第6回 新機軸・魚柄仁之助「刺身の昆布締め」
評論家さんみたいに
「活きがいい」とか「鮮度が命」とか
言ってる人も、買ってきたお刺身を
ただ冷蔵庫に入れてるだけじゃない?
もったいない。鮮度を最高に活かす「刺身テク」
行ってみまっす
フツーのスーパーで買った「鯛のサク取り」です。
「活き〆だよー!鮮度いいよー!」
でもボク、明後日食べるの
今日はたべない。食べないけど
昆布で〆るのっ
昆布の表面に食酢を塗って10分も置いておくと
昆布がシンナリしてきます
シンナリした昆布の上に塩をパラリと振り、
その上に鯛を乗せる。
鯛の表面にも塩をパラリと振り、
出来るだけ空気を抜きながら
ラップできつく巻く
このまま丸一日冷蔵庫に入れておけば
「鯛の昆布〆」ができます。
一日と言わず、2日~3日置きますと
鯛の水分が昆布に吸い取られ、
反対に昆布のウマミが鯛に浸みこんで
ネットリとした昆布〆になるんですな。
一日〆の鯛を食べるか?2~3日〆た鯛刺しを食べるか?
お好みでどーぞ
買って来てそのまま冷蔵庫に入れていたら2~3日後には
確実に傷んでいや〜な臭いが漂ってきますが
一手間「昆布〆」にしておくと
傷むのではなく熟成して
高級昆布〆刺身になるのです。
昆布の濃いウマミと塩味が付いていますから
しょうゆなんざ使いません
ユズかカボスをジュッと絞って食べましょ。
なにかの都合でせっかく買った刺身の出番がなくなる事もありましょう。
家族が急に会社の人と食事してくることになった…とか。
そんな「緊急事態」こそ昆布〆の出番なんですな。
「す・すまん…急に専務から誘われちまって…」
てなことになっても、慌てず騒がず、
買っておいた鯛の刺身を昆布とラップで巻いてしまえば
今日食べるのとはまた別のおいしい鯛刺しが明日、明後日
食べられるんです。
「活き〆が…」とか「鮮度が…」みたいな
うんちく屋さんと
慌てず、騒がず昆布〆にできる
スキル屋さんと
どちらを選びますぅ?
写真・文/魚柄仁之助