エネルギーの自給と循環型社会をめざして「庄内・遊佐太陽光発電所」開所
生活クラブでは原発にたよらない、人と自然が共生する社会をめざして、エネルギーを「減らす」(省エネをすすめエネルギーの使用を減らす)、「つくる」(自然エネルギーをつくる)、「使う」(自然エネルギーを選択して使う)を柱とするエネルギー政策(生活クラブ総合エネルギー政策)を推進しています。
自然エネルギーを「つくる」活動として、山形県遊佐町で約2年の歳月をかけて建設がすすめられてきた「庄内・遊佐太陽光発電所」の稼働が2019年2月にはじまりました。これを記念して、5月30日に現地見学会とFEC自給ネットワーク構想(*)をテーマとした記念フォーラムが開催されました。
(*)生活に欠かせない「食(Food)」「エネルギー(Energy)」「福祉(Care)」のしくみを自分たちでつくりだす社会をめざす構想。内橋克人氏(評論家、旧2012国際協同組合年全国実行委員会・委員長)が提唱。
庄内地域との長年の提携が生んだ太陽光発電所
「庄内・遊佐太陽光発電所」が建つ山形県の庄内地域と生活クラブは、米や豚肉、農産物などの食の提携を50年もの長きに渡り続けてきました。その関係は食だけでなく、環境保護やエネルギーなどの社会的課題の解決に向けたチャレンジにまで至っています。
この発電所は、生活クラブグループと提携生産者などが共同で設立した株式会社 庄内自然エネルギー発電が建設しました。その資金は、地域の金融機関からの融資や生活クラブグループからの貸付のほか、庄内に住む方々や生活クラブの組合員による市民ファンドによるものです。
見学会では、庄内自然エネルギー発電の半澤彰浩さんから「発電した電気は、東北電力を通じて地域の方々へ、生活クラブエナジーを通じて『生活クラブでんき』を利用する、組合員や生産者へと届けられます。この発電所は完成がゴールではなく、これからがスタート。庄内地域の資源である自然エネルギーを接着剤に、地域とつながる存在にしていきたい」との挨拶がありました。
この発電所は、生活クラブグループと提携生産者などが共同で設立した株式会社 庄内自然エネルギー発電が建設しました。その資金は、地域の金融機関からの融資や生活クラブグループからの貸付のほか、庄内に住む方々や生活クラブの組合員による市民ファンドによるものです。
見学会では、庄内自然エネルギー発電の半澤彰浩さんから「発電した電気は、東北電力を通じて地域の方々へ、生活クラブエナジーを通じて『生活クラブでんき』を利用する、組合員や生産者へと届けられます。この発電所は完成がゴールではなく、これからがスタート。庄内地域の資源である自然エネルギーを接着剤に、地域とつながる存在にしていきたい」との挨拶がありました。
挨拶に立つ(株)庄内自然エネルギー発電の半澤彰浩さん
30年近く利用されていなかった砕石工場の跡地に建設された広大な発電所には、66,440枚にものぼる太陽電池モジュール(太陽光パネル)が使用されています。太陽光を浴びて青くキラキラと光る様子と発電所の規模の大きさに、見学会に訪れた組合員達から歓声があがっていました。
30年近く利用されていなかった砕石工場の跡地に建設された広大な発電所には、66,440枚にものぼる太陽電池モジュール(太陽光パネル)が使用されています。太陽光を浴びて青くキラキラと光る様子と発電所の規模の大きさに、見学会に訪れた組合員達から歓声があがっていました。
発電所の周囲は森に囲まれ、たくさんの生き物が住んでいます
敷地内に建てられた「記銘板」。市民ファンドに参加していただいた方々の名前が記されています
「庄内FEC自給コミュニティ構想」がめざす未来
開会の挨拶をする(株)庄内自然エネルギー発電・代表取締役の新田嘉七さん
組合員や消費材をつくる生産者、庄内地域の方々など全国各地から参加者が集まりました
壇上に立つ、東北芸術工科大学デザイン工学部 建築・環境デザイン学科教授の三浦秀一さん
記念フォーラムでは、東北芸術工科大学デザイン工学部 建築・環境デザイン学科教授の三浦秀一さんの「再生可能エネルギーの取り組みと庄内FEC自給ネットワーク構想の社会的意義」と題した基調講演と、パネルディスカッションが行なわれました。
三浦さんは「やまがた自然エネルギーネットワーク」の代表も務め、市民参加型の自然エネルギー発電所の支援などに取り組みながら、自らもエネルギーを自給する生活を実践。太陽光パネルを設置して発電を行い、高断熱住宅で暖房のエネルギーを減らせば、無理なくエネルギーを自給できるといいます。講演では「国土のせまい日本で自然エネルギー発電所を増やしていくには、きちんとした都市計画と建設地となる地域の住民の理解、地域への還元が重要。環境を破壊したり、地域から資源のみを搾取したりするような発電所にしてはいけない」と、地域住民とともに計画を進めてきた庄内・遊佐太陽光発電所をモデルケースの一つとして紹介してくださいました。
