洗びん工場リニューアル記念イベント「Rびんの普及を目指して」が開催されました
2017年9月、びん再使用ネットワーク※1の会員である生活クラブ連合会とパルシステム連合会は、㈱エリックス※2と共に㈱トベ商事の洗びん工場改善のための協議会を立ち上げました。ほぼ4年にわたる協議の末、2021年夏に洗びん工場がリニューアルされることが確認されました。そして2021年10月4日新洗びん工場が完成し、稼働し始めました。
これを記念し、今後のRびんを利用する生産者の拡大や組合員による回収率の向上をめざして、洗びん工場のリニューアル記念イベントが開催されました。イベントは登壇者を中心にリアル会場で行ない、視聴者はオンラインで参加しました。
冒頭、環境省環境再生・資源循環局総務課の平尾禎秀リサイクル推進室長と東京都環境局資源循環推進部の古澤康夫専門課長より、ご挨拶をいただきました。
※1 びん再使用ネットワーク
1994年4月に生協を超えて規格統一したリユースびん(Rびん)を使用する生協のネットワーク組織として、「リサイクルのしくみ作りのための情報交換」「びん再使用のしくみを他生協・地域に広げるための調査研究と普及」を目的に設立されました。現在の参加団体は、生活クラブ連合会、東都生協、パルシステム連合会、グリーンコープ共同体の4生協です。
※2 ㈱エリックス
都内近郊の容器回収業者(びん商)10社により、1990年に設立されました。びん再使用ネットワークの設立時から、びんの回収・洗浄に協力をいただいています。㈱トベ商事は、㈱エリックスの主要メンバーです。
≪第1部≫
【記念スピーチ】 戸部昇さん/ ㈱エリックスリサイクル推進部長、㈱トベ商事代表取締役会長
戸部さん
㈱トベ商事は洗びん以外にも缶やペットボトルの資源化や、資源・廃棄物処理・運輸など、エコロジーの分野で幅広い事業を行っています。洗びんでは、主に生活クラブ連合会、パルシステム連合会のRびんを洗浄しています。27年前、リユースびんを使ったリサイクルのシステム(グリーンシステム)がスタートしました。
しかしその後、ライフスタイルの変化等に伴いプラスチック容器が広く普及し、リユースびんそのものが減少、リユースびんを使う暮らしも消えつつあります。しかし、環境問題が世界中で大きな問題となっている今、「リユース」が再注目されています。「1本のびんを戻すことがSDGsの実践につながる」と戸部さんはおっしゃられ、「本日の記念イベントは、私たちのびんリユースを世界に広めるスタートです」と締めくくられました。
また、新洗びん工場の動画も上映され、大量のRびんが機械と人の目により、きれいに洗浄され再使用できるようになる様子を見ることができました。
【記念講演】講師 原田禎夫さん/大阪商業大学准教授
演題 「プラスチック汚染に立ち向かう ~脱プラスチック、そして脱炭素社会へ~」
原田先生
まず、プラスチック汚染についてのお話から始まりました。年々、飲料用ペットボトルの生産量が増えており、非常に大量のペットボトルが河川や海岸、海へ流れ出している様子を写真で見せていただきました。そして、魚介類をはじめ様々な食品・飲料に、目に見えないような小さなプラスチックが混入していること、食物連鎖の最上位にいる人間にそれらが蓄積されていくという、たいへん心配なことも話されました。日本のプラスチック処理は、他国と比較すると、焼却と熱回収(ごみ焼却炉で燃やし、その熱をエネルギーとして回収する手法) によるところがとても多く、リサイクルはすすんでいないことも示されました。
後半は、原田先生が住んでいらっしゃる、京都府亀岡市の取り組みについてのお話でした。亀岡市では、2020年に日本初、日本唯一の「プラスチック製レジ袋提供禁止条例」が施行されました。亀岡市にはとてもきれいな保津川があり、観光名所として多くの観光客が訪れるそうです。その保津川のごみ問題がきっかけとなり、「保津川を守る、船頭さんを守る」をキーワードに活動してきた結果だそうです。亀岡市というローカルな問題が世界の問題につながっていることに気づいた、多くの市民の後押しが、条例の制定・施行に大きな力となったそうです。保津川のレジ袋のごみは激減しました。
最後に、脱プラスチックに向けた世界の取り組みが紹介されました。プラスチック汚染を解決するためには様々なレベル、国家、地方、企業、個人等での価値の共有と信頼をもとに、それらからの行動、活動などのアプローチを組み合わせることが必要ということでした。
原田先生のお話はユーモアに富み、且つわかりやすく、1時間の講演はあっという間でした。
後半は、原田先生が住んでいらっしゃる、京都府亀岡市の取り組みについてのお話でした。亀岡市では、2020年に日本初、日本唯一の「プラスチック製レジ袋提供禁止条例」が施行されました。亀岡市にはとてもきれいな保津川があり、観光名所として多くの観光客が訪れるそうです。その保津川のごみ問題がきっかけとなり、「保津川を守る、船頭さんを守る」をキーワードに活動してきた結果だそうです。亀岡市というローカルな問題が世界の問題につながっていることに気づいた、多くの市民の後押しが、条例の制定・施行に大きな力となったそうです。保津川のレジ袋のごみは激減しました。
最後に、脱プラスチックに向けた世界の取り組みが紹介されました。プラスチック汚染を解決するためには様々なレベル、国家、地方、企業、個人等での価値の共有と信頼をもとに、それらからの行動、活動などのアプローチを組み合わせることが必要ということでした。
原田先生のお話はユーモアに富み、且つわかりやすく、1時間の講演はあっという間でした。
≪第2部≫
Rびんのリユースに取り組む生協の活動報告
福住さん
これまでの特徴ある取り組み、今後の取り組み、中長期的な目標について、4生協から報告していただきました。報告者は、グリーンコープ共同体組織委員会委員長の金子誉支江さん、東都生協組合員理事の脇素子さん、生協パルシステム東京常任理事/連合会環境委員会副委員長の小島教子さん、生活クラブ生協千葉理事長/連合会組織活動推進会議担当理事の福住洋美さんです。
福住さんからは、グリーンシステムの始まりの頃のようす、チラシやSNS等を活用して多くの組合員へ伝える現在の取組み、回収率アップのための活動が紹介されました。そして、2030年までにRびん回収率を80%にする「2030目標」にもコミットメントされました。
≪閉会≫
中井さん
容器包装の3Rを進める全国ネットワーク運営委員長の中井八千代さんより、応援メッセージをいただきました。今こそ、リサイクルの価値を伝え、私たちのRびんを使う人を増やしていきましょう!ごみを出さない暮らしへの転換をすすめましょう!と元気なメッセージをいただきました。
最後に、㈱エリックス開発事業部長/㈱宮永兄弟商会会長の宮永さんより、本イベントを締めくくる閉会のあいさつをいただきました。
【2022年1月10日掲載】