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長野県内の組合員が集まり、今年も加工用トマトを収穫しました! 


 

困難な状況の中、組合員どうしと生産者、人と人のつながりで乗り越える


生活クラブの人気消費材「L’s 信州トマトジュース」は、長野県産の完熟加工用トマトだけを絞ったストレート果汁100%です。加工用トマトの収穫を迎える毎年8月には、首都圏・関西を中心とした各地の生活クラブ組合員が、長野県・飯綱高原の畑に集まり収穫作業を担ってきました。しかし、今年は新型コロナウイルス感染拡大のため、県を超える大人数での移動を避けるため、例年どおりの収穫作業が難しくなりました。そこで、生活クラブ長野が県内の組合員に呼びかけ、職員も含めて延べ154名が集まってトマトの収穫作業を行なうことができました。組合員どうしのつながりや生産者との関わりなど、これまでの活動で培ってきた人の絆を、改めて実感できる機会にもなりました。

組合員が生産に参加する「L's 信州トマトジュース」

長野県飯綱町の畑で加工用トマトを収穫する組合員
 
生活クラブの「L’s 信州トマトジュース」は、長野県で栽培された加工用トマトを使っています。旬のトマトを収穫後すぐに搾って作る「シーズンパック」が大きな特徴です。加工用トマトは露地栽培されるため、完熟期を迎える真夏の約1カ月間に収穫作業が集中します。生産者は、家族経営が中心で高齢化が進んでいるため、人手不足が大きな課題のひとつです。

そこで生活クラブでは、必要なものを自らの手で作り続けるために、首都圏や関西を中心に各地の組合員が、生産者のもとで収穫に参加し、加工用トマトの生産を支えています。「L’s 信州トマトジュース」の価格には、収穫作業の賃金や交通費などの経費が含まれています。生産者の作業負担を減らすだけでなく、トマトジュースを消費する組合員自身が生産にかかる経費を分けあう仕組みです。この活動は1995年から始まり、今年で26年目となります。

今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、県外から多くの人が産地を訪れることが難しく、首都圏や関西の組合員による収穫は断念しました。そこで、同じ県内にある生活クラブ長野が収穫への参加を呼びかけたところ、のべ154名もの組合員・職員が集まったのです。
収穫され、コンテナいっぱいに詰められた加工用トマト

長雨のため収穫量は減少

8月8日から24日の間で7日にわたり、生活クラブ長野の組合員・職員が収穫に参加。事前の検温やアルコール消毒を徹底し、作業にあたりました。

どの日程も天気に恵まれましたが、今年は6~7月に続いた長雨の影響で生育不足や腐れが多く発生し、昨年よりも収穫量は大幅に減少しています。参加者は農産物を栽培する難しさを目の当たりにしながらも、大切に育てられた完熟トマトをひとつずつ丁寧に収穫しました。
草や枝を選り分け、収穫できるトマトを探します
トマトジュースの原料になる完熟トマト
真夏の日差しが照り付ける中、中腰の姿勢でひとつずつトマトを収穫するのは重労働です。例年よりも人手不足が深刻となっていた生産者からは、県内の各地から参加した多くの組合員・職員へ感謝の思いが伝えられています。今年は初めて参加した組合員も多く、自分で摘んだトマトがカゴいっぱいに詰まっているのを見て、喜びの声が上がっていました。参加者のひとり、生活クラブ長野の瀬戸久子さんは、収穫時の様子を振り返ります。
生活クラブ長野 瀬戸 久子さん
「私は今年で3回目の参加でしたが、残念ながら例年よりも収穫できたトマトは少なめでした。ただ、生産者の皆さんが喜んでくれたので、行ってよかったと思っています。首都圏の組合員が来られなくなり、生産者の皆さんはがっかりしていたそうです。さらに雨によるトマトの生育不足も重なり、今年で栽培をやめようと思っていた生産者の方から『皆さんが来てくれたので、来年もがんばります』と言われたのが、何よりうれしかったです。参加者の中には、初めて産地を見たことで生産者の大変さを知り、これから欠かさず注文します!と話す人もいました。私たち組合員にとって、改めて産地に思いを馳せる機会になったと思います」
作業の合間に設けた休憩時間で水分補給する組合員

人とのつながりの大切さ

今年は、生活クラブ長野の組合員・職員がおおぜい集まって「L’s 信州トマトジュース」の原料トマト収穫に貢献しました。長野県は、近所どうしで「班」と呼ばれるグループをつくり、生活クラブを利用している組合員が多い地域です。今回、多くの組合員が参加した背景には、こうした「班」を中心とした、人とのつながりがあったといえます。生活クラブ長野理事長の千村康代さんは、こう述べています。
生活クラブ長野理事長 千村康代さん
「収穫作業への参加募集は、各班にお知らせを配りましたが、それだけで人を集めるのは難しいことです。各地域でさまざまな活動をしている組合員や班長など、リーダーからの声掛けが大きかったと思います。参加者の中には、知りあいに誘われたことで、自分も力になりたいと思った、という声もありました。また、長野県には2019年の台風による水害に見舞われた組合員もいるので、困った時に支えてもらったお礼として参加された方もいます。これまで生活クラブのさまざまな活動によって育まれてきた、人とのつながりが力になったことを実感しています。」

想いの詰まったトマトジュース

生活クラブは、国産の原料でつくられた食材を多く取り扱っています。国産の加工用トマトは、農家の後継者不足や輸入された原材料の増加などによって、生産量が減り続けているのが現状です。組合員の収穫への参加は、加工用トマトの生産を支えるために大切な役割を担っています。

今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、今まで経験したことのない困難な状況でしたが、組合員どうしのつながりや助けあい、生産者との信頼関係から、収穫への参加が実現しました。 また、労働に参加できない人も、生活クラブのトマトジュースを飲むという形で生産を支えることができます。生活クラブではこれからも、提携する生産者の課題をともに考え、さまざまな活動を通じて持続的な生産と消費を続けていきます。

★2020年夏の収穫量は計画より大幅に少なかったため、残念ながら今シーズンは「L’s 信州トマトジュース(食塩無添加)」のみの製造となりました。

【2020年9月17日掲載】
 

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