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組合員と模索する 使い捨てない暮らし方

生活クラブ連合会は、各地域の生活クラブと共に、1994年、供給した消費材のびんを回収し洗って繰り返し使うリユースの仕組みをつくった。「地球生態系のためのごみ減量(GARBAGE REDUCTION FOR ECOLOGY AND EARTH’S NECESSITY)」の頭文字をとって「グリーンシステム」と呼ばれるこの仕組みは、以後、20年以上にわたって実践されてきている。さらに、牛乳びんとキャップ、ピッキング袋と、回収してリサイクルするものも少しずつ増やしてきた。消費すれば必ずごみは出る。供給する側と利用する側が共につくってきた使い捨てない仕組みの意味をあらためて振り返る。

ごみ問題から始まった

1980年代後半からのバブル期は、大型家電に容器包装など、市民の消費の拡大とともに処分することが難しいごみも増えた。近い将来ごみの最終処分場がなくなるという試算もされたことから、ごみ問題が注目され始めた。

首都圏をはじめ各地域の生活クラブの組合員からもごみの問題には大きな関心が寄せられ、生産、消費だけでなく廃棄にも責任を持とうと、生活クラブとしてどのような対策が必要なのか、組合員による検討が始まった。当時の京都大学の調査で一般家庭のごみ容積の約6割が容器包装とわかったことから、容器包装をどう減らすか、92年から2年かけて話し合いを重ねた。
ごみ問題の解決には、3Rといって、リデュース(ごみを減らす)、リユース(繰り返し使う)、リサイクル(資源として再利用する)が必要だ。まずは、ごみになるものを出さないことが必要だが、出てしまうものについては責任を持って処理をしていく。その処理方法について組合員は、いったん素材にして作り変えることでさらにエネルギーを使うリサイクルよりも、そのまま繰り返し使うリユースを選んだ。このリユースの仕組みが「グリーンシステム」だ。

生活クラブ連合会で「持続可能な生産と消費」を推進するため2019年から設置されたSR推進室の室長、山本義美さんはグリーンシステム導入時の経緯をこう振り返る。
「日本では昔から、一升びんに酒やしょうゆなどいろいろなものを入れて使いまわしていました。この同じ容器を多種の食材に使いまわす仕組みを取り入れたのがグリーンシステムです。調味料やジュースなど使い捨てだったびんの規格を統一して、別の食材にも繰り返し使えるようにしました。統一をしていないと70種類のびんを70分別しなくてはならず、とても非効率です。現在は8種類のリユースびんを使っています」

リユースによってびんの廃棄を減らすだけではなく、03年にはびんの表面をコーティングすることで40%の軽量化を図り二酸化炭素(CO2)排出量を減らすなど、環境負荷の削減につなげた。
2018年度のグリーンシステムによるごみ削減量。4313トンの容器包装をごみにせず、再利用、再生利用している(生活クラブ連合会発行「Think&Actデータブック2019」より)

何でも回収すればいい?

生活クラブでは、びんのリユースだけでなく、牛乳びんのキャップと、消費材を個別に仕分けるピッキング袋の回収も行っている。

00年に牛乳を紙パックからびん容器に切り替える際、問題になったのがキャップだ。プラスチックのキャップはごみになる。紙のふたも検討されたが、それでは開封後にもう一度ふたをすることができず、衛生的でもない。そこで回収してリサイクルすることになった。ピッキング袋が導入されたのは個別配送導入の時だ。それまで班単位でまとめて袋に入れていたものを、個人別に仕分けして届けることになった。プラスチックの袋が増えてしまうことを問題視する声が組合員から上がり、回収することになった。

プラスチックは汚れていたり、素材がバラバラだとリサイクルが難しい。選別などに余計な手間とエネルギーを使う。けれどもキャップやピッキング袋は同じものが安定的に大量に回収されるので、効率よくリサイクルできる。

「生活クラブの考え方は、何でも回収すればいいというものではありません。自治体にリサイクル回収の仕組みがあればそれを活用するほうが社会全体にとって効率的です。それがない場合や、メンバー同士だからできることについてのみ、生活クラブで回収する意義があります」と山本さんは言う。

びんのリユースや、同質で量が多いもののリサイクルには生活クラブ独自の仕組みが有効だ。しかしその他については、独自回収しても自治体以上に効率よくできるわけではない。カタログ類については、従来は自治体での回収を推奨してきた。かつては月1回の申し込みで品目も今よりずっと少なかったからだ。今は毎週申し込みとなり同質の紙類が大量に発生する。調査を重ね、上質な家庭紙としてリサイクルできることを確認し、19年から回収を開始した。
 
回収された牛乳キャップは、岩井化成に集められ、粉砕・溶解され、再生される。岩井化成は、長年、高度な技術で国内循環型リサイクルに力を入れてきた。国内循環の仕組みが急がれる今、期待が集まる存在だ
今課題となっているのは、水を入れるペットボトルの回収だ。生活クラブでは使い捨てのペットボトルは長く使用を禁止してきた。缶入りの水を提供したこともあったが製造元の都合で中止になった。現在のペットボトルは、災害時の非常用品としての位置づけで許容したという経緯がある。ペットボトルは、同じものに再生が可能な唯一のプラスチックだが、日本容器包装リサイクル協会によれば自治体回収ではボトルにリサイクルされているのはおよそ20%だ。このため、生活クラブで独自回収ができないか、22年までに検討することにしている。

課題と向き合いながら

組合員からはなるべくプラスチックを減らしてほしい、野菜などは袋に入れなくていいのではという声があがる。

山本さんは「今、使用しているのは普通の袋ではなく、鮮度保持機能を持つものです。使っていない時代はすぐに野菜が傷んで多くのクレームがありました。現状では代替品がなく、見つかった時点で検討します」と説明する。市販品には箱で購入するペットボトルにはラベルを付けない「ラベルレスボトル」がある。これについては組合員からの要望に基づき、すでに開発担当者と生産者が検討を始めている。「設備投資も必要なのですぐ実現できるわけではないが、段階を経て実現していきたい」と山本さんは言う。

利便性を追求すると新たなごみが発生する。それに責任を持ち、ごみをなるべく出さない、使い捨てないという暮らし方を大勢の組合員が選択するから生産者の協力も得られる。リユースびんは傷などがないか検査も重要で、時には充てん時に割れてしまうこともある。生産者にとっては新びんの方が扱いやすい。「自分が出したびんは誰かのところに届きます。家庭の食器と同じように大切に扱ってほしいですね」(山本さん)

ごみの最終処分場の問題だけでなく、気候危機や海洋プラスチックの問題など、ライフスタイルの変革が求められている。リユースで全て解決するわけではないが、使い捨てない暮らしを目指すことはささやかでも大きな歩みだ。

写真提供/生活クラブ連合会
文/本紙・佐々木和子

『生活と自治』2020年6月号 「生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。
【2020年6月25日掲載】

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