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【営農流通ワイド:パプリカ】環境保全型強みに(日本農業新聞)

【2021年7月8日:日本農業新聞掲載】

10年で生産量が2倍になったパプリカ。山形県の産地では、環境に配慮した栽培方法を実践し、品質向上に向けた技術導入にも取り組む。国産野菜を扱う生協は、産地の意向を受けて、袋規格の幅を広げて販売する。市場関係者は、周年供給されれば、国産パプリカの需要が伸びる余地はあると期待する。(川崎勇、橋本陽平)

山形・JA庄内みどり
IPM進み天敵導人 白マルチで暑さ対策

山形県のJA庄内みどりパプリカ専門部は、化学農薬・肥料を抑えた環境保全型の土耕栽培を実践し、付加価値を高めたパプリカを生産している。農薬の使用量が限られるため、総合的病害虫・雑草管理(IPM)を実践。近年は天敵農薬を使う部員が増えてきた。県の研究機関と連携し、収量・品質向上につながる技術導入を進めてきた。

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(生活クラブ生協)の提携産地として2003年に栽培を始めた。
21年は遊佐町と酒田市の部員43人が4.9ヘクタールで施設栽培する。部員の規模拡大により、作付面積は微増傾向だ。
品種は赤と黄の主に6品種で全てベル型。7~12月にかけて約220トンを同生協や関東の市場に出荷する。

同部の強みは環境保全型の栽培方法だ。土耕で化学農薬や肥料を半分以下にする特別栽培の基準で無加混栽培する。35アール栽培する佐藤朗さん(64)は「アザミウマ類などの対策が大変だが、安全・安心には自信を持てる」と強調する。

害虫対策として防虫ネットや全層マルチ、交信かく乱剤の設置などに加え、近年は天敵農薬を使う部員が2割以上に増加。アザミウマ類対策のタイリクヒメハナカメムシ剤や、アブラムシ類対策のヒメカメノコテントウムシ剤を使う。

品質向上に向けた技術導入にも積極的だ。夏越しする作型のため、暑さや日焼け果対策を重視。白マルチで地面を覆い地温の上昇を抑える。遮光資材を通期で展張し、日焼け果の発生を防止する。

果実は樹上で完熟させるが、気温や日射量が低くなる10月以降は、着色割合が低くなる。県の研究により、普色割合が1割ほどで収穫し、4~7日常温で蛍光灯などを使って光照射すると追熟することを確認。各農家で実践している。

JA遊佐園芸センターは「今後も品質の高さや、環境保全型農業を売りに付加価値を高めて販売していきたい」と意気込む。

固定客と安定取引

融通利かせ袋規格で
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(生活クラブ生協)は、JA庄内みどり産パプリカの3割を仕向ける主要取引先だ。取引の時期や価格、使用農薬を事前に取り決め、生産者が収支見通しを立てやすくする。

扱う野菜を国産に限る同会は、厳しい栽培基準を設ける。残留農薬の自主基準値は国の基準の10分の1末満を目標とし、化学肥料も極力減らす。水耕や加温、電照栽培の野菜は基本的に扱わない。約70ある「提携産地」とは、産地見学など生産者との交流も重視する。

同JA産は、組合員への配送や首都圏に展開する店舗「デポー」で販売。同会ビジョンフード推進部の齊藤康之副部長は、「大玉かつ肉厚で食べ応えがあり、生でもパプリカそのものの味を楽しめる」と高く評価する。

産地意向を踏まえ、規格に融通を利かせる。1個の大きさは問わず、「1袋350グラム・250グラム」と袋単位で規格化。齊藤副部長は「時期により色バランスや大きさは差が出るので、一律規格は求めない」と意図を語る。

組合員の要望を伝えながら、対応可能な栽培を産地と協議し、使用農薬の削減などにつなげてきた。齊藤副部長は「産地振興や地域経済の振興につながる視点を持ち、継続的に取引したい」と語る。

国産需要拡大も期待
パプリカの国内生産は伸長し、18年の収穫量は6397トンと10年で倍増した(農水省調べ)。一方、財務省によると、20年の輸入量は1万2959トン。近年は緩やかに減少するも、韓国産のシェアが増え、輸入割合は依然高い。ただ、輸入業者は「韓国産は労働力の確保が難しく、オランダ産も空路の減便で減るなど、不安定要素がある」と話す。

同JA産を長年扱う東一川崎中央青果は、「国産が希少な時から取引を続け、固定客がついている。シーズンを通じ切れ目なく入荷する安定感も強味だ」と説明。国産については「輸入頼みとなっている1~5月に供給が増えれば、需要拡大の余地は十分ある」と期待する。
 
肉厚で食べ応スあるJA庄内みとり産パプリカは、生活クラプ生協の店でも彩りを加える(同生協提供=東京都東村山市で)

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