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まるごと栃木「生産者を訪ねる旅」を開催! ― 食べる人がいるからつくれる産地のつながり

新生酪農(株)栃木工場の前で。参加した組合員と生産者のみなさん

担い手不足の問題や畜産用の飼料の確保など、農業や畜産などの第一次産業を取り巻く環境は、年々きびしさを増しています。なかでも一次産業を主とする地域にとっては、地域の存続にも関わる大きな課題です。

そうした状況は生活クラブにとっても重量な課題であり、これらに対し生活クラブは、主要な産地の一つである栃木県の提携生産者とともに、「まるごと栃木生活クラブ提携生産者協議会」(以下、「まるごと栃木」)を2008年に立ち上げました。これは、生活クラブを通じてつながる生産者同士が連携して、地域の活性化や国内自給力のアップをめざすための協議会です。

そうした「まるごと栃木」の活動を生活クラブの組合員に知ってもらうため、生産者と直接会って話せる機会を毎年設けています。今年は「お肉も牛乳もお野菜もお米もまるごと生産者を訪ねる旅」(以下、「まるごと栃木生産者を訪ねる旅」)と称した産地視察バスツアーを、2019年9月21日に実施。組合員約120名が4つのコースに分かれて生産者のもとを巡りました。
「まるごと栃木生活クラブ提携生産者協議会」参加団体(カッコ内は代表的な生産物)
栃木県開拓農協(牛肉・野菜)、箒根酪農協(牛乳)、新生酪農株式会社(牛乳)、JAなすの(米・野菜)、どではら会(米)、全国農協食品株式会社、株式会社太陽ネットワーク物流、生活クラブ栃木、生活クラブ東京、生活クラブ連合会

日本が抱える食の問題を地域のつながりで解決する

飼料用イネの刈り取りの様子
飼料を食む箒根酪農協同組合・熊倉牧場の乳牛
「まるごと栃木生産者を訪ねる旅」が開催された9月は、農産物や飼料用作物の収穫などの最盛期にあたります。生産者の繁忙期にあえて開催したのは、リアルな生産現場の様子を見ることで、「まるごと栃木」のメンバーが10年以上かけて積み重ねてきた連携の成果を感じてもらうためです。

その成果の一つが米や野菜を育てる農家と、豚や牛を育てる畜産農家・酪農家との「耕畜連携」です。たとえば米農家が飼料用米や飼料用イネを栽培し、畜産農家や酪農家が育てる牛や豚の飼料として供給します。その飼料を食べた牛や豚の排せつ物を堆肥にして、今度は米や野菜をつくる農家へと供給。再び飼料用の農作物の生産に使われるという循環のしくみです。
この循環のなかで生産される米、野菜、牛乳、牛肉、豚肉などは生活クラブの消費材として利用しています。地域で生み出される資源を地域のなかで循環することで、飼料の自給力アップのみならず、生産者同士の提携強化を実現しています。

また、「パスチャライズド牛乳」の提携酪農家の乳牛から生まれた雄の子牛を肉牛生産者が「栃木開拓牛」として肥育し生活クラブに届けています。肥育牛は家畜市場で子牛を購入するのが一般的で、地域内で取引きをしている事例は全国的にもめずらしく、地域内で「乳肉一貫」の生産体系をとることで、価格の変動が少ないことに加え、生産履歴がしっかりとわかるというメリットもあります。
提携生産者の消費材が一つに詰まった「まるごと栃木弁当」

切っても切り離せない牛乳と牛肉の生産

乳牛を前に組合員は興味津々。たくさんの質問がでていました

生活クラブ東京、埼玉、栃木、神奈川、茨城、群馬の組合員と、参加者を迎える生産者が一堂に会しての開会式を終えたら、いよいよ産地視察のスタートです。今回は生活クラブ東京の組合員が巡ったコースの様子を紹介します。

最初に見学したのは、生活クラブで人気の高い「パスチャライズド牛乳」の生産工程です。提携する箒根酪農協同組合の酪農家から集められた生乳が、検査、殺菌の処理を経て、ビンに詰められるまでを見学。その後、工場の近郊にある箒根酪農協同組合に所属する熊倉牧場を訪れました。

代表の熊倉貴子さんは、家族4人で約84頭の乳牛を飼育し、搾った生乳を新生酪農(株)の栃木工場へと納入しています。牛舎の裏に飼料用トウモロコシの畑があり、牛にあたえる飼料の7割は自分たちで自給し、飼料用米もあたえています。

