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新しい時代へ繋いでいく。海と生きるものがたり。【三重県海産品特集】

【伊勢のり】
豊かな香りと一緒に島の幸せおすそわけ

答志島のり養殖漁業者の皆さん(委託加工施設前で撮影)。「漁から戻って仲間たちで過ごす時間が楽しいんです」と川原栄策さん(後列左から3番目)と山下吉継さん(後列右から4番目)。

自慢ののりを守りたい

三重県鳥羽市・答志島(とうしじま)の川原栄策(かわはら・えいさく)さんはのり漁師の三代目。
「どの産地にも負けない香りのよい自慢ののり」と、胸を張りながらも、家族経営で生産を担っていた頃は、先行きに不安を感じていました。12月から翌4月頃までの漁期は早朝から深夜まで、家族で交代に作業を行い、「一家だんらんはおろか寝る時間も削り、家族の誰かが病気になったら生産ができなくなる状況やった」。
答志地区の他ののり漁師も同じ不安を抱えていました。

未来へ続く「食べもの」は暮らしの中から生まれる

この状況を改善しようと川原さんは仲間たちと力をあわせます。
共同で加工できる施設を作り、作業は専門の人に委託する、三重県で初となる委託加工施設事業を2015年に始め、今では8軒の漁師が参加。「おかげで、海での仕事に集中できるようになりました。体は楽になったし、生産量も増えた。のりの品質も揃い、等級も上がりました。
それに〝養殖に携わる寿命が延びた〞と思います。自分たちも、次の世代の担い手たちにとっても」と川原さん。子どもたちと過ごす時間も増えました。
漁師仲間の山下吉継(やました・よしつぐ)さんも「家族で食卓を囲み、学校行事やスポーツの応援にも行けるようになった。それが今、一番の楽しみ」。家族みんなの笑顔が伊勢の未来を明るく照らします。

香りはもちろん、のりの甘みが自慢です!

のり漁師の山下吉継(やました・よしつぐ)さんと妻の梓(あずさ)さん。「特に1月ののりはやわらかくて香り、味ともに最高です」

伊勢湾の入り口に位置する答志島ののり漁場は、豊かな森林を源流とする多くの河川の水が流れ込み、のりの生育に必要な栄養分がたっぷり。また、適度な潮流があり、良質なのりが育ちます。
「この辺りは波が荒く、漁は命がけの大変な作業ですが、その分、黒くつやのあるおいしいのりが育つんです」と山下吉継さん。
潮にもまれて育つ伊勢のりは香りがよく、のりの風味が強いのが特徴です。オススメの食べ方は、のりをトースターなどで軽く炙って、ご飯をのせ、醤油をかけて包んで食べる。「ぜひ焼きたてを楽しんでください」

【かつおぶし】
誇りを持ってつくり続ける伝統製法の味と香り。

有限会社山彦鰹節
左から山下成彦(なるひこ)さん 山下勝日己(かつひこ)さん 山下知恵子(ちえこ)さん

いい節に仕上げるために一切の手抜きはしない

2019年5月、希少な伝統製法でかつお本節をつくり続ける山彦鰹節の3代目社長に就いた山下成彦さん。生のかつおから本節をつくり、けずり加工までのすべてを自社で一貫生産しています。
「かつおの脂ののり具合や毎日の天候によって、対応を変えていきます。全部、自分の目で見て肌で感じて行う。一つひとつの作業が節の仕上がりに影響するので、手抜きはできません」。
父親で会長の勝日己さんは成彦さんのことを職人気質だと、母の知恵子さんは真面目で一生懸命だと言います。それをそばで聞いた成彦さんは「自分に甘くしたくないとは、思っています」と気恥ずかしそうに微笑みます。

かつおを3枚におろしボイル。その後に行う身の水分を抜く焙乾(ばいかん)という作業を山彦鰹節ではすべて薪を炊き、いぶして行っています。「手間も時間もかかるので、他でやっているところはほぼないと聞きますが、香り高く味のある節を作るには絶対に欠かせない。薪がなければかつお節屋はやめます。それほど大事な作業です」(成彦さん)。年間で使用する薪は500~600トン

みんなを笑顔にする知恵子さんのおにぎり

週に2回は朝6時30分からかつおの頭や内臓、骨抜きなどを行います。この作業日のお楽しみが知恵子さんのつくるかつお細けずりおにぎり。
「仕事がひと段落する9時くらいに、家で握って持っていくんです。朝早くから働いてもらってるから、お腹がすくだろうなと思って」と知恵子さん。
この食べ方は成彦さんもおすすめの一品。「かつお細けずりはかつお節の味と香りが手軽に味わえる自慢の消費材。だし取りはもちろん、いろんな食べ方を楽しんでもらいたいです
おにぎりはご飯に「かつお細けずり」を入れて醤油をかけ、混ぜて握るだけ。「夏場は梅干し、冬場は生姜の佃煮などを具に入れてます」(知恵子さん)
知恵子さん手作りのおにぎりを受け取る社員の宝門伸二(ほうもん・しんじ 写真左)さんと天白幸宏(てんぱく・ゆきひろ)さん
「ひと仕事した後のおにぎりは特別においしい。力が出ますね」(宝門さん)と笑顔いっぱいです

