資源循環と自給力向上をめざす「ぐるっと長野フェア」初開催!
生活クラブ長野松本センターで開催された「ぐるっと長野フェア」の様子
2018年11月4日(日)、「ぐるっと長野地域協議会」は、生活クラブ長野・松本センターにおいて、「ぐるっと長野フェア」を開催しました。
長野県は野菜・酪農などの食料生産がさかんで、生活クラブの提携生産者が多いところです。2010年、生活クラブ(神奈川・長野・連合会)は長野県内の提携生産者とともに「ぐるっと長野地域協議会」(以下「協議会」)を発足。それぞれの団体が持つ生産、製造、消費の力を集めて、国内自給力の向上や持続可能な社会のモデルとなることをめざしてきました。
「ぐるっと長野フェア」は、これまで「協議会」が8年にわたって築いてきた資源循環や持続可能な生産基盤の重要性を理解し、さらに利用を広げていくことを目的に開催。対象を組合員中心にし、「学び」をテーマに、学習会と試食会の二部構成で行ないました。
組合員が「協議会」の足跡と成果を学習し、理解を深めました
「協議会」代表の青木幸彦さんのあいさつでは「協議会」の足跡と今後の展望についてお話がありました。「今日は長野のおいしいものをたくさん試食して生産者のことを理解してほしい」と参加者に呼びかけました。その後、参加者は「協議会」の8年にわたる成果をまとめた動画で、生産者への理解を深めました。
学習会では「協議会」の取組みの一例として、味噌の原料供給や資源循環の取組が紹介されました。(株)マルモ青木味噌醤油醸造場では味噌の原料にJA上伊那などの加工用米や大豆を使用。また会田共同養鶏組合では飼料用米の供給を受ける一方、鶏糞のたい肥を納めるなど、資源循環の輪が広がっています。
発足当時、13提携生産者だった「協議会」は8年経過した現在、19生産者となり、さらに幅広い循環構造を作りあげています。
マルモ青木味噌醤油醸造場 代表取締役(株)青木幸彦さん(左写真)、動画にまとめられた「協議会」の活動を学習(右写真)
「ぐるっと長野地域協議会」に参加する長野県内の生産者
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写真左から、成田由美子さん、大久保明美さん
生活クラブ長野理事長の成田由美子さんのあいさつに続き、「協議会」のメンバーである生活クラブ神奈川副理事長の大久保明美さんは「複数の生産者が共同開発する消費材は生産者の皆さんの素晴らしいアイデアに加え、組合員の意見もしっかり反映できるのが醍醐味です。今後も、生産者のみなさんと連携しながら進めていきたい」と抱負を述べました。
試食会では長野の豊かな食材を満喫し、生産者との交流を深めました
第二部では、「協議会」の生産者同士で共同開発したものなどを中心に試食。子連れ・孫連れで参加した組合員も多く、年齢も様々な皆で長野の豊かな食材を味わいました。また生産者と出会い、直接作り手としての思い入れや持続可能な社会の実現に向けた様々な取組みを聞き、理解を深めました。
<豚汁とおこわ>長野森林組合の山菜とJA上伊那のもち米で作った山菜おこわと、マルモ青木味噌醤油醸造場の味噌とJA上伊那の野菜で作った豚汁
<山菜月見そば>おびなたの生そば、長野森林組合の山菜とえのきだけ茶漬、会田養鶏のたまごを使用
パスチャライズド牛乳とノンホモ牛乳を飲み比べ。「どちらがお好きですか?」と生産者。
試食会を受けて、生活クラブ長野の瀬戸久子さんは「様々な業種の生産者が発想を持ち寄ることで新たなものができ上がっていく大切さを実感。実際に生産者と顔を合わせることでしか伝わらない「熱」を感じました」と語りました。
また生活クラブ長野上諏訪支部の組合員、伊藤ひろ子さんは、「8年の中で、食材だけでなく廃棄まで視野に入れた循環が行われていて感動しました」と話しました。
「協議会」では今後、生活クラブが方針に掲げる「FEC自給ネットワーク構想※」に基づき食(FOOD)の分野だけでなく、エネルギー(ENERGY)の自給や、地域における福祉の拠点づくり(CARE)などへもその活動範囲を広げる予定です。「協議会」メンバーの生産者が集まり、彼らを食べ支える組合員と出会った今回のフェアは、互いの取組に共感する仲間を増やす一日となりました。
※生活に欠かせない「食(Food)」「エネルギー(Energy)」「福祉(Care)」のしくみを自分たちでつくりだす社会をめざす構想。内橋克人氏(評論家、旧2012国際協同組合年全国実行委員会・委員長)が提唱。