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生協の食材宅配【生活クラブ】
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コロナ禍の挑戦! ラジオCMに「YouTube」

現在、全国21都道府県に33の生活クラブ生協がある。それぞれに属する組合員が、自ら仲間を増やす活動が「組合員拡大活動」。取り扱う食材やエネルギーの生産を支え、暮らしやすい地域社会の仕組みをつくるなど、一人ではできないことを実現するために同じ思いの人を募る、生協の基本的な活動だ。これまで日常的に試食会や生産者交流会などを開催し、顔と顔を合わせて生活クラブの存在や目指すものをアピールしてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大以降は、対面での活動を自粛せざるをえなくなり、知人を紹介し職員を通じて仲間を増やすことも難しくなった。ではどうしたらいいのか。困難な中にあり、新しい活動にチャレンジした二つの事例を紹介する。

生活クラブ埼玉・大宮支部

CM制作風景

ラジオCMを作る

本紙2020年12月号では、動画配信サイト「YouTube」を使って生活クラブを地域に知らせる活動を始めた生活クラブ埼玉の大宮支部のチャレンジを紹介した。この時中心になって動画を作成した当時支部委員長の永山春衣さんも、コロナ禍でどんな活動ができるのか悩んだという。そしてこの状況だからこそできることがあると、新たな提案を昨年4月に行った。それがラジオCMの制作だ。

「普段からラジオをよく聴くのですが、『在宅勤務になってからラジオを聴くようになった』というリスナーの声がたびたび紹介されるようになりました。在宅勤務と食材配達サービスは親和性があるだろうと思い、リスナーに向けて広報できないかと考えました」と永山さんは言う。

他の活動を縮小していたので経費はそこから捻出できる。さらに支部の連合体である大宮ブロックにも協賛を申し入れ、仮の音源を作り具体的に提案した。結果、制作費15万円は支部が、放送費42万円は大宮ブロックがそれぞれ負担することになった。

広告制作会社のアドバイスを受けながら永山さんがシナリオを作り、支部の委員や子どもたちが声優を務めた。2種類の20秒間CMが出来上がり、10月、全国放送のラジオ局と地元局とで4回ずつ放送された。直接の反響こそまだ多くはないが、地域に生活クラブの存在を知らせる機会は提供できたという。

それぞれの力で

CM制作を担当した大宮支部委員とその家族

「組合員は、生活クラブの良さをもっと広めたいと思っています。今までは一人一人に直接伝えていく方法でした。それは大事だと思う一方、もっとメディアを活用してもいいのではないかと感じていました。もちろん、その費用が消費材の価格に転嫁されてはよくないですが、組合員が参加して生産者と一緒に開発する消費材のように、組合員自身が作る広告ならいいと思いました」と永山さん。消費材を使う組合員が増えれば生産者は生産を続けられる。それが自分の暮らしの安心にもつながるということが永山さんの活動の原点にある。「活動の面白さを、私は人の言葉ではなく自分で実感できました」(永山さん)

誰もが多忙な時代、組合員活動を続けるのは難しいという声も聞かれる。だが、組合員活動は、それぞれの興味や力をいかせる場であり、一人ではできないことに取り組める場でもある。時代や状況の変化に応じ新たな組合員活動を模索する中、それぞれの面白さを発見する人も出てくるのかもしれない。

大宮支部では、他の地域でも自由に使ってもらいたいと、CM音源は著作権フリーにしている。

CM制作の過程をつづった大宮支部のブログ、CM音源はこちらから

写真提供/永山春衣
文/本紙・佐々木和子

生活クラブ神奈川・矢向センター

動画作成には、職員、ワーカーズ、配送スタッフなど矢向センター全体で協力する

ゆるく伝える

コロナ禍で対面がかなわず、組合員への情報提供に頭を悩ませてきたのは職員も同じだ。生活クラブ神奈川の配送拠点矢向センターでは、新しいツールで情報発信ができないかと話し合い、2021年8月、期間限定で「YouTube」による動画配信を始めた。

「思いつく限り自由に作らせてもらっています」と話すのは伊藤洋平さん。組合員拡大や生活クラブ共済を紹介するチームのリーダーで、動画の台本作りと監督を担当した。第1回の「ビオサポセット、作ってみた」編では見事な鍋振りを披露している。興味のある人は「生活クラブ矢向センター」で検索すれば視聴できるそうだ。

「あまり堅い内容では視聴者が疲れてしまう。熱く語り過ぎてもしらける。でも生活クラブとして伝えるべきことがブレてはいけない。そこが苦労したし面白かった点ですね」

矢向センターから消費材を配達する組合員は、横浜市北部と川崎市東部在住の約5000人。YouTubeは不特定多数に向け情報発信できる道具だが、矢向センターではこの5000人に届けることを意識した。「顔を合わせたことのない方々に僕たちを知ってもらいたい、いつも配達に伺っているのはこんな人ですとお知らせしようと始めました」と伊藤さん。「親しみを感じてもらうには『ゆるさ』も大切ですが、添加物や遺伝子組み換えなどまじめな話題も案外評判いいですよ」

新たな参加を

撮影、照明、編集を担当するのは同じくチームリーダーの香川民彦(たみひこ)さん。動画作成は初めての経験で、当初は10分間の動画1本を仕上げるのにもかなりの時間を要した。表現や文字の使い方など、画面に載せるテロップは特に注意が必要だ。センター長をはじめ上司や仲間の協力を得て入念にチェックする。

「配達時に出会えた方からは、良かった点や改善点を教えてもらうこともあります。組合員の方も一緒に作っていると感じます」と香川さん。どこまで情報が届いているかまだ見えていないとしながらも、組合員同士が動画を話題にし、視聴を勧めるなど、思わぬ広がりを感じることがあると話す。

紹介キャンペーンの参加呼びかけなど、動画に出演、協力してきたチーフの原正和さんは、「動画で紹介するのは、暮らしの中の数ある選択肢の一つです。視聴者が自分で考え行動するきっかけになればうれしいですね」と言う。

インターネットを活用した新しい情報発信の道具が次々に登場している。それらを使い「生活クラブのある暮らし」を発信することは、新しい活動参加の方法でもある。「大切にしたいのは、組合員が参加し、つながること」。全員がそう声をそろえた。
 
左から、露崎敏幸さん、香川民彦さん、伊藤洋平さん、原正和さん、岡本原(げん)さん。矢向センターの倉庫で
撮影/葛谷舞子
文/本紙・元木知子


★『生活と自治』2022年1月号 「生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。
【2022年1月30日掲載】
 

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