【しじみ】
木曽三川と伊勢湾の恵みが育んだしじみ。

赤須賀漁業協同組合
(写真中央) 組合長 水谷隆行(みずたに・たかゆき)さん、(左)青壮年部 伊藤尚文(いとう・なおふみ)さん、(右)青壮年部 和藤善行(わとう・よしゆき)さん

この豊かな漁場を守りたい。だから応援団を増やしたい。

三重県北部の桑名市に位置する赤須賀。木曽三川から流れ込む栄養と伊勢湾の恵みを受けた豊かな漁場で通年しじみ漁を行っています。
「ここは長良川河口堰や揖斐川徳山ダムなどによる環境の変化で資源の減少が進みました。でも、できてしまったものを嘆いても仕方がない。先人から引き継いだこの豊かな漁場を守るために、自分たちでできることをやるしかない」と話すのは組合長の水谷隆行さん。今もダムを管理する行政に働きかけ、しじみを増やす対策に取り組んでいます。

水谷さんは漁師に就いた20代の頃から、木曽三川の源である岐阜県東白川村に植樹し、東白川村と桑名の小学生の交流会を開催したり、地元の小学校で出前授業や社会見学を行ったりとさまざまなアイデアを発案し、実行しています。
「長良川河口堰に反対したとき、前組合長がみんな自分たちを応援してくれなかった、と言っていたのが忘れられない。
だから、みんなに応援団になってもらいたいという思いが強くあるんです」。そして、漁師はしじみをとって、食べてもらい、その大切な資源を子孫に残していくことが一番の仕事だと。
「子どもたちがしじみの味噌汁を飲んで、おいしい!という姿をみると、また頑張ろうと思います」

(左)より赤須賀のことを知ってもらうために小学校の社会見学は年間20校以上受け入れています、(右)赤須賀漁協では出漁日は週3日と定め、漁獲サイズや漁獲量も制限を設けて資源管理しています

【あかもく】
ゼロから始めた伊勢志摩のあかもくを食卓の定番に。

(左)有限会社伊勢志摩冷凍 石川隆将(いしかわ・たかまさ)さん、(右)孝志丸(たかしまる)水産 浅尾大輔(あさお・だいすけ)さん

資源管理をルール化して持続可能な産業に

カキやわかめ、あさりの養殖をしていた浅尾大輔さんは、2011年東日本大震災による津波の影響で養殖筏が壊滅的被害を受けました。どうにか漁業を続けられないかと模索しているときに、東北で食べられていたあかもくを伊勢志摩の海で見つけます。
「朝市で販売したのですが、この辺りではあかもくはジャマモクとも言われ、食べる習慣がありませんでした。最初はこんなものを食べさせるのか、と言われたほどで」。

そんな時、父親の経営する伊勢志摩冷凍を手伝うため東京からUターンした石川隆将さんと出会い、一緒にあかもくを伊勢志摩の新しい産業にしようと、栄養成分を調べたり、食べ方提案をしたりと魅力を伝え始めました。
「一番大切にしたのは、資源管理です。どういう採り方をすれば資源を残して未来に繋いでいけるかを水産研究所や行政にも協力してもらい、ルール化しました。そういう漁法をアピールすることで理念に共感した消費者も増えていきました」と石川さん。

現在はあかもく漁師も増え、当初約500キロの販売量だったのが、現在は約50トンに。「目指しているのはあかもくを食べる文化をつくること。冷蔵庫を開けるといつでもあかもくが入っている。そんな定番の食材にしたいです」(浅尾さん)

(左)解凍してポン酢で味つけするだけ、(右)あかもくは船の上から長い鎌を持って刈り取ります。「今後はあかもく漁業体験などもやっていきたい。実際に産地を見てもらい、この土地の生き方に触れてもらいたいです」(浅尾さん)

産地交流会レポート「三重県水産産地交流会」を開催しました

あかもくの生産者と交流会に参加した組合員。

2019年7月3~5日、「三重県水産産地交流会」が開催されました。最初に訪れたのは志摩市の山彦鰹節。製造現場でかつおをゆでた後、骨を抜く作業を見学しました。
「息を止めろ」と言われるほど集中する骨抜き作業は、見ているだけでも緊張する空気が漂っていました。

同じ志摩市内の伊勢志摩冷凍では、産地を支える次世代の漁業資源として注目のあかもく工場を見学。参加した組合員の中にも初めて食べた人がいたように、「あかもく」をもっとアピールしなければと感じました。

伊勢市では焼きのりの製造工程、赤須賀漁協ではしじみ漁から加工作業まで視察。どちらも、温暖化や環境の影響などで生産量が減るという厳しい局面にぶつかりながらも、意欲的に新しいことにチャレンジしていることを知りました。何より、自慢の海産物のおいしさを楽しそうにお話されるのが印象的でした。

生活クラブを通じて消費者として食べ続けることが、産地を応援することにつながっていく。このことを改めて実感しました。

(左)あかもくの葉を機械で細かくし、なめらかな食感に、(右)しじみのサイズを選別する様子

詳しくは「三重県水産産地交流会」を開催 組合員が魚介類の一大産地を訪問し生産者と交流(活動レポート2019年7月27日掲載)をご覧ください。

★『生活クラブ食べるカタログ 』 2020年1月1回(01週) 掲載記事を転載しました。
【2020年4月3日掲載】
 

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