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コロナ禍緊急助成報告集会  支援活動から見えてきた地域のつながりの輪を広げよう

生活クラブは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で生活に困窮する人たちへの緊急支援に取り組んできました。2021年12月4日、「コロナ禍緊急助成報告集会」をオンラインで開催し、これまでの助成活動を振り返るとともに、今後の支援活動を展望しました。稲葉剛さんの講演、支援先5団体からの報告、生活クラブ神奈川の取り組みの報告など、さまざまなお話があり、良い交流の機会にもなりました。

基調講演「コロナ禍における生活困窮者支援の現場から」(稲葉剛さん)
助成報告(第1次~第4次助成)
支援先団体報告(助成を活用した支援活動の報告)
生活クラブ神奈川 支援活動報告
まとめ

基調講演「コロナ禍における生活困窮者支援の現場から」(稲葉剛さん)


基調講演「コロナ禍における生活困窮者支援の現場から」を、稲葉剛さん(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事(以下、つくろい東京)、認定NPO法人ビッグイシュー基金共同代表)が行ないました。稲葉さんは、27年前から生活困窮者の自立サポートに関わり、近年は空き家を借り上げた住宅支援の活動などに取り組んでいます。

従来のホームレス支援はまずは病院や施設等で一定期間過ごし、支援者が「一人暮らしが可能である」を判定して、アパートに移るステップアップ型のアプローチでした。 

しかし、アパート暮らしを支援のゴールとみなすと、途中でドロップアウトして路上生活に戻る人が少なくありません。そこを解決するのが、住まいは基本的な人権だという「ハウジングファースト」という考え方です。判定をしないで無条件でアパートを提供し、福祉関係者や医療関係者などが提携してサポートを続け、生活再建を目指すことで多くの人が地域生活に戻ることができるのです。つくろい東京では、2014年にクラウドファンディングで東京都中野区に個室シェルター(7部屋)を開設し、現在は都内25室を借り上げて住宅支援を展開。7年間で120名以上が利用しています。

コロナ禍で、路上での食料配布や医療相談などに集まる人が急増しています。緊急事態宣言の解除後も、飲食業を中心に営業制限が続き、個人商店の廃業やチェーン店の時短営業などで、雇用が回復しない状況が続いています。以前は支援を求める人の大半が中高年の単身男性でしたが、コロナ以降、若年層の男性から女性、家族連れなど多様化しています。さらに、在留資格を持たない外国籍の人の困窮も広がり、住むところもなく、医療にかかれない人も多いです。

東京には、路上生活者とは別に4000人ほどがネットカフェで寝泊りしています。緊急事態宣言によるネットカフェ休業で、一斉に路上に追い出されるという事態になりました。つくろい東京では、SMSを使った駆けつけ型の緊急支援として、最寄りの駅などで待ち合わせをし、スタッフなどが屋外でヒヤリングを行なって緊急の宿泊費や交通費を渡し、必要に応じて、公的支援の窓口まで同行する対応を行ないました。相談件数は1年4カ月で800件以上となりました(2020年6月以降は「新型コロナ災害緊急アクション」で緊急支援を継続)。その人たちの受け皿として、独自の個室シェルターを増設しました。社会的擁護から自立したものの職を失った若者やアルバイトがなくなった大学生、年金が足りなくてパートをしていた高齢者など、老若男女が次々と入居し、満室状態が続いています。さらに、対人サービス業の従事していた中間層の人が一挙に生活苦に陥るケースが多いのも、コロナ禍の生活困窮者の特徴です。

住宅支援のほかに、本人負担ゼロで携帯電話を使って住まいや仕事を探すことができる「つながる電話」や、ビッグイシュー基金の「おうちプロジェクト」、生活保護申請支援システム「フミダン」などがあります。
しかし、コロナ禍であぶり出された多様な性格困窮の支援は、自助も公助も限界です。安定した住まいを保障する政策や、生活保護への偏見・差別をなくし、専門職の正規職員を増員による適正な運用など、誰も取り残さない社会をつくる公的なセーフティーネットの構築が求められています。
 
稲葉剛さん

助成報告(第1次~第4次助成)


2020年6月~7月に、各地の生活クラブの関連団体である福祉事業団体や子ども食堂、フードバンクなどに25トンのお米の寄付を行ないました。
次いで、長期化するコロナ禍において継続した支援をするために、全国の組合員と生産者に「新型コロナ感染拡大にともなう生活困窮者への支援カンパ」を呼びかけました。総額2,950万円の寄付金を原資に、一般社団法人生活クラブ福祉事業基金が「新型コロナ感染拡大下の緊急助成」を行ないました。助成の実績は表のとおりです。

