放射能から子どもたちを守るために、復興支援カンパにご協力ください【第9次カンパ】
生活クラブ東京 あきる野市の「協同村」にて(2018年9月)
日頃は放射能の心配から、自然の中で遊べない子どもが、リフレッシュツアーで山や川へ行けると、みんな大喜びです。親も他の地域の組合員と放射能について本音で語り合え、横のつながりができることを心強く感じています。リフレッシュツアーは私たちにとって心を解放できる貴重な機会なので、ぜひこれからも続けていただけたらと思います。
生活クラブふくしま 仲江望美さん
短い期間でも放射能の心配のない地域で子どもたちが過ごすことは、外部・内部被ばくを減らし、気持ちをリフレッシュする効果があります。
復興支援カンパをもとに、各地の生活クラブは福島県や栃木県の組合員の子どもと家族を招くリフレッシュツアーを2011年度から行なっています。
生活クラブ東京/水は冷たかったけど、川遊びが楽しかった。また来年も来たい!
生活クラブ長野/長野県伊那地方のおいしい野菜や果物をたくさん食べました!
2019年度使途計画
2019年度の支援内容と費用は以下のとおりです。
※2018年度の収支報告は、秋発行の復興支援ニュースに掲載する予定です。
※共生地域創造財団:2011年に被災者支援を目的として生活クラブ連合会、NPOホームレス支援全国ネットワーク、グリーンコープ共同体の三者で東北を拠点に設立した公益財団法人です。東日本大震災の被災者支援を行なうほか、熊本地震や西日本豪雨被災者を支援する現地団体の支援もしています。
4月3回までの注文書裏面の6桁番号記入欄に注文番号を、数量欄に申込口数を記入してください。1口500円で何口でも申し込めます。
注文番号:238112
*カンパ金は非課税・割戻し対象外(班配送では4%還元対象外)。
*「eくらぶ」でもカンパ申込みができます(北海道・関西・福祉クラブ・デポー組合員を除く)。
※関西地方の組合員もインターネット注文でカンパ申込みができます。
※北海道の組合員の方は、カンパ注文番号が異なります。生協からのお知らせをごらんください。
●支払方法
共同購入代金と一緒に引落します。集金月は、集金明細表でご確認ください。
(「 東日本大震災カンパ」と記載 )。
*このカンパは特定組織への支援金を含むため 税制上の優遇措置の適用対象外です。
*東京・神奈川・千葉のデポー組合員のみなさま:ご利用のデポー店頭で配布している「復興支援第9次カンパ申込書」に必要事項を記入し、ご提出ください。1口500円で何口でも申し込めます。
提出締切:7月31日(水)まで
集金:デポー購入代金と一緒に引落します(9月)
震災から8年たっても、リフレッシュツアーは大切な活動です
リフレッシュツアー報告交流会(2018年11月26日)
当日は、リフレッシュツアーに参加する地域と受入れ地域の組合員など約40人が集まり、子どもたちにとってよりよいツアーを考えるディスカッションを行ないました。同様の活動をする2団体を招いた講演も行ない、リフレッシュツアーの重要性を再確認しました。
放射能への不安を語り合える生活クラブのリフレッシュツアーに寄せられる期待
リフレッシュツアーのように放射能の心配のない地域に行き、外部・内部被ばくを減らす活動は、一般的には「保養」と呼ばれています。当日は保養の役割と課題について、全国の保養団体のネットワーク組織である「311受入全国協議会」共同代表の佐藤洋さんに講演していただきました。
最初に佐藤さんは、保養の役割には、「①被ばくからの回復、②安心して外遊びできる機会、③放射能への不安を自由に語れる場の3つがあります」と述べました。震災後1~2年は、被災者支援の活動として保養は好意的に受けとめられていました。しかし現在は、被災地の人が保養に行ったり、放射能への不安を口にしたりすると、「復興を邪魔する人、風評被害の原因」とみなされ、批判の的になる傾向があるといいます。
「被災地において、『不安を表明する権利が奪われている』ということが、最大の人権侵害です」と佐藤さん。
