生活クラブ岩手の組合員と生産者がつながるイベント「東日本大震災から10年 生産者と語らう会」開催! 水産関係の若手生産者とこの10年間をふりかえり、未来を考える。
生活クラブ生活協同組合・岩手(本部:岩手県奥州市、以下生活クラブ岩手)では、2021年2月11日(木・祝)に、東日本大震災から10年の企画として、“森・川・海をつなぐ循環社会”をテーマに「東日本大震災から10年 生産者と語らう会」を開催いたしました。
1か月後に震災発生から10年を迎えるこの日、生活クラブに縁の深い岩手県・宮城県エリアの生産者3団体(重茂漁業協同組合/岩手県宮古市、㈱高橋徳治商店/宮城県石巻市、㈱丸壽阿部商店/宮城県本吉郡南三陸町)の方々と組合員をビデオ通話でつなぎ、震災当時の話から今後の展望についてお話いただきました。
【開催概要】
名称:「東日本大震災から10年」企画 生産者と語らう会
日時:2021年2月11日(木・祝) 10:00~12:00
場所:生活クラブ岩手 水沢センター(岩手県奥州市)
紫波町情報交流館 オガール(岩手県紫波郡)
参加者:生活クラブ岩手 理事長:四戸美恵/生活クラブ岩手 組合員 約50名
重茂漁業協同組合 齊藤義治さん/吉川拓真さん/戸村和希さん
㈱高橋徳治商店 高橋英雄さん/高橋敏容さん
㈱丸壽阿部商店 阿部寿一さん
1か月後に震災発生から10年を迎えるこの日、生活クラブに縁の深い岩手県・宮城県エリアの生産者3団体(重茂漁業協同組合/岩手県宮古市、㈱高橋徳治商店/宮城県石巻市、㈱丸壽阿部商店/宮城県本吉郡南三陸町)の方々と組合員をビデオ通話でつなぎ、震災当時の話から今後の展望についてお話いただきました。
【開催概要】
名称:「東日本大震災から10年」企画 生産者と語らう会
日時:2021年2月11日(木・祝) 10:00~12:00
場所:生活クラブ岩手 水沢センター(岩手県奥州市)
紫波町情報交流館 オガール(岩手県紫波郡)
参加者:生活クラブ岩手 理事長:四戸美恵/生活クラブ岩手 組合員 約50名
重茂漁業協同組合 齊藤義治さん/吉川拓真さん/戸村和希さん
㈱高橋徳治商店 高橋英雄さん/高橋敏容さん
㈱丸壽阿部商店 阿部寿一さん
【生産者のコメント】
■「津波という大事を乗り越えて、海がどういうものか興味がわいてきた」 重茂漁業協同組合
重茂漁業協同組合は生活クラブのカンパ金で寄贈された船で定置網漁をしています。また今は各漁家が養殖ワカメの収穫前の間引き作業をしていますと、齊藤義治さんは現在の様子を話してくださいました。震災当時中学生だった吉川拓真(きっかわ たくま)さんと戸村和希(とむら かずき)さんも参加され、震災の記憶から将来の夢までをお話いただきました。吉川さんは、「震災で海を嫌いになることはなかった。震災という大きな出来事を機に興味を持つようになり、漁師になった。これからも、ずっと続けて行きたい。」と話されました。戸村さんも、「震災があっても海を怖いと思ったことはない。何この!と奮起して小さい頃からなりたかった漁師になりました。重茂のワカメは日本一美味しいので、一度食べたら他のワカメが食べられなくなるくらい!」と重茂の自慢を話してくださいました。また、齊藤さんは、「私が生まれた年に石鹸運動*1が開始され、今では普通の習慣になっています。とてもいい環境で育てたワカメや昆布を皆様にお届けできるのは一番の自慢です。」とまとめてくださいました。
*1 石鹸運動とは…重茂漁協では生活クラブとの提携をきっかけに、豊かな海を守る活動として1975年から合成洗剤追放運動を開始。重茂漁協婦人部(現女性部)から始まったこの活動は漁協全体に広まり、1980年代には重茂地区の全商店が合成洗剤を置かなくなるまでの成果を上げました。今でも重茂地区では、多くの人が合成洗剤ではなく、石けんを使っています。
