熊本地震から4年、今も続く支援活動を視察 共生地域創造財団「くまもと伴走型助成事業」
2016年4月の熊本地震の被災に対し、生活クラブ連合会は救援カンパを実施、8,294万円余りが集まりました。そして、その中から共生地域創造財団に約2,300万円を寄付しました。共生地域創造財団ではその寄付をもとに2019年度に「くまもと伴走型助成事業」を立ち上げ、現地で復興支援の活動に取り組んでいる7つの団体と現地事務局を担う「よか隊ネット」に対して、活動費を助成しています。
2020年10月23~25日に各助成団体の現地での活動状況を視察、生活クラブから理事、事務局など5名が参加しました。あわせて2020年7月の熊本豪雨による被災の状況と支援団体の活動も視察しました。
2020年10月23~25日に各助成団体の現地での活動状況を視察、生活クラブから理事、事務局など5名が参加しました。あわせて2020年7月の熊本豪雨による被災の状況と支援団体の活動も視察しました。
くまもと友救(ゆうきゅう)の会
災害ごみの仕分け現場で話を聞く。(右が松岡代表)
2016年の熊本地震の解体作業を重機を使って行なっている団体です。重機を使えるボランティア団体は少なく、多くの場所で必要とされています。今回は2020年7月の豪雨被害が甚大だった人吉地区の土砂瓦礫撤去の現場を訪問しました。土砂と家屋等の瓦礫が混ざった大きな山は最終処理場に運ぶ前に分別が必要で、それを手作業で行なっています。代表の松岡さんはじめ、若いボランティアの方々が黙々と重機も使いながら対応している姿に頭が下がりました。
新型コロナの影響もあり、ボランティアもなかなか来れず、現場には集積所に運ぶことができない災害ゴミが山積していました。友救の会は、これまでに2トンダンプで約1,100台分の災害ゴミを集積所へ運びだしたそうですが、廃棄物の最終的な処理がいつになるかまだ目途がつかない状況です。
新型コロナの影響もあり、ボランティアもなかなか来れず、現場には集積所に運ぶことができない災害ゴミが山積していました。友救の会は、これまでに2トンダンプで約1,100台分の災害ゴミを集積所へ運びだしたそうですが、廃棄物の最終的な処理がいつになるかまだ目途がつかない状況です。
でんでん虫の会
熊本市内の事務所にてヒアリング
ホームレス支援、生活困窮者の支援活動を行なっています。それぞれの安否確認、相談活動を通して孤立を防ぎ、社会参加や相互交流の機会をつくり、人と人のつながりをつくり安心して暮らせる地域づくりをめざしています。
事業としては、「つながるあんしん訪モン事業」、交流会・居場所づくり、相談支援、シェルター運営などを行なっています。このうち、「つながるあんしん訪モン事業」は、共生地域創造財団の助成金を活用しています。助成2年目の活動として、地域のつながりを作っていくことを目標にしていましたが、新型コロナウイルスの影響から対面での活動が難しくなり、電話かけなどで対応しています。また、コロナ禍で被害を受けている人の支援にも対応しています。フリーダイアルのほか、最近はLINEを活用した連絡も増えています。
事業としては、「つながるあんしん訪モン事業」、交流会・居場所づくり、相談支援、シェルター運営などを行なっています。このうち、「つながるあんしん訪モン事業」は、共生地域創造財団の助成金を活用しています。助成2年目の活動として、地域のつながりを作っていくことを目標にしていましたが、新型コロナウイルスの影響から対面での活動が難しくなり、電話かけなどで対応しています。また、コロナ禍で被害を受けている人の支援にも対応しています。フリーダイアルのほか、最近はLINEを活用した連絡も増えています。
でんでん虫の会は、約200人の会費と助成金で運営していますが、活動にかかる費用は9割を助成金でまかなっています。現状では、支援団体を支援する枠組みや制度がなく、経済的な面で大変なうえ、理解も乏しいといいます。この「支援者の支援」が災害支援活動の課題の一つです。
みるくらぶ
阿蘇をバックに記念撮影
子育て世代を支える目的で27年前に設立。子どもと親の安心できる生活環境づくりを目指して、学習会やリサイクルバザーの活動を行なっています。
熊本地震の際には、公的支援では対応されない在宅被災者の支援に取り組み、食料品を届けてきたほか、仮設入居者同士の交流を促すためのコミュニティー支援として、「こころリラクゼーション事業」も開催しています。現在は、仮設から自宅に帰宅された方も含めて在宅訪問と合わせて見守りによる安否確認、支援物資の提供を行なっています。
「親子居場所事業」として、200~300人位が集まるイベントを開催していますが、毎回参加者に楽しみにされています。
熊本地震の際には、公的支援では対応されない在宅被災者の支援に取り組み、食料品を届けてきたほか、仮設入居者同士の交流を促すためのコミュニティー支援として、「こころリラクゼーション事業」も開催しています。現在は、仮設から自宅に帰宅された方も含めて在宅訪問と合わせて見守りによる安否確認、支援物資の提供を行なっています。
「親子居場所事業」として、200~300人位が集まるイベントを開催していますが、毎回参加者に楽しみにされています。
シェアリングネイチャー協会
カフェ「なんとなくふらっと」にて
自然と親しむ心身の健康づくり、ネイチャーゲームなどの自然体験活動を通して、一人ひとりの個性と多様性のある豊かさを育む居場所づくりをめざし自然と遊び、自然から学ぶ生活を通して人の輪を広げる活動に取り組んでいます。
居場所づくりとして甲佐町にカフェ「なんとなくふらっと」をオープンしました。人も自由にフラッと来れるようにという思いを込めている場所です。ここは、ソーラー発電を使ったオフグリッドハウスであり、バイオトイレなど、災害時にも役立つエコな暮らしを実践しています。
震災の支援活動として、「心と身体のリカバリープロジェクト」を行なっています。被災者も支援者も一人の生活者としてそれぞれの暮らしを作っていくための活動で、自然と人に寄り添い、さまざまな人々の交流がうまれる交流の場づくりのプロジェクトとしてワークショップやカフェを運営しています。
居場所づくりとして甲佐町にカフェ「なんとなくふらっと」をオープンしました。人も自由にフラッと来れるようにという思いを込めている場所です。ここは、ソーラー発電を使ったオフグリッドハウスであり、バイオトイレなど、災害時にも役立つエコな暮らしを実践しています。
震災の支援活動として、「心と身体のリカバリープロジェクト」を行なっています。被災者も支援者も一人の生活者としてそれぞれの暮らしを作っていくための活動で、自然と人に寄り添い、さまざまな人々の交流がうまれる交流の場づくりのプロジェクトとしてワークショップやカフェを運営しています。
よか隊ネット
よか隊ネット代表の土黒さん(中央)、理事の高井さん(右)と生活クラブ埼玉理事長の木下さん(左)
熊本地震をきっかけに、民間支援団体が集まりネットワーク化した一般社団法人で、この助成事業の事務局を担っています。また、今回の視察のコーディネートをしていただきました。中間支援団体として、被害の状況把握や行政・マスコミへの対応、各団体との相談や連携を行なっています。
【2021年1月9日掲載】