日本は遅れている? 自然エネルギー利用の世界的な傾向
生活クラブで共同購入している「生活クラブでんき」は、自然エネルギーの割合が高い電気です。将来的には自然エネルギー100%にすることを目指して、全国の自然エネルギー発電所から電力を調達しています。ところで、日本の自然エネルギーによる発電はまだまだ少ないのが現状です。さらに、世界的にはどうなっているのでしょうか。探ってみました。
日本では自然エネルギーの利用がまだ低い
まず、日本のエネルギー利用の現状を見てみましょう。
現在日本で使われているエネルギーは、石炭・石油・天然ガス(LNG)などの化石燃料に大きく依存しています。化石燃料を燃やして電力を得る火力発電が、実に80%以上を占めているのです。原子力発電は、現在、原子力発電所の多くが稼働を停止しているため非常に少なくなっています。
そして、水力、太陽光、風力、地熱、バイオマスなどの自然エネルギーによる発電は、すべて合わせても約15%とまだまだ少ないのが現状です。この水力の中には、昔からある大手電力会社の大規模なダムも入っています。水力を除くと、太陽光による発電の割合がかなり大きいのが日本の特徴です。太陽光発電は固定価格買取制度の実施や、パネルの設置のしやすさなどの理由から、日本では比較的普及しやすかったためです。しかし、全体から見れば日本では自然エネルギーの比率はまだとても低いです。
現在日本で使われているエネルギーは、石炭・石油・天然ガス(LNG)などの化石燃料に大きく依存しています。化石燃料を燃やして電力を得る火力発電が、実に80%以上を占めているのです。原子力発電は、現在、原子力発電所の多くが稼働を停止しているため非常に少なくなっています。
そして、水力、太陽光、風力、地熱、バイオマスなどの自然エネルギーによる発電は、すべて合わせても約15%とまだまだ少ないのが現状です。この水力の中には、昔からある大手電力会社の大規模なダムも入っています。水力を除くと、太陽光による発電の割合がかなり大きいのが日本の特徴です。太陽光発電は固定価格買取制度の実施や、パネルの設置のしやすさなどの理由から、日本では比較的普及しやすかったためです。しかし、全体から見れば日本では自然エネルギーの比率はまだとても低いです。
(図1)日本の電源構成(2017暦年速報)
大きく普及がすすんでいる世界の自然エネルギー
視野を世界に広げて見ると、今、世界全体ではおおむね1/4が自然エネルギーになってきています。原子力発電は約10%。実は自然エネルギーよりも少ないのです。
(図2)世界の発電電力量24.2兆kWh(2015年)
資源エネルギー庁「平成29年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2018)より
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2018html
資源エネルギー庁「平成29年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2018)より
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2018html
自然エネルギーの中ではやはり水力が大きな割合を占めていますが、風力やバイオマスもかなり高い割合です。昼間しか発電できない太陽光に比べ、風力発電は発電量が大きかったり、バイオマスも燃料さえあれば24時間稼働し続けられるということがあり、世界では大きく活用されています。
(図3)REN21(21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク)自然エネルギー世界白書 2017 ハイライト日本語版より 翻訳:認定NPO法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP)
https://www.isep.or.jp/wpdm-package/gsr2017jp
https://www.isep.or.jp/wpdm-package/gsr2017jp
国別に見ると、水力資源に恵まれているカナダでは水力発電の割合が非常に高く、水力を含めた自然エネルギーの比率が6割を超えています。ドイツやスペインやイタリアなども、電力に占める自然エネルギー比率が30%以上。日本ではまだ約15%なので、主要国と比べて自然エネルギーの普及が進んでいないことがわかります。
(図4)資源エネルギー庁「日本のエネルギー エネルギーの今を知る20の質問」より
http://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/pdf/energy_in_japan2017.pdf
http://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/pdf/energy_in_japan2017.pdf
未来の自然エネルギー利用にも消極的な日本の現状
自然エネルギーの普及が遅れている日本ですが、今後の計画ではどうなっているのでしょうか。
経済産業省による「長期エネルギー需給見通し」(2015年公表)では、2030年度における電源構成の見通しを発表していますが、相変わらず50~60%を石油・石炭・天然ガス(LNG)といった化石燃料に頼るという計画です。さらに、安全性や経済性に世界中で疑問符がついている原子力発電を、20%台に戻すといった計画であることも、世界の流れとの大きなギャップがあるといえます。
2030年度に原子力発電の割合を20%台にすると計画は、廃炉の予定を延長して稼働するなどのさまざまな無理につながります。一方で、再生可能エネルギーの割合は22~24%程度と消極的。この国の計画には、懸念がつきまとうと言わざるを得ません。
経済産業省による「長期エネルギー需給見通し」(2015年公表)では、2030年度における電源構成の見通しを発表していますが、相変わらず50~60%を石油・石炭・天然ガス(LNG)といった化石燃料に頼るという計画です。さらに、安全性や経済性に世界中で疑問符がついている原子力発電を、20%台に戻すといった計画であることも、世界の流れとの大きなギャップがあるといえます。
2030年度に原子力発電の割合を20%台にすると計画は、廃炉の予定を延長して稼働するなどのさまざまな無理につながります。一方で、再生可能エネルギーの割合は22~24%程度と消極的。この国の計画には、懸念がつきまとうと言わざるを得ません。
(図5)資源エネルギー庁による「将来(2030年度)の電源構成のあるべき姿」
資源エネルギー庁「日本のエネルギー エネルギーの今を知る20の質問」より
http://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/pdf/energy_in_japan2017.pdf
資源エネルギー庁「日本のエネルギー エネルギーの今を知る20の質問」より
http://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/pdf/energy_in_japan2017.pdf
利用する側が電気を選んで使うことも自然エネ推進の力に
世界に比べるとまだまだ遅れている日本の自然エネルギー利用ですが、この状況を変え、自然エネルギー比率を少しでも押し上げていくには、利用する側の意思表示も大切。利用者が「化石燃料や原子力による電力は使いたくない」という意思を示し、「生活クラブでんき」など自然エネルギーの割合が高い電気を選ぶことが大きな力になります。
「食べものから不要な食品添加物は減らす」「遺伝子組み換え作物・食品を選ばない」といったことと同様に、電気についても、暮らしの安心や持続可能な社会につながるものを選ぶ。
そうやって、消費をしながら課題を解決していく活動を、生活クラブでは地道にすすめていきたいと考えています。
「食べものから不要な食品添加物は減らす」「遺伝子組み換え作物・食品を選ばない」といったことと同様に、電気についても、暮らしの安心や持続可能な社会につながるものを選ぶ。
そうやって、消費をしながら課題を解決していく活動を、生活クラブでは地道にすすめていきたいと考えています。