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有機JASにゲノム編集技術を認めない方向性を歓迎します 生活クラブ連合会がパブリックコメントを提出

農林水産省は、有機農産物・有機加工食品・有機飼料・有機畜産物の各日本農林規格(有機JAS)について、ゲノム編集技術を用いて生産されたものを原材料等に使用できないことを明確にする改正を行なう方向性を11月8日に発表し、パブリックコメントを募集しました。

生活クラブ生協連合会(本部:東京都新宿区、会員生協:33生協・1連合会、組合員数合計:約40万人)は12月6日、この方向性を歓迎し、あらゆるゲノム編集技術がすべての生産工程で使用できないことを有機JASで明確にするよう求め、意見を提出しました。提出した意見は次の通り。



1.ゲノム編集を用いて生産されたものを原材料等に使用できないことを明確にする有機農産物・有機加工食品・有機飼料・有機畜産物の各日本農林規格の改正を歓迎し、それの方向性を支持します。


ゲノム編集技術は、組換えDNA技術と並んで、遺伝子を人為的に操作する技術です。従来の遺伝子組換え技術と異なり、DNAの狙ったところを正確に切断できると言われています。しかし、切断に使われる酵素やガイドRNAなどは、アグロバクテリウム法やコーデックス・EU・米国の有機で規制対象となっているマイクロインジェクションなど従来の遺伝子組換え技術を使って挿入されます。これらの挿入された物質が、戻し交配などで最終製品に残らないと言われますが、生産の過程で遺伝子組換え技術が使われていることに変わりありません。

有機農業推進法では、有機農業を以下のように定義しています。「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう」。この定義との整合性を図るためにも、日本農林規格で使用できないことになっている組換えDNA技術だけでなく、DNAを変異させることを目的とする酵素等の導入も含むあらゆるゲノム編集技術がすべての生産工程で使用できないことを、農林規格に明確に定めてください。

また、国際的なルールであるコーデックスのガイドライン、EUと米国の有機基準でも、ゲノム編集技術は排除技術とされています。これらの基準との整合性を持つためにも、農林規格での明確化を求めます。

2.すべてのゲノム編集技術が例外なく使用できないことを明確にしてください。

提案されている「有機農産物の日本農林規格等の一部改正案」には、「現在の製造・流通の実情等を踏まえ」と書かれています。ゲノム編集技術によって作られた農産物は現時点では製造・流通の実態がないため、この文言の意味するところが不明です。ゲノム編集技術によって作られた製品は、最終製品から検出が難しいと言われていますが、このような課題が、ゲノム編集技術の使用を制限する際の例外を定める根拠とならないよう留意してください。

3.農林規格の改正にあたっては、あらためてパブリックコメントを実施してください。

今回のパブリックコメントは、日本農林規格調査会の審議に付すことを目的として行われています。日本農林調査会で改正案が具体化した際には、パブリックコメントを必ず実施し、あらためて広く意見を聞く機会を確保してください。
以上

【2019年12月13日掲載】

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