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「庄内の福祉コミュニティ構想」報告集会を開催しました しなやかな老後のつくり方~地域に参加する暮らし~

ライフスタイルに合わせた暮らしを多様な選択肢から選ぶ地域づくりの一環として、生活クラブは山形県酒田市と提携し、人生を豊かに暮らすモデルづくりを進めています。2月2日に東京・新宿で、2016年から取り組んでいる「庄内の福祉コミュニティ構想」の報告集会が開かれ、首都圏在住の組合員やその家族など100人あまりが参加しました。
藻谷浩介氏
藻谷氏の質問に答える参加者
集会の基調講演「しなやかな老後のつくり方」は、安心の人的ネットワークと地域循環型社会の構築が持続可能な社会を作り出すと提唱する『里山資本主義』を著した藻谷もたに浩介氏(日本総合研究所主席研究員)。講演の冒頭、藻谷氏は日本の殺人事件件数の推移や「野生絶滅」に指定された朱鷺の生存数、日本の国際マネー競争力などを参加者に問いかけました。「イメージ」や「空気」で認識していることは事実と違うので、「常に事実を数字で確認しないと間違える」と指摘し、事実から考える「地域に参加する暮らしから生まれるしなやかな老後の作り方」について話しました。

今後、高齢者人口が増え続けるのは大都市圏!

2013年度末から2018年正月までの首都圏一都三県の人口(居住の外国人含む)は、73万人増えています。注目すべきは、増えているのは75歳以上だけで、74歳以下はもう減少に転じていることです。このままでは今後も首都圏の高齢者の数は増え続けます。一方、島根県の人口は減少が続いていますが、高度成長期に若者が都会に流出したため “年寄りのなり手”が少なく、75歳以上は増えていません。その結果、島根県では医療福祉負担が減り、その分の予算を子育て・教育に使うことができています。

田舎と大都市で高齢化の大逆転が起きているので、田舎は今の医療介護体制を維持できれば暮らせますが、大都市ではいつまでも医療介護の体制整備が追いつかない状況が続きます。そして、人口が少ない方が食料自給率や自然エネルギー自給率を高く保つことができ、長持ちする社会ができるのです。
未だに「都会の方がチャンスが多く、豊かな暮らしができる」と首都圏に仕事を求めて若者が流入しています。しかし、生活保護率でみてみると(グラフ参照)、大都市圏の方が高く、山形県の方がずっと低いです。惰性のように続く若者の流出をいかに止めるかがこれからの暮らしの作り方のカギとなります。

人生は9回裏まである

さらに、個人の人生を野球の試合のように分けて考えてみます(図参照)。都会で働く人は60歳(定年)くらいまでしか考えられない状況です。それは6回裏くらいまでです。地方では、70、80歳代が現役で活躍していますから、8回裏まであります。さらに寿命が伸び、女性の場合2人に1人、男性も5人に1人が人生の延長戦に入る可能性が高いのです。7回表以降の暮らしを見据えて、20代から50代は働く時間以外の余暇時間で地域活動を楽しく参加することを考えましょう。自給して物々交換する、恩送りをする相手を増すなどをしてみると、退職後も豊かで楽しい時間を過ごせます。それが参加する暮らしです。最後は「人とゆるくつながり、感謝されて楽しい経験を重ねることが、しなやかな老後のつくり方につながるではないでしょうか」と結びました。

酒田市で参加型福祉コミュニティを進める

続いてのパネルディスカッションでは、庄内の福祉コミュニティ構想の進捗について、生活クラブ・庄内協議会・酒田市からそれぞれ報告がされました。
まず、伊藤由理子さん(生活クラブ連合会・生活クラブ共済連 常務理事)が「組合員の食の故郷・庄内に、FEC*自給ネットワークをつくろう!」と、生活クラブと庄内の提携の歴史から庄内FEC自給ネットワーク構想に至る経緯を報告。そして、今後進める酒田市『生涯活躍のまち構想』への積極的な関与や組合員へ多様なライフスタイルの選択肢を提供について話しました。
伊藤由理子さん
続いて、齋藤三郎さん(生活協同組合庄内親生会常務理事)から、昨年、庄内の生産者を中心に設立した「生活協同組合庄内親生会」の取組みの報告と、産地への首都圏からの組合員の参加を呼びかけました。
齋藤三郎さん
そして、酒田市からは永田均さん(酒田市地域創生部長)が、「参加する暮らしに集うまち」のコンセプトに生活クラブと提携し、酒田市のまちづくりに生きがいを感じてくれる人材を迎え入れたいとアピールしました。今後の具体的な取組みについて「拠点とそれに併設する住まいの整備」「酒田の活動に触れる機会を提供」「移住などコーディネートや機能などの整備」などがあり、酒田に興味のある人は市役所の相談窓口や「お試し住宅」の利用、農業体験などで対応しますと説明しました。
永田均さん
酒田市のモデル地域での「集う拠点施設」や「高齢者向け住宅」などの事業とともに、安心・安全な暮らしや住まい方のしくみづくりなどのこれからの取組みを聞き、会場から、酒田市の不動産情報や暮らしに関連する気候などについての具体的な質問がありました。高齢期に向き合う組合員から自然が豊かな地域での子育てを希望する人まで、これからのライフスタイルを考える有意義な機会となりました。住み慣れた地域で暮らす生活クラブの福祉だけでなく、もう1つの新しい選択肢の生活クラブの福祉の今後の展開に注目です。

*F:食料、E:エネルギー、C:ケアの略。内橋克人氏(評論家、旧2012国際協同組合年全国実行委員会・委員長)が提唱。
【2019年3月8日掲載】
 

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