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切り替えは簡単! だからこそわかって選びたい電気の中身


でんきくん

2016年4月の電力自由化により、これまでは、地域ごとに決められた電力会社としか契約できなかった電気を、他の事業者から買うことができるようになった。ガス、ガソリン、携帯電話など、さまざまな企業や団体が電力事業に参入し、いまや日本の小売電気事業者は630に上る(19年12月現在の経済産業省資源エネルギー庁登録数)。各地域の生活クラブが出資してできた「生活クラブエナジー」もその一つ。ここで電気を共同購入する意味は何か、他の電気と違いがあるのか、改めて考える。

原発事故を忘れない

東日本大震災による東京電力福島第一原発の事故後も、原発をベースロード電源とする政府の方針は変わっていない。原発が停止している間補完しなければならないため、石炭火力への依存からも脱却できず、昨年、日本はCOP25(第25回国連気候変動枠組条約締約国会議)で不名誉にも2度の「化石賞」を受賞。ドイツの国際NGOが発表する気候変動パフォーマンス・インデックス(温室効果ガス排出量、再生可能エネルギー、エネルギー使用、温暖化対策の4カテゴリーで評価)では、世界の温室効果ガス排出量90%以上を占める61カ国中51位にランク付けされた。

こうした現状から脱し、原発や化石燃料には依存しないエネルギーを使いたいと、14年に設立した小売電気事業者が生活クラブエナジーだ。16年6月からは組合員を対象に自然エネルギーによる電気の供給を行っている。組合員待望の「生活クラブでんき」だ。

契約件数は17年6月に1万件を、19年5月には1万5千件を超えた。とはいえ、全組合員約40万人の内の4%にも届かない。多くの小売電気事業者は競って価格メリットを強調し、消費者に切り替えを呼びかける。安価であることは無視できない要素だ。オール電化の家庭であればなおさらだろう。しかし、電源構成を公開する事業者は少なく、契約切り替えが、原発や化石燃料からの脱却につながると確かめる方法はない。

「コンセントの先がどんな発電所とつながっているか、考えてみてほしい」と話すのは生活クラブエナジー営業部の船水香さん。情報公開は生活クラブエナジーの大原則、毎月最新の電源構成を公開している。現在、電源の6割強が自然エネルギーの発電所からの調達だ。

それでも組合員の契約切り替えが進みにくい理由として、一般に電気は「わからない」「難しい」とされることが大きいのではないかと船水さんは言う。

減らす・つくる・使う

そこで、各地域の生活クラブは、生活クラブエナジーと連携して組合員を対象とする省エネ講座を開催している。我慢ではなく適切な電気の使い方を知り、自然エネルギーをつくり出し、責任をもって使う人を増やすための講座だ。昨年6月以降の半年間で30回以上開催、7月には生活クラブ東京と京都エル・コープで「省エネ講座・講師養成講座」も開催された。受講者が次には講師となり、各地域で語っていく好循環が生まれている。

生活クラブ静岡では昨年の省エネ講座受講者を自然エネルギーのサポーター「エネサポ」と名付け、エネサポが講師となり今後地域で順次省エネ講座を開催していく計画だという。副理事長の平山和美さんは、「浜岡原発がある県として、脱原発はひとごとではない」としつつ、「実際に切り替えるところまで共感を得るには時間がかかる」と話す。

確かに、電気は目に見えず、原発と自然エネルギーとで色分けされてもいない。国の政策や電力事業の制度も絡まって、理解したつもりでも人に話すには不安な部分も多い。この点について船水さんは、「講師養成講座では、わからないことは持ち帰り、生活クラブエナジーに問い合わせてくださいと伝えている」と言う。講師と質問者、組合員同士がもう一度話し合うチャンスとなるからだ。

半世紀前、牛乳の集団飲用から始まった生活クラブは、牛乳の中身を知ろうと自前の牛乳工場を造った。生活クラブでんきの共同購入は、電気の中身を「わかって使う」アプローチといえる。秋田県にかほ市の風車「夢風」や庄内遊佐太陽光発電など、生活クラブが出資、提携する自然エネルギー発電所は19年5月現在全国に62カ所。供給できる電気はもっとあるが、契約数が追い付いていない状況だ。「つくったら、責任をもって利用する。コメや豚肉と同じ、電気も消費材の一つです」と船水さんは語る。

家庭内の「自由化」を

「電気の品質は変わらないか?」「停電しないか?」生活クラブエナジーへの問い合わせだけでなく、省エネ講座でもよくある質問だという。自然エネルギーだからといって電気の品質は変わらないし停電のリスクが高まるわけでもない。

しかし、例えば風車は風の強弱で、太陽光は昼夜で発電量に差が出る。電力事業では発電所などから調達する電気の量と使う電気の量が同じになるように30分単位で調整している。生活クラブエナジーもこの需給バランスを取らなければならず、自然エネルギー100%にならない理由もそこにある。

それでも自然エネルギーが6割を占める小売電気事業者は貴重で、生活クラブエナジーを選択する人が増えるほど、原発や化石燃料からの脱却につながることは確かだ。
一方、市民参加の自然エネルギー発電に詳しい法政大学人間環境学部の西城戸誠教授は、「エネルギーを『つくる』発想こそ重要」と指摘する。「原発に反対するだけでなく、原発に代わるエネルギーが社会に普及しなければ原発はなくなりません。反原発という思想にこだわるだけでなく、自然エネルギーがより効率の高い事業になれば、多様な広がりが生まれ、その点も重要です」

なぜ生協が福祉の事業をするのか、かつて議論があったように、エネルギーに関しても議論があって当然だ。西城戸教授は生活クラブの組合員に向けてこう提案する。「電気の契約は世帯主名義なので家族の同意が必要です。が、原発支持層は男性に多いという調査結果もあり、そこが難点になるケースも多いようです。まずは家庭内で話し合い、理解する人を増やすことから始めてはどうでしょうか。すそ野を広げる意味で、家庭内の『拡大』が必要だと思います」

手続きは簡単!

●Webで申込みの場合
・クレジットカード決済OK(Web申込みのみ)
・クレジット決済なら電気料金の5%を還元(2020年6月まで)

※生活クラブエナジーのウェブサイトが開きます

●契約申込書の場合



文/本紙・元木知子

『生活と自治』2020年2月号 「生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。

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