生産者と意見を交わし交流 生活クラブ生協70人来庄 平牧工房や水田など見学(荘内日報)
2018年07月27日:荘内日報
首都圏を中心に全国に組合員約38万人を抱える生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(生活クラブ生協、本部・東京都)の「第45回庄内交流会」が22─25日の3泊4日の日程で、庄内地方を中心に県内のほ場や食品工場などを巡るコースで行われた。 持続可能な生産が行われているかなどをチェックするとともに、 生産者と意見を交わし交流を深めた。
同クラブは1965年の創立。 北海道から兵庫県まで21都道府県の33生協が加盟し、生産者と意見を交わしながら消費材(商品)を開発、共同購入している。
庄内の生産者とは、72年から遊佐町農協(現庄内みどり農協遊佐支店)と米の提携生産、平田牧場(酒田市)と無添加ソーセージの開発に取り組むなど、 早くから深く関わっている。 庄内交流会は74年から毎年実施している。
今年は、 首都圏を中心に東北から中部地方までの生協役員ら約70人が参加。 22日は西川町の月山トラヤワイナリー、23日は鶴岡市の羽黒・のうきょう食品加工、酒田市の月山農場、遊佐町の同クラブの太陽光発電所建設現場、杉勇蕨岡酒造場、24日は同町の水田、酒田市の平牧工房などを巡った。
このうち平牧工房(酒田市楢橋)は平田牧場のグループ会社で、ハム・ソーセージ類を製造。幸田祐治・平田牧場執行役から「持続可能な生産・環境づくりや、どこで作ったか全ての履歴が分かるなど安全・安心を重視。ふん尿を堆肥にするなど資源の循瑣や、 飼料用米の使用で国内の食料自給率向上にも貢献している」など取り組みを聞き、工場内を見学した。
また、 24日夕には、同クラブと生産・消費のネットワークを構築している県内の生産者組織「山形親生会」との交流会が、同市のガーデンパレスみずほで開かれた。親生会のメンバー14社による農水産物や酒、 菓子などを試食した後、地元食材を使った料理を囲むレセプションで交流を深めた。
庄内交流会の福住洋美団長(生活クラブ千葉副理事長)は「生産者との交流機会は多いが、現場に来る庄内は特別。 空の青さや風の香りなど五感で感じることが大事。こうした活動の積み重ねが日本を変える力になると信じる。 特に消費者が商品を選ぶための情報開示の在り方や、農家を守る農業の在り方、 深刻な食料自給率低下の改善などにつながっていけば」と、日本の食を現場から変えていこうとする試みであることを強調。山形親生会会長の新田嘉七平田牧場社長は「この交流会は消費者とお互いに思いを語り、 深い部分で理解し合える。今後も続け、より良い関係にしていきたい」と期待を寄せた。
*上写真:平牧工房を見学する交流会参加者たち=24日午後
*下写真:山形親生会との交流会で試食をする参加者たち=24日夕、ガーデンパレスみずほ