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FEC自給圏へ行動(日本農業新聞)

生活クラブ生協 ㊤ 再生可能エネルギー事業

【2020年2月28日:日本農業新聞掲載】
 
生活クラブ生協(生活クラブ)は“志の高い生協”である。2018年に設立50周年を迎えた。安全・安心な食材へのこだわり、生産者・産地とのつながりの強さ、環境問題での行動力は生協セクターの中で頭一つ抜きんでている。中でも「FEC自給ネットワークづくり」が圧巻だ。

FECとはFood(食料)、Energy(エネルギー)、Care(ケア=福祉)を指す。「FEC自給圏」という言葉を最初に使ったのは、評論家の内橋克人氏である。格差と分断を生み出す新自由主義グローバル経済への対抗軸として「人と人とが共生する経済=共生経済」を掲起。食とエネルギーと福祉をできるだけ域内自給することが、地域社会の自立と雇用の創出につながると説く。これを実現する「使命共同体」として協同組合の実践に期待を寄せた。

生活クラブは「2012年国際協同組合年」全国実行委員会(代表・内橋氏、名誉顧問・宇沢弘文東大名誉教授)への参加を経て、第6次中期計画(15~19年度)でFEC自給圏づくりに本気で踏み出した。この野心的な挑戦が構想されるのは、ちょうど官邸発の農協改革で大騒ぎしていた頃だ。同じ協同組合セクターながら、全く異質な風が吹いていた。

生活クラブは早くから「脱原発」を旗印にしてきた。だが、実際にできることは節電ぐらいしかない。電力は発電、送配電、小売りに至るまで、地域電力会社に独占され、手出しできなかったのである。

その電力の自由化が、遅ればせながら日本でも1995年から段階的に進む。しかし、「岩盤」はびくともしない。転換点はやはり2011年3月の東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故だった。「原発安全神話」の崩壊と脱原発世論の沸騰、そして民主党政権の下で12年、再生可能エネルギーの普及を支援する固定価格買取制度(FIT)が創設されたのが大きい。これを追い風に異業種から電力事業への参入が相次ぐ。

エネルギー政策の歴史的な転換に対し、協同組合セクターの中で反応したのは主に生協で、生活クラブもその一つだ。FIT認定に名乗りを上げ、14年に子会社の生活クラブエナジーを設立した。翌15年に生協事業所や施設への高圧電力の供給に着手、16年の完全小売り自由化を機に、念願だった組合員向け売電事業をスタートした。

その最大の特徴は、生活クラブ自らが「電気をつくる」に関わることだ。売電事業で生活クラブより大きな取扱高の生協はいくつかあるが、再エネ事業者から購入した電力の小売りや、生協施設での太陽光発電などが主力だ。生活クラブが産直提携先と組んで本格的な発電所まで手掛けたという点で、踏み込み度合いが違う。「つくる」には、多額の投資や送配電の運用など負担とリスクが大きい。

なぜ、ここまで電力にこだわったのか。

脱原発へ自らの手で電力

生活クラブエナジー社長(生活クラブ神奈川専務)・半澤彰浩氏

やはり大きいのは 1986年のウクライナ・チェルノブイリ原発事故だ。放射性物質が世界中にまき散らされ、生活クラブと産直交流する国内の茶産地で自主基準値を上回る放射性セシウムが検出された。

新茶の季節を迎えていた無農薬栽培の茶が汚染され、組合員の衝撃は大きかった。これが食の安全・安心と原発は相いれない、原発のない社会をつくろうという運動の契機になった。電力自由化前は、省エネしか行動の選択肢はなかったが、日本でも電力の小売り自由化へ進む中、自前でつくった電力を手にしたいという組合員の要求が高まった。
生活クラブは14年に「エネルギー7原則」をつくる。脱原発や、二酸化炭素(CO2)を減らせる社会づくりとともに、発電事業も盛り込んだ。その際、注目したいのは発電地域への貢献を加えたことだ。農産物の産直に加え、電力でもお世話になるのだから、恩返しを忘れないということだ。地域貢献は後に実践する。

(編集局主幹・田宮和史郎)

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