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[本の花束2020年7月] "地球のため"ばかりではない、たのしくて心地よい「脱プラ生活」のすすめ 翻訳家・服部雄一郎さん


プラスチックの汚染問題は、海への影響はもちろんのこと、私たちの健康にも深く関わっています。
この本では、まず身近な生活を見直すことが提案されています。
翻訳を手がけた服部雄一郎さんに、本書の紹介とともに、ご自身の暮らしについても寄稿いただきました。

生活クラブがエコを考えるきっかけに

生活クラブのみなさま、こんにちは! 元・組合員の服部雄一郎です。神奈川と京都に在住時、生活クラブに加入していました。

今は高知県の山のふもとでエコ分野の翻訳や発信をしていますが、そもそも僕が最初にエコを意識したのは、生活クラブがきっかけでした。「衣食住のすべてに考えるべき点がある」「エコと快適さは矛盾しない」このことを毎週の注文の中で学ばせてくれた生活クラブには本当に感謝しています。高知には残念ながら生活クラブがないため、今はあの「リターナブルびん」の心地よさを遠く恋しく思う日々です。

知るほどに怖いプラスチック問題

そんな僕が今回ご紹介する本は、『プラスチック・フリー生活』。カナダ人夫婦による、とても実践的で読みやすい一冊です。深刻さを増すプラスチック問題の全貌が生活者の視点からわかりやすく解説されているほか、「実際にどうすればよいのか?」、生活のあらゆるシーンに合わせたヒントが提案されています。

コロナにすっかりかき消されてしまった感もありますが、今、プラスチック問題は恐るべき事態です。海水のみならず、「空気中」「塩」「北極の雪」「人間の糞便」など、あらゆる場所からマイクロプラスチックの微粒子が検出され、私たちは毎週クレジットカード1枚分のプラスチックを体内に摂取しているとも言われます。

プラスチックの生産と消費は今なお世界で増え続けており、このまま行けば、2050年には海中で魚よりもプラスチックごみの方が多くなるという試算も紹介されています。

こんなところにもプラスチック!

何とかプラスチック汚染を食い止めたい。それなのに、私たちは知らず知らずのうちに、日々、マイクロプラスチックを世界にまき散らしています。すり減った台所のスポンジ、摩耗したタイヤ、子どもの消しゴム。これらのカスは決して消えてなくなるわけではありません。フリースなど化繊の服を洗濯すれば、一度に数千のマイクロプラスチックが下水を流れるという調査結果も紹介されています。

プラスチックは、有害な添加剤が滲出するため、健康への影響も懸念されます。特に注意したいのがポリ塩化ビニル。テフロンなどフッ素樹脂加工も要注意です(テフロンの剥げたフライパンのカスはどこへ行ったのでしょうか!?)。缶詰も、内側のプラスチックコーティングから内分泌攪乱物質が漏れ出します。本書はこれらの注意点を早見表付きで紹介しています。

実は"たのしさ満載"の脱プラ生活

さて、脱プラ。聞いただけでも「大変そう……」と思われるかもしれませんが、実はたのしさ満載です。もちろん、プラスチックまみれの現代、「ゼロ」を目指すことはできません。でも、できる工夫は想像以上に多いです。

わが家も、本書や『ゼロ・ウェイスト・ホーム』*のヒントを参考に、様々な工夫をしています。食器は洗剤不要の木綿のふきんやヘチマたわしで洗い、歯みがき粉は重曹とココナッツ油で手作り(子どもにも好評)。木製のほうきとお茶殻で優雅に掃き掃除をし、ボールペンは万年筆に移行。その他、竹製歯ブラシ、みつろうラップ、ガラスのストローなど、「脱プラ」を意識していたら、自然素材の心地よい道具が増え、いつの間にか、家の中が〝上質〟になってきました。

脱プラはもちろん地球のためです。でも、同時に「暮らしのたのしさ・心地よさ」として自分に返ってきてくれることを実感しています。このたのしさ、生活クラブで暮らしに前向きに向き合っているみなさまなら、きっと実感していただけると思います!

*家族4人で1年に出すごみの量がわずかガラス瓶1本分(=1ℓ)という驚異の「ごみゼロ生活」を紹介する本。服部雄一郎氏翻訳。

●はっとりゆういちろう/翻訳家。東京大学総合文化研究科修士課程修了(翻訳論)。神奈川県の葉山町役場でごみ担当に配属され、ゼロ・ウェイスト政策に携わる。UCバークレー公共政策大学院に留学後、ゼロ・ウェイスト関連の国際NGOスタッフとして南インドに滞在。2014年より高知に移住。妻とともに、食まわりの活動「ロータスグラノーラ」主宰。訳書に『ゼロ・ウェイスト・ホーム』(アノニマ・スタジオ)がある。
 
『プラスチック・フリー生活 今すぐできる小さな革命』
シャンタル・プラモンドン+ジェイ・シンハ 著
服部雄一郎 訳
NHK出版(2019年5月)
21cm×15cm 302頁
★2019年12月1回で491冊

●シャンタル・プラモンドン/ケベック州出身の環境保護ビジネス起業家、弁護士。マギル大学、オタワ大学大学院を経て、モントリオールHEC経営大学院を修了。
●ジェイ・シンハ/マニトバ州出身の環境保護ビジネス起業家。ウェスタンオンタリオ大学で生化学を学び卒業。マギル大学法学部を卒業後、コンコルディア大学で生態毒性学の学位を取得。
書籍撮影:花村英博
図書の共同購入カタログ『本の花束』2020年7月4回号の記事を転載しました。

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