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ゲノム編集技術で作られたすべての食品と添加物の規制と情報開示を

【プレスリリース】

生活クラブ連合会が厚労省と農水省へ意見(パブリックコメント)を提出しました

厚生労働省は、「ゲノム編集技術応用食品等の食品衛生上の取扱要領(案)」と「届出に係る留意事項(案)」、農林水産省は、「農林水産分野におけるゲノム編集技術の利用により得られた生物の情報提供等に関する具体的な手続について(骨子)(案)」をそれぞれ作成し、パブリックコメントを募集しています。パブリックコメントを経て、今年夏ごろを目途に、運用開始を目指しています。どちらの省庁も、ゲノム編集技術によって作られた生物の規制を一部に留め、開発者からの届出や情報提供は、開発者の自発性に任せています。

生活クラブ生協連合会(本部:東京都新宿区、会員生協:33生協・1連合会、組合員数合計:約40万人)は7月17日、ゲノム編集技術の利用により作られたあらゆる食品と添加物を規制の対象とし、情報を開示することを求め、意見を提出しました。提出した意見は次の通り。
 

厚生労働省宛て意見
 
1.すべてのゲノム編集技術応用食品・添加物に対して予防原則にもとづく規制をすべきです。

提案されている「ゲノム編集技術応用食品及び添加物の食品衛生上の取扱要領(案)」では、「外来の遺伝子及びその一部が残存しないことに加えて、(中略)塩基の欠損、数塩基の置換、挿入、された結果として1~数塩基の変異が挿入される結果となるもの」を届出の対象としていますが、遺伝子組換え食品と同じレベルの安全性審査の手続きを求めていません。

2018年7月に欧州司法裁判所が示した判断に則り、予防的措置として、すべてのゲノム編集技術応用食品・添加物に安全性審査の手続きを求めるべきです。
 
2.すべてのゲノム編集技術応用食品・添加物の届出と情報開示を義務付けてください。

すべてのゲノム編集技術応用食品・添加物に安全性審査の手続きを求め、申請書類を開示することが最善と考えますが、それを求めず、届出に留めるのであれば、届出については下記のように考えます。

・開発者の自発的な届出に任せるのではなく、届出を義務付けてください。届出が義務であれば、届出にもとづく表示の義務化も可能になるはずです。

・届出された情報は、原則すべて公開することとし、公開しない情報については、企業秘密にかかわるものに限るなど、厳しい制限を設けてください。取扱要綱案には、「届出を行なう情報」と「公開する情報」が別々に定められています。それらを比較すると、公開される情報には、「外来遺伝子及びその一部の残存がないことの確認に関する情報」が含まれず、「確認されたDNAの変化がヒトの健康に悪影響を及ぼすおそれがないことを確認した旨」は含まれていますが、その確認に関する情報は含まれません。「届出に係る留意事項(案)」には、公開する情報について明記されていないため、公開される情報が極めて限られたものになることを危惧します。

・取扱要綱(案)では、届出されたゲノム編集技術応用食品・添加物と安全審査が終了した遺伝子組換え技術応用生物の後代交配種は、届出不要としています。厚生労働省は、遺伝子組換え技術応用食品の掛け合わせ品種の開発状況等を把握するため、事業者に対して報告を求め、公表しています(「安全性の審査を経た旨の公表がなされた品種同士の掛け合わせ品種一覧」厚生労働省医薬・生活衛生局食品基準審査課)。ゲノム編集技術応用食品・添加物と遺伝子組換え技術応用生物の後代交配種についても同様に、届出を求め、公表してください。

・輸入品についての、届出等の方法は同様とするとされていますが、義務でないものを「在京大使館のほか、関係業界団体に広く周知」したとしても、実効性は疑問です。例えば、油に加工されてすでに米国市場に出ていると言われるカリクスト社の高オレイン酸大豆については、どのように届出を求めているのでしょうか。輸入品についても実効性のある取り締まりを行なうためにも、届出は義務としてください。