■「震災を機に牡蠣の過密をやめ、持続可能で安定的に生産できる漁業に変えた」 ㈱丸壽阿部商店
阿部寿一(あべ じゅいち)さんは、「当時の津波の後は空襲にでもあったかのような状態の中、避難先に生活クラブの配送車が現れた瞬間は夢のようでした。生活クラブからは多くの支援をいただきました。」と、当時の様子を語り、今の町の様子や漁業の様子を話されました。「震災後10年が経って、高台に災害公営住宅も完成し、県外からも人気のさんさん商店街には活気が溢れ、南三陸町役場本庁舎や南三陸町震災復興祈念公園の完成など町の復興が進む中、漁業も大きく変わりました。ポイントは、持続可能で高品質な牡蠣の養殖です。震災で全てが流され“ゼロ”になったことで思い切って養殖の方法を変えました。棚を減らすなどの牡蠣の過密を避けることで、5年後には生産量や品質が上がり、経費や労働時間が4割削減し、収入がアップしました。それによって、後継者が増え、今では20代~30代が中心になっています。また、平成28年には国内初の国際養殖認証(ASC認証)*2を取得しました。南三陸町や女川町は震災前より漁業者が増加しています。南三陸町の成功事例を共有して、環境の負荷を減らして持続可能な生産を広める努力をしています。この活動が広く認められ、2019年に農林水産省祭天皇杯を受賞しました。」と、震災を機に変えた牡蠣の養殖の成功例をお話しいただきました。
*2国際養殖認証とは…水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)が管理運営する養殖に関する国際認証制度で、自然環境の汚染や資源の過剰利用の防止に加え、労働者や地域住民との誠実な関係構築を求めているもの。
■「震災から何を学びどうしていこうか、と考えて変えてきた。」 ㈱高橋徳治商店
高橋英雄(たかはし ひでお)さんは、「当時、高台の神社の社務所を避難場所にしていたところに、道なき道をたどって支援物資を持ってきてくれたのが生活クラブでした。生活クラブの方々に、工場の片づけや機械の洗浄までお手伝いいただいたおかげで11月には生産を再開できました。以降、地域の方々に必要とされる会社になろう!と決めた時に腹に力が入りました。今では、地元の食材を使用し無添加で生産しています。また、地元の食材を無駄なく使用するコラボ商品の開発にも力を入れるようになりました。さらに、海産物だけでなく野菜の加工工場も開設しました。引きこもりの若者たちを支援するために必要な場所だと考え、彼らの光になりたいと考えます。「真手に(までぃに)生きましょう」という言葉がありますが、これは相手のことを丁寧に考えるという意味です。これからも、真手に生きたいと思います。」とたくさんの思い出・経験と合わせて大事なメッセージを話してくださいました。
高橋敏容(たかはし としやす)さんには、「これからも、地域に根づいて必要とされる企業として、さらに社員満足度No1の企業を目指して行きます。」とこれからの展望を力強く語っていただきました。
■「津波という大事を乗り越えて、海がどういうものか興味がわいてきた」 重茂漁業協同組合
重茂漁業協同組合は生活クラブのカンパ金で寄贈された船で定置網漁をしています。また今は各漁家が養殖ワカメの収穫前の間引き作業をしていますと、齊藤義治さんは現在の様子を話してくださいました。震災当時中学生だった吉川拓真(きっかわ たくま)さんと戸村和希(とむら かずき)さんも参加され、震災の記憶から将来の夢までをお話いただきました。吉川さんは、「震災で海を嫌いになることはなかった。震災という大きな出来事を機に興味を持つようになり、漁師になった。これからも、ずっと続けて行きたい。」と話されました。戸村さんも、「震災があっても海を怖いと思ったことはない。何この!と奮起して小さい頃からなりたかった漁師になりました。重茂のワカメは日本一美味しいので、一度食べたら他のワカメが食べられなくなるくらい!」と重茂の自慢を話してくださいました。また、齊藤さんは、「私が生まれた年に石鹸運動*1が開始され、今では普通の習慣になっています。とてもいい環境で育てたワカメや昆布を皆様にお届けできるのは一番の自慢です。」とまとめてくださいました。
