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生活クラブ青森、20年を経て語る夢

生活クラブ青森は、2018年11月に設立20周年を迎えた。組合員はこれからの夢やこうありたいと思う地域の未来の姿を2年間かけて語り合い、今年からその実現へ向けて動き出す。

はじまりは共同購入会

「20年前、私たちはかなえたい未来の姿を描き、それを実現するために仲間を集め生活クラブを立ち上げました。これからもその時と同じような熱い気持ちで語り合い仲間を募りながら、夢を実現していきたい」と理事長の棟方千恵子さんが語る。

生活クラブ青森は、1997年11月に、青森県青森市と弘前市の1019人の組合員により設立された。食品添加物や遺伝子組み換え食品の流通、環境ホルモンの問題などが広く議論されていた頃だ。青森県六ケ所村の、核燃料再処理工場(核燃)の稼働に反対する市民運動も活発に行われていた。

設立の5年前、「アトピー性皮膚炎」で苦しむ子どもを持つ親たちが中心となり安心して食べられる食べ物を得ようと共同購入会を結成。県内に参加者自らが出資し運営する店舗を持った。

これが生活クラブ青森の前身となる。その後、暮らしていくうえでのさまざまな問題を解決するために、仲間を集め運動をすすめようと、生活クラブ青森設立へと発展した。

「生活と自治」98年1月号では、「『フギ』(吹雪)の中のちらし配布や、海峡を渡り吹きすさぶ冷たい『カジェ』(風)をものともしない仲間づくりの積み重ねがあった」と伝えている。「安全」「健康」「環境」を、未来の世代を担う子どもたちへ手渡そうと、青森での新たな活動が始まった。
生活クラブ青森の理事長、棟方千恵子さん

元気な子育て世代

現在は、青森市、弘前市、黒石市で、組織・拡大チーム、ビジョンフードチーム、にこにこクッキング弘前チーム、わんぱくキッズチーム、遺伝子組み換えに関する活動をするたねチームを中心に、1200人ほどの組合員が活動を続けている。

「設立より20年がたち、当初に加入して活動や消費を牽引(けんいん)してきた人たちが50〜60代を迎えています。子育てを終え消費量が減りました。でも、食べ物だけではなく、福祉や地域づくりなどにも活動の視点が集まってきていることも事実です」と専務理事の河野顕さん。棟方さんは「今やっと若い世代の加入が増えてきました。なかでも、わんぱくキッズチームが生き生きしていますよ」と紹介する。
生活クラブ青森の専務理事、河野顕さん
ある時、加入して間もない若い組合員が料理会に参加し、生活クラブで実現したい思いを発言した。これに「自分でやってみて。応援しますよ」と先輩組合員が応え、理事会が立ち上げをサポートしたのが、わんぱくキッズチームだ。今では小さい子どもを持つ組合員がどんどん参加し、自分たちで毎月のように企画を練るようになった。

工藤綾香さんは4歳の子どもを持つメンバーだ。「子どもと一緒に楽しんだり暮らしに役立つイベントを考えています」と、クリスマスや節分に向けて工作をしたり、子連れで被災した時のための防災の勉強会などを開催している。リンゴの一大生産地である青森県ならではのリンゴ狩りも行った。

わんぱくキッズチームの活動が回を重ねるごとに30代の若い組合員が増えていった。その様子を見ながら、棟方さんたちは「子育てが終わって一段落している場合ではなく、私たちの世代も別のやりたいことを考えたい」と、刺激を受けている。

ビジョンフードチームの工藤綾香さんと娘の咲笑ちゃん。消費材の学習会や料理講習会を企画開催する。「最近は、生活クラブ青森で取り組んでいる岩手県の『だいず工房』と市販の豆腐の食べ比べをしました。味の違いがはっきりわかって新鮮な体験でした」

未来に描く夢

設立20周年を迎えた18年、生活クラブ青森は、次世代へ生活クラブをつないでいくため、組合員が将来に描く夢を話し合うプロジェクトを設けた。2年間をかけて、こうありたいと思う未来の姿を活発に話し合い、それを20年より始まる第5次中期計画としてまとめた。

昨年4月には、組合員に広く呼びかけて「生活クラブ青森の未来を語ろう会」を開催した。集まったのは設立当初の組合員、まだ加入して間もない若い人、リーダー経験者など。年齢も組合員として活動してきた内容もさまざまだった。

出された意見も、「八戸市など他の地域にも生活クラブを広めたい」「援農などを通して地元の生産者とのかかわりを深めていきたい」「核燃・基地・自衛隊のない地域社会を目指したい」「安心安全な食を子どもたちに食べさせたいし、自分も死ぬまで消費材を食べていたい」など多方面に及んだ。

それぞれに描いた夢を出していったところ、それを実現するためには拠点がほしいということが、みんなの一致した考えだった。組合員だけではなく、誰もが利用できるような地域に開かれた施設を持つことだ。そこでは、さまざまな仕事の場が生まれる可能性もある。世代を超えてみんなが助け合って生き生きと暮らしていく夢を描く場所でもある。

「子育て中のママが、時間があるお年寄りに子どもをみてもらったり、病気などで学校や仕事に行けなくなってしまうなど、自分一人では不安定さを抱える人も、人の手を借りながら生き生きと生活できるようになる。人が集い寄り添いながら時間を過ごせる、そんな場所を考えました」と工藤さん。「みんなが幸せを感じるような場所になるといいなあと思います」と付け加える。

棟方さんは、「組合員は転勤族が多く孤立しながら子育てをしている人が多いようです。わんぱくキッズチームの中でも、孤立した人をつくりたくないねという話が出ていました」とふり返る。話し合いの結果、福祉の分野が必要だという課題も見えてきた。

「若い人が加入して活気づいた今、設立当時の熱気を思い起こしながら、改めてみんなで描いた未来を手に入れるために仲間を増やしていきたい」(棟方さん)
 生活クラブ青森は、大きな夢の実現へと向かおうとしている。

ビジョンフードチームが主催した「生産者グループきばる」の生産者交流会

撮影/田嶋雅已
文/本紙・伊澤小枝子

『生活と自治』2020年4月号 「生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。
【2020年4月25日掲載】

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