・上市後の届出について、上市年月だけでなく、生産者名・販売者名・商品名の届出を求め、それらの情報を公表してください。
 
3.商業栽培・飼育を想定し、消費者の選択権を担保するトレーサビリティ流通を確立してください。

消費者の選択の権利のためには、食品表示が不可欠です。ゲノム編集技術によって作られた作物や食品は、ゲノム編集によるものかどうかを最終製品から科学的に検証することが困難です。したがって、トレーサビリティ制度の確立なしには表示もできません。トレーサビリティ制度の確立に、厚生労働省のイニシアティブで取り組むためにも、意見2に書いたように届出を開発者に義務付けてください。
 
4.取扱要領の見直しを確実に実施してください。
 
取扱要綱(案)は、ゲノム編集技術応用食品等に関する利用の実績等を踏まえ、必要に応じて見直しを行なうこととしています。今後の実態を注意深く見守り、見直しを確実に行なってください。
 
以上

農林水産省宛て意見
 
はじめに
 
カルタヘナ法の目的は、国際的に協力して生物の多様性の確保を図るため、カルタヘナ議定書の的確かつ円滑な実施を確保することです。カルタヘナ議定書の目的には、リオ宣言の原則15に規定する予防的な取組方法に従うことが明記されています。カルタヘナ法の目的に照らして考えると、予防的な取組みとして、ゲノム編集技術の利用により得られたあらゆる生物をカルタヘナ法における規制の対象とすることが適当と考えます。そのような前提に立った上で、提案されている骨子案について、以下のように意見を提出します。
 
1.ゲノム編集技術の利用により得られたあらゆる生物について、情報提供を義務付けてください。

情報提供の義務付けがないまま、実験研究がすすみ食品が開発されてゆけば、生物多様性の確保が脅かされるだけでなく、事故が発生した後では追跡ができず、取返しのつかない問題が生じます。開放系での利用についても、閉鎖系での利用についても、情報提供を義務付けてください。
 
2.提供された情報は、すべてすみやかに公開してください。

開放系での利用について提案では、提供された情報のうち「公表された場合に特定の者に不当な利益又は不利益をもたらすおそれのある情報」を除いて公表することとしています。これを読む限り、除外される情報が何であるか不明瞭です。もっと明確に定義してください。それと同時に、原則としてすべての情報を公開することを徹底し、除外した情報があるのであれば、どのような情報がどのような理由で除外されたかを、見る側にわかるように公開してください。また、情報提供後はすみやかに公開することを明記してください。
 
3.閉鎖系での利用についても、提供された情報を公開してください。

閉鎖系での利用について提案では、「使用者は、拡散防止措置確認書を、農林水産省に提出する」とされています。この確認書も、ウェブサイト等ですみやかに公表してください。遺伝子組換え生物の閉鎖系での使用についてはこれまで、神戸大学が遺伝子組換え大腸菌をそのまま下水に流すなど、適切な拡散防止措置が取られずに遺伝子組換え生物が環境に放出されてしまった事故が、しばしば報告されています。ゲノム編集技術についても、同様のことが懸念されます。公開することで市民の監視の目が届くようにしてください。
 
4.海外で開発されたものについても、同様の情報提供を徹底してください。

骨子案では、海外で開発されたゲノム編集技術応用生物についての情報提供のあり方が不明です。海外で開発されたゲノム編集技術による生物が、国内では加工用として使われることが想定されます。「情報提供書」の項目に「当該生物の用途」があり、その具体的な内容として、「食用」「飼料用」「観賞用」「栽培用」「その他」が挙げられています(骨子案6頁)。加工用は、「その他」に当たるのでしょうか。海外から加工原料として輸入されるゲノム編集技術応用生物にも、国内で製造されるものと同様の情報提供を求めることを明記してください。
 
以上
【2019年7月18日掲載】

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