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「生活クラブ2030行動宣言」みんなで目指すゴールとターゲット


気候危機、食料の安全保障、格差の増大など世界共通の課題が山積する。解決に向けて今すぐ行動しなければ間に合わない「待ったなし」の課題ばかりだ。「持続可能な開発目標」(SDGs)を掛け声だけで終わらせず、いつまでにどんな行動をし、何を実現するのか。生活クラブ連合会は2018年から検討を進め、今年、「生活クラブ2030行動宣言」をまとめた。同連合会の第33回通常総会(6月開催)で討議、決定する予定だ。

2030年へ。あと8年

2015年に開催された国連の「持続可能な開発サミット」で、「我々の世界を変革する持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」が採択された。気候危機や貧困など多くの課題解決のために、翌16年から30年までの15年間で達成しようと掲げた全世界共通の目標だ。各国政府や公的機関をはじめ、企業も個人も市民団体も、それぞれが自発的に行動しなければ未来の子どもたちに持続可能な社会を手渡せない。個人の力を束ねて問題解決を進める協同組合には、これらの行動をけん引する役割が期待されている。

「国内のさまざまな企業や団体がSDGsを掲げて社会課題に目を向けている状況をチャンスと捉えています」。そう話すのは、生活クラブ連合会情報企画部長の山本江理さん。「生活クラブ2030行動宣言」を取りまとめるワーキングチームで情報発信を担ってきた。

SDGsの達成に向けて、生活クラブは18年から検討を開始、20年には第一次行動宣言を発表したが、その後も議論を重ね、今回「生活クラブ2030行動宣言」をまとめた。山本さんは、その経過を次のように説明する。
「SDGsが掲げられる以前から、生活クラブは社会のもう一つのあり方を考え、実践してきました。食やエネルギー、福祉や労働の地域内循環など、これまでの実践をさらに豊かに進めていくための目標を第一次行動宣言で示し、これまでできなかった新たな挑戦を、さまざまな個人や団体と連携して進めていく目標として示したのが第二次行動宣言です。これらをまとめた具体的な目標を今回、行動宣言としました」。生産や流通に限定せず幅広い分野で目標を立てている点に特徴があると言う。

「協同組合の目的が組合員の暮らしを豊かにすることにあるからです。暮らしってすべてに関わることですから」と山本さん。SDGs達成に向けた生活クラブならではのゴールとターゲットだ。

未来を引き寄せて

「こういうものが欲しい」と誰かが発信し、仲間と思いを共有して生産者と話し合い、約束して共同購入することでその生産を支える。これまで生活クラブは、そうした活動を通し、食の安全や環境保全など数々の課題解決を進めてきた。だが、今残された課題はそれだけでは解決できない世界的な難題だ。気候危機などによる新たな課題もある。一つ一つ課題を乗り越え未来に向かう従来のアプローチに加え、未来から現在を照らし出す発想も必要だ。それが「アウトサイド・イン・アプローチ」。まず長期的視点に立って世界が目指す未来を描き、外部環境の変化を予測しながらデータに基づいて、いつまでに何を達成するのかの実施計画や目標を立てる。

「アウトサイドは社会からの視点を意味します。ジェンダー平等や気候危機への対策、誰かから奪うことのない公正な調達といった社会が求める課題に対して生活クラブは何ができるか。検討を重ね、そこに光を当てました。生活クラブは、市民がつながり暮らしの課題を解決する道具と言われます。半世紀かけてアプローチしてきた蓄積、関係性があるからこそ、道具を使って前に進んでいけるのです」(山本さん)

数値目標の意義

2030行動宣言は、11の重要目標のもとに、44の取り組み方針があり、その方針ごとに複数の目標が設定されている。数値目標を立て毎年点検していくものから、活動の進行に応じて数値目標を定めるとしたものまでさまざまだ。今回、44の方針のもとに86の具体的な目標が立てられた。「この目標の意義は大きい」と山本さんは力を込める。「これから8年の間にすべきことが明確になり、連合会全体の方針や中期計画に明記されたことで、今後、組合員、生産者、ワーカーズなど生活クラブに関わる人々の共通の目標となり、さまざまな知見やアイデアを寄せ合っていけます」

目標達成に向けた活動の動きも早まった。
豚肉の提携生産者、平田牧場(山形県酒田市)では、北海道で飼育し、共同購入する豚肉の肥育前期に与える飼料用米の割合を15%から35%に、肥育後期は30%から45%に高めた。他の畜産物では、北海道産の子実コーンも飼料として使用する協議を始め、国産飼料の拡大を図る。国産の加工用トマトやミカンの生産量が減少する中で、青果の提携生産者と共に、同じ畑で夏場は加工用トマト、冬場はジュース加工用のニンジンを栽培するサイクルづくりにもチャレンジする。

プラスチック削減については、包材をコンパクトにしたり、再生プラスチックや植物由来のプラスチックに切り替えるなど、21年度に削減した品目数はすでに98品目にのぼる。グループ会社である生活クラブ・スピリッツと共にプラスチック包材の検討チームを立ち上げ、フィルムメーカーや商社への聞き取りも進んでいる。

気候の変化への「適応」も重要だ。パリ協定で、産業革命以前に比べ1・5度の上昇に抑えるとした世界の平均気温は、すでに1度上がった。この影響で、コメの提携生産地では収量の減少や質の低下といった現象がみられる地域が出てきた。気温上昇に適応するコメの育種開発、改良について、組合員も参加し、生産者と共に山形県の農業総合研究センターにヒアリングすることを検討している。

エネルギーに関しては最も意欲的な目標を掲げた。現在、「生活クラブでんき」は、供給実績のうち約87%を再生可能エネルギーの発電所から調達している。30年までにこれを100%にするとして、地域にある資源の調査や新たな発電所の建設計画を進めている。

地域でつながる

数値目標を毎年点検し、どこまでできているか、できなかったことも含めて誠実に公開することが重要と山本さんは言う。できていないことについて「一緒にやりませんか」と地域の生産者や他団体に声をかけ、連携の幅を広げていく必要があるからだ。

「2030行動宣言は重要目標ごとに独立したものではなく、すべての根っこがつながっています。個別に解決していくよりも、地域内のさまざまな資源をつなげれば、あれもこれも解決できるという頭の柔らかさが大切。そこをうまく伝える情報発信を考えています」

一方、まだ課題は残っていても、一歩でも目標に近づいたものはオープンにしていきたいとも話す。たとえ小さな進展でも、生活クラブの共同購入がどんな社会問題の解決につながるかを実感し、組合員が参加、発信していくことが、未来の目標達成を引き寄せる。
★『生活と自治』2022年7月号 「生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。
 
【2022年7月30日掲載】
 

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