生活クラブの提携産地・山形県遊佐町の水源が守られました 鳥海山麓での大規模な採石事業が規制の対象に
生活クラブの主要な産地の一つ、山形県遊佐(ゆざ)町。町のシンボルである鳥海山を水源に、お米や野菜を育てています。大切な水資源を守るため、遊佐町は鳥海山麓での採石を条例にもとづき規制しています。そうした規制が違法であるという採石事業者の訴訟に対し、遊佐町の規制の正当性を認める最高裁判決が2022年1月に確定しました。
生活クラブと長い提携の歴史を持つ遊佐町
遊佐町は庄内平野の北端、秋田県との県境に位置する自然豊かな土地です。生活クラブとの提携は、約50年前にお米の共同購入からはじまりました。今では野菜や大豆などの農産物、その加工品まで、遊佐町のさまざまな食材が組合員の元に届いています。
湧水の宝庫としても知られ、鳥海山に降る雨や雪は長い年月をかけて地下水脈となり、町のいたるところから湧き出ています。農業や鮭のふ化事業にも地下水が使われるなど、町の産業を支える大切な資源となっています。生活クラブのお米や農産物も、こうした清らかな湧き水によって育てられています。
湧水の宝庫としても知られ、鳥海山に降る雨や雪は長い年月をかけて地下水脈となり、町のいたるところから湧き出ています。農業や鮭のふ化事業にも地下水が使われるなど、町の産業を支える大切な資源となっています。生活クラブのお米や農産物も、こうした清らかな湧き水によって育てられています。
組合員と遊佐町が一体となり水資源を守る
豊かな水資源を守るため、生活クラブはさまざまなかたちで遊佐町と協力を続けてきました。その一つが、1993年にはじまった鳥海山麓での採石事業に対する規制です。遊佐町が採石事業の計画中止を山形県に求め、同時に国に対して環境保全に関する法改正を働きかけた際には、生活クラブの組合員も署名活動に参加しました。
こうした働きかけを経て、2013年には山形県が「山形県水資源保全条例」を制定。遊佐町でも「遊佐町の健全な水循環を保全するための条例」を制定し、翌年に施行されました。これらの条例は、地下水脈を守るために地下2メートル以上の掘削を禁止するものです。条例の施行後に採石事業者が申請した事業計画は、規制の対象となり認可されませんでした。
採石事業者はこの条例が違法であると申し立て、規制の取り消しと損失の補償を求め遊佐町を提訴。2017年から5年にわたり裁判が行なわれ、2022年1月末に条例の正当性を認める判決が確定しました。この判決により、今後の大規模な採石事業には規制がかけられることになります。
水源という地域の資源を守ろうとしていた自治体の自立性が司法に認められるという、地方自治にとって大きな一歩となりました。
こうした働きかけを経て、2013年には山形県が「山形県水資源保全条例」を制定。遊佐町でも「遊佐町の健全な水循環を保全するための条例」を制定し、翌年に施行されました。これらの条例は、地下水脈を守るために地下2メートル以上の掘削を禁止するものです。条例の施行後に採石事業者が申請した事業計画は、規制の対象となり認可されませんでした。
採石事業者はこの条例が違法であると申し立て、規制の取り消しと損失の補償を求め遊佐町を提訴。2017年から5年にわたり裁判が行なわれ、2022年1月末に条例の正当性を認める判決が確定しました。この判決により、今後の大規模な採石事業には規制がかけられることになります。
水源という地域の資源を守ろうとしていた自治体の自立性が司法に認められるという、地方自治にとって大きな一歩となりました。
地域まるごとのつながりを大切にしていきます
生活クラブと遊佐町の活動はこれだけに留まらず、組合員と生産者、遊佐町の住民で話し合いを重ね、環境と食の安全の両方を守る取組みを実現しています。たとえば、合成洗剤から石けんへの切り替えの呼びかけもその一つ。遊佐町で栽培されている生活クラブオリジナルのお米「庄内遊YOU米」は、使用する農薬や化学肥料をできる限り減らしています。
遊佐町の豊かな環境を守り続けてこられたのは、50年ものつながりの中でともに考え、行動してきたからこそ。生活クラブでは、地域まるごとの協力関係をこれからも大切にし、おいしいお米や農産物をつくる産地を支えていきます。
遊佐町の豊かな環境を守り続けてこられたのは、50年ものつながりの中でともに考え、行動してきたからこそ。生活クラブでは、地域まるごとの協力関係をこれからも大切にし、おいしいお米や農産物をつくる産地を支えていきます。
【2022年2月25日掲載】