主に生活クラブ消費材の「パスチャライズド牛乳」や低脂肪乳・ヨーグルト・アイスクリーム・バター・チーズなどの乳製品を製造しています。
まずはヨーグルトの製造方法を知るために「プレーンヨーグルト」の製造見学から始まりました。
調合:タンクで生乳と脱脂濃縮乳を合わせます。脱脂濃縮乳の製造も新生酪農で行なっています。乳脂肪分を除き、熱をかけずに水分を抜いて濃縮するので、牛乳の風味が生きています。
乳酸菌添加・充てん:乳酸菌を混ぜてカップに充てんします。フタに製造日と賞味期限が印字されます。
発酵:室温43度の発酵室で2時間半かけて発酵させます。容器に充てんした後に発酵させる製造を「後発酵」と呼びます。発酵が終わったら急速に冷やして10度以下で保存します。細菌検査、風味や酸度の理化学検査を行なった後、消費材として出荷されます。
食べ比べてなっとく!乳酸菌による味のちがい
続いて乳酸菌についての学習会です。ヨーグルトはサーモフィラス菌とブルガリア菌という2つの乳酸菌を基本として製造されること、それぞれの菌にもさまざまな種類があり、ヨーグルトの酸味や粘度などが種類ごとに異なることを学びました。
プロジェクトメンバーが驚いたのは、原料や製造方法は同じで乳酸菌の種類だけを変えた3種のヨーグルトを食べ比べた時です。「酸味の感じ方がこんなにちがうの?」という驚嘆の声が一同からあがりました。
消費材のヨーグルト類についての討議では、「小型カップの量がちょっと多い」「容量の少ないドリンクタイプがほしい」「プレーンヨーグルトはきな粉などを混ぜて食べるので酸味がちょうどよい」といった意見や要望が活発に行き交いました。
いよいよ新しいヨーグルトづくりへ
プロジェクトでは、今回の見学と学習の成果をまとめることと、メンバーがそれぞれ各地の組合員の意見を集めて次回の会議に持ち寄ることとなりました。
組合員による「ヨーグルトリニューアルプロジェクト」の進行過程は、引き続きウェブ「生活クラブ活動情報」でお伝えします(全3回予定)。
【今後のプロジェクト計画】
- ●新生酪農での学習や、各地の組合員意見を受けての課題の整理(5月)
- ●改良の方向性や試作品づくりの検討(6月)
- ●試作品への組合員アンケートや聞き取りの検討、実施(7~9月)
- ●組合員アンケートの結果をふまえた具体的な改良方法の検討(10月)
- ●改良の答申案のとりまとめ(11月)