放射能から子どもを守るリフレッシュツアー・報告交流会を開催しました
交流会に参加したみなさん
生活クラブは東日本大震災が起こった当初から、復興支援活動を行なっています。そのひとつが福島県や栃木県の組合員の子どもとその家族を、他地域の生活クラブが招くリフレッシュツアーです。
短い期間でも放射能の心配のない地域で子どもたちが過ごすことは、外部・内部被ばくを減らし、気持ちをリフレッシュする効果があります。
生活クラブでは11月26日に、子どもたちが放射能の影響を忘れてのびのび過ごせるようにするにはどうすればよいか、これからのリフレッシュツアーに生かすための交流会を東京で開催。各地の組合員リーダーや事務局の約40人が集まり、参加する地域と受入れ地域の組合員が意見を交換しました。
参加する福島や栃木の組合員の思いを共有
*左から、仲江望美さん、伊藤 香さん、岸 京絵さん、土谷雅美さん
リフレッシュツアーは組合員カンパをもとに2011年度からスタートし、2018年度は13地域で16企画が行なわれます。
交流会では生活クラブふくしまの仲江望美さんが「参加者を募る際はカンパでまかなわれていることなどを改めて書き、受入れ地域や支援してくれる方々の気持ちが伝わるようにしています」と報告しました。
受入れ地域のうち、生活クラブ愛知の伊藤香さんは「家族でゆっくり過ごせるように、4泊5日のうち2日をフリータイムにしています。参加者と愛知の組合員の交流会は、被災地での親の悩みや不安を共有し、原発事故について考える機会になっています」と報告。
また「福島県や栃木県の状況を事前に知ろうと、生活クラブふくしまの元理事長や宮城県の復興支援団体を招いて学習会をしました」と横浜北生活クラブの岸 京絵さん。
2012年から毎年行なっている生活クラブ東京では「最初の頃に参加した福島の子どもが大学生になり、受け入れ側のボランティアで参加してくれました」と、土谷雅美さんは報告しました。
被災地の現状を知り、リフレッシュツアーの意義を再確認
*左から、佐藤洋さん、矢野恵理子さん
リフレッシュツアーのような企画は、一般的には「保養」と呼ばれています。交流会では保養の課題と役割について、「TEAM毎週末みんなで山形」代表で、「311受入全国協議会」共同代表の佐藤洋さんを講師に学習しました。
「被災地で放射能への不安を口にすると『復興を邪魔する人』とみなされる恐れがあります。不安な気持ちを語れるリフレッシュツアーなどの保養は重要で、組合員の組織である生協こそ、保養を行なうのにふさわしい」と生活クラブへの期待を語りました。
また「ぽかぽかプロジェクト」という保養を行なっている国際環境NGO「FoE Japan」の矢野恵理子さんは、「避難先から福島県にもどる人が増えるのに伴って、保養を希望する人が増えています」と報告。多くの人が放射能への不安を感じていることを知りました。
その後の質疑・意見交換では、参加者と受入れ側が現状を話して理解し合う大切さを実感。おたがいの声を生かしながら、リフレッシュツアーを行なっていくことを確認しました。
福島原発事故から7年経ちますが、生活クラブは「放射能はこれ以下なら安全という値はない」 という考え方に基づき、これからもリフレッシュツアーなどを通じて子どもたちを放射能からも守る活動を続けていきます。
講演を熱心に聞く参加者