 
田端知江さん

支援先団体報告(助成を活用した支援活動の報告)

緊急助成を受けた5つの団体から活動報告がありました。

こすもすだれでも食堂実行委員会(東京都八王子市)は、2016年から食を通して子どもから大人までが集う居場所活動です。大学生が中心となったボランティアチームが地域の人とつながり活動してきました。コロナ禍で食堂の開催を中止せざるを得ない状況となり、こんな状況だからこそ「食」を通じた支援をしようと、食料配布活動(隔週)、コロナ困りごと相談会、学習支援の開始、調理レシピの配布などに取り組みました。助成金は食料品や日用品の購入、配達のガソリン代、学習支援, 相談会費用等に活用しました。
 
こすもすだれでも食堂実行委員会

龍の子(愛知県豊田市)は、不登校の子どもたちを対象に少人数の子ども食堂を開催し、安心できる居場所を作ってきました。コロナ禍で食堂形式から個別容器の食事に変えたことで、一緒に食事をするのが困難だった子どものハードルが下がり参加しやすくなりました。助成金で食品やギフトカードを購入。生活困窮家庭に、親が不在でも子どもだけで食事ができるレトルト食品などを送り、親の精神的負担を寄り添いました。ギフトカード配布の告知で、子どもたちに参加意欲がわき、コミュニケーションが苦手な子どもたちとのつながりができました。
 
龍の子

社会福祉法人友興会児童養護施設 クリスマス・ヴィレッジ(東京都)は、第3次助成は、生活困窮となった2人の退所者の家賃の支払いなどの支援に活用しました。第4次助成は、30人の退所者一人ひとりの状況に合わせて、食料品や日用品、子育て用品を購入し、配布または配送しました。支援を受けた人から「経済的に困窮しているけど、どうにかやっていけているのも、こうした金銭的支援や物品支援のおかげだと思う」「コロナ禍での生活を気にして連絡をくれたり、必要なものを送ってくれたりして、助かっている」「収入が減っている中でも、子育てってお金が掛かるから、すごくありがたい」など感謝の声が届いています。
 
クリスマス・ヴィレッジ

フードバンクちば(千葉県)は、2012年5月設立し、県内各市社協、県社協等の協力で、フードドライブを県内全域に拡大し、100か所の受け取り窓口があります。2020年3月以降、新型コロナの影響で失業・減収する人が増大。働いて生計を立ててきた若い家族、女性(ひとり親)、外国人を直撃しています。助成金は人件費、ボランティア交通費、食品配送費に活用。今後、国の貸付の償還(返済)が始まり、生活保護に移行する人が増えることも予想されるので、県内全域の市役所等と連携して困窮者に迅速に食料配布ができる仕組みを作っていくことが課題です。
 
フードバンクちば

特定非営利活動法人 山科醍醐こどものひろば(京都府)は、1991年から地域の子どもたちが豊かに暮らせるよう、居場所づくり、子育て支援、子どもの貧困対策事業に取り組んでいます。コロナ禍の一斉休校で、給食がなくなり家計を圧迫しました。また、親子で家にいる時間が多く、お互いのストレスから衝突し、暴力や家出なども起こりました。困窮家庭に、助成金で購入したお菓子やレトルト食品などの配布を継続しました。子ども食堂の食支援に代えて、お弁当の配布なども行ないました。保護者から「たくさんの食材と日用品をありがとうございました。厳しい現状でしたので、本当にたすかりました」というお礼のメールも届いています。
 
山科醍醐こどものひろば

生活クラブ神奈川 支援活動報告

続いて、独自に新型コロナ対応緊急応援助成を行なった生活クラブ神奈川の君島周子さん(生活クラブ神奈川副理事長)より、コロナに立ち向かいながら地域のたすけあいを地道に進める市民団体や非営利組織を支援したカンパと助成の報告がありました。2020年度は187団体に助成を行ない、2021年度も支援活動が継続されています。コロナ禍で困窮や生きにくさが増したことへの気づきから、自分ができることで地域のたすけあいに参加しようと、カンパ参加が広がったと報告しました。
 
君島周子さん

まとめ

最後に、岡澤三保子さん(助成審査委員)が、「助成団体の審査では協同組合の価値を実感しました。カンパ活動の一歩先を行くつくろい東京の活動なども知り、今後は緊急支援から継続した支援活動をそれぞれの地域でつくって行きたいと思います」と報告会のまとめをしました。
 

参加者の皆さん(一部)
【2022年1月18日掲載】

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