その意味でも「放射能への不安な気持ちを語り合えるリフレッシュツアーは、とても大切な活動です。組合員、生産者双方の事情に寄り添う生協は震災後、この上なく頼もしい存在」と、生活クラブに期待を寄せていました。
また、放射能が健康に与える影響に対しては、「病気になることを未然に防ぐ予防的な対策が重要」と佐藤さんは説きます。その意味でも被災者が放射能の心配のない地域に行き、外部・内部被ばくを減らすことをめざすリフレッシュツアーは有効です。改めてその必要性を参加者は再確認しました。
「311受入全国協議会」共同代表の佐藤洋さん
保養の希望者が増えている被災地の現状
「ぽかぽかプロジェクト」という保養を行なっている国際環境NGO「FoEJapan」の矢野恵理子さんは、保養団体の現状について次のように明かしました。
「全国で234団体以上が保養を行なっていると推計されています。しかし、震災から8年が経つなかで、活動する人は減り、資金の調達は非常にきびしくなっています」。
保養にはほとんど公的な支援がありません。2017年には108団体が国と福島県に要望書を提出しましたが、いまだに支援はなく、保養団体のきびしい状態は続いています。
一方、被災地では保養を希望する人が増えています。「避難先から戻られた人、津波被害からの復旧が大変で保養を言い出せなかった人、出産をきっかけに放射能に不安を感じ始めた人など、保養のニーズは高まっています」と矢野さん。多くの人が今なお放射能への不安を感じている実態を知りました。
「FoE Japan」の矢野恵理子さん
リフレッシュツアーなど、子どもたちを守る活動を継続
質疑・意見交換の場面では、リフレッシュツアーに参加する地域と受入れ地域の組合員が意見を交わし、子どもたちが放射能への不安を忘れてのびのび過ごせるようにするにはどうすればよいかを考えました。
生活クラブふくしまの仲江望美さんは「ツアーの参加者を募る際にはこの活動がカンパでまかなわれていることを伝え、受入れ地域や支援してくれる方々の気持ちが伝わるようにしています」と報告。受入れ地域である生活クラブ愛知の伊藤香さんは「ツアー参加者と愛知の組合員の交流会は、被災地での親の悩みや不安を共有し、原発事故について考える機会になっています」と話しました。
今回の報告交流会では、おたがいの現状を理解し合う大切さを実感し、双方の声を生かしながら、リフレッシュツアーを行なっていくことを確認しました。
生活クラブはこれからもリフレッシュツアーなどを通じて、子どもたちを放射能から守る活動を続けていきます。
リフレッシュツアー報告交流会に参加したみなさん
子どもの甲状腺がんをサポート
福島第一原発事故当初に放出された放射性ヨウ素 による、子どもの甲状腺がんの発症が懸念されています。福島県が行なっている県民健康調査では、77人の子どもの甲状腺がんが確認されています(表参照)。甲状腺がんの統計などから考えられた数よりも数十倍多い子どもが、甲状腺がんを発症している状況です。
復興支援カンパをもとに生活クラブが支援する、NPO法人「3・11甲状腺がん子ども基金」は事故当時18歳以下で、事故後に甲状腺がんになった子どもの療養費の支援を行なっています。これまでに福島県外の子どもを含め、1都15県の145人に給付しています(2018年12月末現在)。
事故から8年が経ちますが、甲状腺がんは事故後、年数が経ってから発症するケースもあるので、長期的に見ていかなければなりません。
※1 放射性ヨウ素131は、半減期が約8日と極めて短いため、現在は被ばくの心配はありません。
福島県「県民健康調査」検討委員会(2018年12月)、甲状腺検査評価部会(2018年7月)の資料をもとに作成※2 集計外:福島県立医大で甲状腺がんの手術を受けた人のうち、県民健康調査で集計されていなかった人(甲状腺検査評価部会資料)
「3・11甲状腺がん子ども基金」吉田由布子さん
生活クラブは子どもたちを放射能被害から守るとともに、福島県の県民健康調査との比較や監視のため、甲状腺検査活動を2012年度から毎年実施しています。検査結果は報告会や生活クラブ連合会のWebで公開しています。
★『生活クラブOPINION 復興支援ニュース』 2019年3月2回(10週) 掲載記事を転載しました。