牛舎のなかを見学しながら、熊倉さんからお話を伺いました。
箒根酪農協同組合・熊倉牧場の熊倉貴子さん
「乳牛はみんな、子どもを産んだばかりのお母さんです。牛の妊娠期間は、人間と同じ約10か月。メス牛が産まれたら乳牛として育て、オス牛が産まれたら『まるごと栃木』のメンバーである栃木開拓農協で肉牛として育てられます。産後ほどなくして子牛と母牛を離し、搾乳をはじめます。牛乳は牛の血液です。牛乳を搾ることは、血液を搾っているのと同じこと。牛は命を削って牛乳を出してくれているんです」

お話を聞いた組合員からは「子どもを産むだけでも大変なことなのに…」という声や、「牛乳はお母さん牛しか出せないということを、今まで考えたことがなかった」など、多くの方が牛への感謝の気持ちを口々にしていました。

夏の暑さに負けない最高の野菜を組合員へ

化学合成農薬も化学肥料も使わずに栽培している益子光一さんのキャベツ畑

農産物の生産者も訪ねました。生活クラブのオリジナルのお米「那須山麓米」や飼料用米を栽培する、JAなすの「どではら会」の田んぼでは、収穫寸前の稲穂がたわわに実っていました。
「どではら会」会長の山口勉さんからは、「近年は思いもよらぬ天候が続くこともありますが、みんなで協力しながら天候に負けない良質な米づくりをしていきます」とのお話がありました。

次に、同じくJAなすのの「黒磯キャベツ部会」の益子光一さんのキャベツ畑へ。益子さんはキャベツをつくって25年の大ベテランですが、最初は何も分からない状態からのスタートだったといいます。
JAなすの「黒磯キャベツ部会」の益子光一さん
 
「黒磯地区は米づくりが盛んな地域で、私ももともとはお米をつくっていましたが、生活クラブと提携してキャベツの生産を始めました。イネ科やマメ科の植物を畑で育てて肥料にしたり、那須山麓米のもみがらを土に混ぜ込んだりして土を育て、しっかり光合成させると歯肉の厚いキャベツが育ちます。安全や安心は当たり前。農法にも絶対にウソはつきません。」

益子さんをはじめ「黒磯キャベツ部会」に所属する11人の農家は、夏の暑さにも負けないキャベツの品種を見つけ出すなど、常に組合員においしいキャベツを届けるための努力を続けています。「お米も野菜も組合員のみなさんが食べてくれるかにかかっています。だからこそ、直接お話しできる交流会を大切にしていきたいです」と益子さんは語ってくださいました。

横のつながりを持って、工夫をしながら牛肉を届けていきます

最後の訪問先は肉牛を育てる株式会社イソシンファームです。新生酪農の提携酪農家の乳牛から生まれた雄の子牛や、乳牛と黒毛和牛の交雑種を肥育。「栃木開拓牛」や「ほうきね牛」を生活クラブに届けています。

栃木県開拓農協の藤田幸仁さんから「飼料の確保やオスの子牛の価格高騰など、畜産業界にはさまざまな課題があります。しかし『まるごと栃木』の中で横のつながりを持って、工夫をしながら牛肉を届け続けていきます」とのメッセージで見学が締めくくられました。
 

「栃木開拓牛」の子牛。乳用種のホルスタインのオスを肉牛として育てます

組合員と生産者がともに描く産地の未来

最後に、参加した組合員にお話を伺いました。生活クラブに加入して2年目の庄司紗織さんは、次のように語ってくださいました。
「栃木県にこんなにたくさんの生産者がいることを知りませんでした。生産者同士がつながりを持っているというのはすごいこと。感銘を受けました。直接会って生産者から熱い想いを聞ける機会は貴重ですね」

次にお話を聞いたのは、多摩きた生活クラブで理事を務めている岡田やよいさん。
「生産者のみなさんが安心して食べられるものを一生懸命に、そして自信を持ってつくってくださっている姿をありがたいと感じました。つながりを持って、もっと良くしていこうという生産者の想いに、私たち組合員は食べて応えていかねばと思いました。自分たちが食べているものについて詳しく知ることができるのが生活クラブの良さだと感じています。機会があれば、多くの方に参加してほしいです」

生活クラブ東京の岡田やよいさん(左写真)、生活クラブ東京の庄司紗織さん(右写真)

「まるごと栃木」では地域連携を進める中で、地元の学校との関係づくりにも取り組んでおり、今回の「まるごと栃木生産者を訪ねる旅」には、那須塩原市にある栃木県立那須拓陽高校で農業の勉強をしている高校生たちも参加。自分たちの住む地域の農業について知ってもらう機会となりました。

「まるごと栃木生活クラブ提携生産者協議会」では、畜産物や農産物のサステイナブルな生産をめざし、連携のさらなる強化と発展に向けて活動を続けていきます。それには消費者である、組合員の食べる力が欠かせません。これからも互いを知る機会をつくり、話し合いを続け、ともに課題を解決していきます。
【2019年10月11日掲載】
 

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