パネルディスカッションでは三浦さんと、JA庄内みどり 遊佐町共同開発米部会長の尾形長輝さん、(株)庄内自然エネルギー発電の半澤彰浩さん、酒田市地域創生部地域共生課の五十嵐康建さんをパネラーに、庄内地域でのこれまでのFEC自給とその展望について話し合いました。
尾形さんからは「再生可能エネルギーをどのように農業に取り入れていくかを新たな課題とし、資源循環型農業を推進していきたい」、半澤さんからは「発電事業の「利益」の利用と「電気」の地域内での本格的な活用で庄内地方を元気にしていきたい」、五十嵐さんからは「自然や福祉の充実など、様々な地域の資源を活用し、生活クラブとともにまちづくり構想をすすめていきたい」との発表がありました。
三浦さんからは「生活クラブの組合員と生産者のつながりや、都市と地方とのつながりを生み出していることのすごさを感じる。住んでいては気付かない地域の魅力を、考えさせてもらえる機会にもなっていくと思う」とのコメントがあり、「FEC」の取組みを相互に関係させながら、それぞれの活動をもっと広げていこうという決意を確認する場となりました。
記念フォーラムでは、東北芸術工科大学デザイン工学部 建築・環境デザイン学科教授の三浦秀一さんの「再生可能エネルギーの取り組みと庄内FEC自給ネットワーク構想の社会的意義」と題した基調講演と、パネルディスカッションが行なわれました。
三浦さんは「やまがた自然エネルギーネットワーク」の代表も務め、市民参加型の自然エネルギー発電所の支援などに取り組みながら、自らもエネルギーを自給する生活を実践。太陽光パネルを設置して発電を行い、高断熱住宅で暖房のエネルギーを減らせば、無理なくエネルギーを自給できるといいます。講演では「国土のせまい日本で自然エネルギー発電所を増やしていくには、きちんとした都市計画と建設地となる地域の住民の理解、地域への還元が重要。環境を破壊したり、地域から資源のみを搾取したりするような発電所にしてはいけない」と、地域住民とともに計画を進めてきた庄内・遊佐太陽光発電所をモデルケースの一つとして紹介してくださいました。
パネルディスカッションでは三浦さんと、JA庄内みどり 遊佐町共同開発米部会長の尾形長輝さん、(株)庄内自然エネルギー発電の半澤彰浩さん、酒田市地域創生部地域共生課の五十嵐康建さんをパネラーに、庄内地域でのこれまでのFEC自給とその展望について話し合いました。
尾形さんからは「再生可能エネルギーをどのように農業に取り入れていくかを新たな課題とし、資源循環型農業を推進していきたい」、半澤さんからは「発電事業の「利益」の利用と「電気」の地域内での本格的な活用で庄内地方を元気にしていきたい」、五十嵐さんからは「自然や福祉の充実など、様々な地域の資源を活用し、生活クラブとともにまちづくり構想をすすめていきたい」との発表がありました。
三浦さんからは「生活クラブの組合員と生産者のつながりや、都市と地方とのつながりを生み出していることのすごさを感じる。住んでいては気付かない地域の魅力を、考えさせてもらえる機会にもなっていくと思う」とのコメントがあり、「FEC」の取組みを相互に関係させながら、それぞれの活動をもっと広げていこうという決意を確認する場となりました。
パネルディスカッションでは、庄内地域での「FEC」それぞれの取組みについて語られました
さらに、「庄内・遊佐太陽光発電基金(仮称)」創設の共同宣言と協定調印式を行ないました。この基金は「庄内・遊佐太陽光発電所」の発電事業で得られた利益を、庄内地域へ還元することを目的に設立するものです。どのような事業に基金を使用していくかは、協定を結んだ酒田市、遊佐町、庄内地域の生活クラブ提携生産者で構成する生協庄内親生会、生活クラブ連合会、(株)庄内自然エネルギー発電で今後、協議をすすめます。
「庄内・遊佐太陽光発電所」は、「庄内FEC自給コミュニティ構想」のエネルギーを自給する拠点となるだけでなく、庄内地域を活性化するための重要な存在です。今後は、庄内地域に特化した電力会社の設立も視野に入れながら、地域の方々に必要とされるさまざまな事業を生み出していきます。
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地域づくりに貢献へ 自治体と生産者、生活クラブ生協ら5者で基金設立を宣言
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「庄内・遊佐太陽光発電所」は、「庄内FEC自給コミュニティ構想」のエネルギーを自給する拠点となるだけでなく、庄内地域を活性化するための重要な存在です。今後は、庄内地域に特化した電力会社の設立も視野に入れながら、地域の方々に必要とされるさまざまな事業を生み出していきます。
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【2019年6月14日掲載】