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生協の食材宅配【生活クラブ】
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未来を見据えた、サステイナブルなお米とは 組合員と生産者で、これからのお米づくりを考える

山形県農業総合研究センター水田農業研究所で品種開発を学ぶ


真剣なまなざしで研修を受ける参加者
 
生活クラブでは、安心安全なお米を食べたいという組合員の思いと、生産者のお米をつくり続けたいという思いが重なり、組合員と生産者が一緒に「共同開発米」をつくり続けてきました。両者がじっくりと話しあい、独自の栽培基準を設けるなどして、安心安全でおいしいサステイナブルな米づくりを実現しています。
山形県庄内エリアの遊佐町(ゆざまち)では、JA庄内みどり遊佐支店の共同開発米部会が共同開発米「庄内遊YOU米」をつくっています。町を臨む鳥海山からのきれいな湧き水で育ち、そのおいしさには定評があります。その一方、産地では近年、気候危機や生産者の高齢化という課題が顕在化しており、また、食べる側にも米の消費量の減少がすすみ、持続的な生産と消費が課題となっています。
そういった状況を踏まえ、生活クラブでは組合員と生産者が一緒に「共同開発米の再開発活動」を推進することとしました。生活クラブでは年2回、米生産者と組合員が顔を合わせて双方の課題を解決することを目的とした「ビジョンフード産地推進会議」を開催しています。その議題の1つとして再開発活動を進めることとし、2022年6月2日、当会議メンバー皆で山形県農業総合研究センター水田農業研究所(以下、水田農業研究所)を視察しました。
水田農業研究所 本間所長の案内で試験圃場を見学
組合員5人、生産者6人が参加

庄内遊YOU米の生産と消費が危うい 共同開発米の再開発を考える

「庄内遊YOU米」は、化学合成農薬の使用成分回数や化学合成肥料の使用量を、山形県が定める基準の半分以下に減らすなどした独自の栽培基準でつくっているお米です。約40年間の提携のなかで食べる側の組合員とつくる側の生産者が話しあって基準を定め、つくり続けてきました。しかし、近年の気候危機による栽培環境への影響や、生産者の高齢化による担い手不足により、これまでの独自の基準でつくり続けることが難しくなっている実情があります。また、消費者である生活クラブ側も米の消費量減少という課題を抱えています。

生活クラブではこれらの課題を解決するため、「共同開発米の再開発活動」をスタート。お米の品種や栽培基準を見直し、変わりゆく気候に適応した米づくりをめざしています。6月2日の研修では、組合員5人と生産者6人が、山形県で水稲の品種開発を行っている山形県の「水田農業研究所」を訪問。同研究所の本間猛俊所長をはじめとした職員の方々に、品種開発のプロセスなどについてお話を聞いたほか、実際に品種開発が行われている試験圃場を見学し、お米への理解を深めました。
※農薬の散布回数ではなく、有効成分ごとにカウントした数え方
 

米づくりは次の世代へ、たすきリレーで受け継がれてきた生活クラブのお米


つや姫を例に、品種開発の流れを学習

同研究所は、1920年に創立された試験研究機関で、4,500種類以上の稲が56,280㎡の試験圃場で栽培されています。これまでに「はえぬき」や「つや姫」といったさまざまな品種を開発してきたほか、それぞれの品種に適した栽培技術の研究などを続けてきました。

今回の研修を実施するにあたり、本間所長は「お米の品種開発には、10年以上の年月が必要となります。これは駅伝のたすきリレーのようなもので、次の世代にいかにつなげられるかということが大切になってきます。この試験場も1920年に創立されてから、先輩職員たちの多くの思いを受け継ぎながら品種開発を続けてきました。今回は生活クラブの食べる側とつくる側が、お米をつくるという共通認識を持って勉強する機会を設けたということで、お米を研究している我々としてもとてもありがたいことだと思います。今後も、継続的に協力していくことができればと考えています」と挨拶されました。

研修に参加した組合員と生産者は、品種開発や栽培基準に関する疑問、化学合成農薬を減らすほかに安心安全なお米をつくる技術は今後も確立できるのかといったさまざまな質問を投げかけました。組合員と生産者は、共同開発米の再開発に向けてさらなる知識を高め、自分たちになにができるのかということを再確認。参加者からは次のような声があがりました。

 
生活クラブ連合会 連合消費委員会副委員長 並木道代さん
「今日は実際に現地で圃場を見ることができてとてもうれしく感じています。今回の研修では、これから先も私たちが食べ続けられ、そして生産者がつくり続けられるお米の大切さを多くの方に伝えていきたいと強く感じました。」
 

 
遊佐町共同開発米部会 会長 今野修さん
「今回は私たち生産者も学ぶ側として原点に返り、これからのお米のあり方についてあらためて考える機会となりました。また、本間所長のお話にありました“たすきリレー”という言葉はとても印象に残りました。私たち生産者も同じで、代々築いてきた遊佐の水田と栽培技術を、この先の世代へとつないでいかなければならないと感じました。食べる側とつくる側がともに勉強できる機会を、今後も継続していければと願っています。」

おおぜいで食べ続けることを礎に 新たな課題にともに取組む

研修後には、遊佐町共同開発米部会のメンバーの圃場を見学。同じ町内の中でも、標高差のある平野部と中山間部にある圃場をそれぞれ見学し、栽培環境や技術の違いを学びました。
一日を通して、生活クラブ連合会 連合消費委員会委員長の加瀬和美さんは次のように話しました。


生活クラブ連合会 連合消費委員会副委員長の加瀬和美さん
 
「2月にオンラインで、水田農業研究所の斎藤さんを講師に、水稲の品種開発には10年以上の年月が必要であること、品種の選別にはさまざまな指標があることを学びました。今回は、直接お会いすることでより詳しい情報を得ることができ、差し迫っている気候危機への対応が喫緊の課題となっていることを再確認できました。
また、共同開発米部会の生産者の田んぼの一角には次の品種候補が植えられ、共同開発米と同じ基準で栽培する実験が研究所と共同で行われていました。収穫後は、会議のメンバーで試食評価にも参加する予定です。今回の視察では、品種開発と並行して栽培基準についても、生産者と議論していく必要を強く感じました。
 生産者は私たちの安心安全な米を食べ続けたいという思いに応えること、そして自らが理想とする米作りを目指し、日夜研鑽を重ね、つくり続けるために努力をしています。私たち組合員はその努力を知ってエールを送り、契約量を食べ切っていくことが大切です。各地の生活クラブの組合員と実情を共有し、お米を食べようという呼びかけをより一層強くしていきたいと思います」。
共同開発米の再開発はまだスタート地点。生活クラブでは、これからも組合員と生産者で定期的に話し合いを続け、お米の持続可能な生産と消費に向けて互いができることを模索し、推進していきます。
 

遊佐町共同開発米部会の皆さん
【2022年7月29日掲載】

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