*1 石鹸運動とは…重茂漁協では生活クラブとの提携をきっかけに、豊かな海を守る活動として1975年から合成洗剤追放運動を開始。重茂漁協婦人部(現女性部)から始まったこの活動は漁協全体に広まり、1980年代には重茂地区の全商店が合成洗剤を置かなくなるまでの成果を上げました。今でも重茂地区では、多くの人が合成洗剤ではなく、石けんを使っています。
■「震災を機に牡蠣の過密をやめ、持続可能で安定的に生産できる漁業に変えた」 ㈱丸壽阿部商店
阿部寿一(あべ じゅいち)さんは、「当時の津波の後は空襲にでもあったかのような状態の中、避難先に生活クラブの配送車が現れた瞬間は夢のようでした。生活クラブからは多くの支援をいただきました。」と、当時の様子を語り、今の町の様子や漁業の様子を話されました。「震災後10年が経って、高台に災害公営住宅も完成し、県外からも人気のさんさん商店街には活気が溢れ、南三陸町役場本庁舎や南三陸町震災復興祈念公園の完成など町の復興が進む中、漁業も大きく変わりました。ポイントは、持続可能で高品質な牡蠣の養殖です。震災で全てが流され“ゼロ”になったことで思い切って養殖の方法を変えました。棚を減らすなどの牡蠣の過密を避けることで、5年後には生産量や品質が上がり、経費や労働時間が4割削減し、収入がアップしました。それによって、後継者が増え、今では20代~30代が中心になっています。また、平成28年には国内初の国際養殖認証(ASC認証)*2を取得しました。南三陸町や女川町は震災前より漁業者が増加しています。南三陸町の成功事例を共有して、環境の負荷を減らして持続可能な生産を広める努力をしています。この活動が広く認められ、2019年に農林水産省祭天皇杯を受賞しました。」と、震災を機に変えた牡蠣の養殖の成功例をお話しいただきました。
*2国際養殖認証とは…水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)が管理運営する養殖に関する国際認証制度で、自然環境の汚染や資源の過剰利用の防止に加え、労働者や地域住民との誠実な関係構築を求めているもの。
■「震災から何を学びどうしていこうか、と考えて変えてきた。」 ㈱高橋徳治商店
高橋英雄(たかはし ひでお)さんは、「当時、高台の神社の社務所を避難場所にしていたところに、道なき道をたどって支援物資を持ってきてくれたのが生活クラブでした。生活クラブの方々に、工場の片づけや機械の洗浄までお手伝いいただいたおかげで11月には生産を再開できました。以降、地域の方々に必要とされる会社になろう!と決めた時に腹に力が入りました。今では、地元の食材を使用し無添加で生産しています。また、地元の食材を無駄なく使用するコラボ商品の開発にも力を入れるようになりました。さらに、海産物だけでなく野菜の加工工場も開設しました。引きこもりの若者たちを支援するために必要な場所だと考え、彼らの光になりたいと考えます。「真手に(までぃに)生きましょう」という言葉がありますが、これは相手のことを丁寧に考えるという意味です。これからも、真手に生きたいと思います。」とたくさんの思い出・経験と合わせて大事なメッセージを話してくださいました。
高橋敏容(たかはし としやす)さんには、「これからも、地域に根づいて必要とされる企業として、さらに社員満足度No1の企業を目指して行きます。」とこれからの展望を力強く語っていただきました。
【2021年2月16日掲載】