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再エネ100%の社会を目指して。 使う人を増やすことで、つくる量を増やす

今夏は電力の需給がひっ迫、ウクライナ危機もあって電気代は高騰を続けている。参議院選挙後に岸田文雄首相は、「原発を最大9基稼働させる」と表明した。気候危機の克服と原発のない社会をめざす、生活クラブ連合会と各地域の生活クラブ(以下、生活クラブ)は、7月に生活クラブエネルギー事業連合を立ち上げ、2030年に向けて再生可能エネルギーの普及を推し進めることを決めた。

再エネの電気が選べる

生活クラブエネルギー事業連合の副理事長で、
生活クラブ神奈川専務理事の半澤彰浩さん

 
今年は6月に関東地方で梅雨が明けるなど、全国各地は早くから猛暑に襲われた。エアコンの使用で電気の需要が高まる一方、火力発電所の停止や故障で電力不足が予想され、政府は7年ぶりに節電を要請する事態になっている。

気候危機への対応も待ったなしの状況だ。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、世界の平均気温の上昇を1.5度以内に抑えるには、温室効果ガスを2030年までに10年比で45%減らさなければならないとした。温室効果ガスの代表は、石油など化石燃料を燃やすと発生する二酸化炭素。発電にあたっては放射性物質を扱う原子力はもちろん、化石燃料を使う火力にも課題がある。
そのような中、一般社団法人「生活クラブエネルギー事業連合」(事業連合)が設立された。副理事長に選出された半澤彰浩さんは、「火力、原子力に依存しないためには、何よりも再生可能エネルギー(再エネ)の発電所を増やすことが重要です。それは再エネの電気を選択して使う人が増えることでこそ可能です」と、再エネの重要性を訴える。

生活クラブは14年に小売電気事業者の㈱生活クラブエナジーを設立。原発由来ではなく再エネ中心の電気を独自に仕入れ、生活クラブの配送センターへ「生活クラブでんき」と命名された電気の供給を始めた。16年からは組合員宅にも供給を開始。一般家庭でも再エネ中心の電気が選べるようになったのだ。

22年3月末には生活クラブ自前のものを含め、61の再エネ発電所から電気を調達し、再エネ自給率は約88%になっている。30年までにこれを100%とするために、設立されたのが事業連合だ。各種の再エネ発電所の開発を積極的に支援する方針を打ち出している。

空いている屋根の活用

2013年に発電を開始した生活クラブソーラー多摩統合センター発電所(東京都)。今後は、事業連合が行う自家消費型PPA事業を活用すれば、屋根の所有者は自己資金なしで太陽光発電が新たに設置できる

事業連合は再エネを推進するために、自家消費型PPA(電力販売契約)事業と呼ばれる取り組みを新たに開始する。生活クラブの配送センターや生産者の所有する建物の屋根に、事業連合が太陽光発電設備を無料で設置。事業連合と契約した屋根の所有者は、太陽光で発電された電気を自家消費することで遠方からの電気を調達せずに済むとともに、温室効果ガスの排出を削減できる。事業連合も再エネの拡大と収入が見込める。まずは生活クラブ埼玉の本部や神奈川の3センターへの設置が予定されている。

各地域の生活クラブが計画する自前の発電所の開発も事業連合が支援する。これまで培ってきた専門性を生かして小水力やバイオマス発電などの開発調査や支援を行う予定だ。また農産物の生産者と連携したソーラーシェアリングも進める。太陽光パネルを屋根のように田畑に設置して、その下で米や野菜を栽培する営農型の発電である。将来的には契約者を対象に、太陽光パネルや蓄電池の共同購入も視野に入れている。

こうした事業連合の活動は15年に決めた「生活クラブのエネルギー7原則」に基づいて実施していく。その第一は省エネ、「へらす」活動だ。今夏のように電気の需要が多く電力不足の恐れがある時に、生活クラブでんきの契約者へメールなどで節電を呼びかける。それに協力した人に何らかの謝礼を行う「デマンドレスポンス」という手法について、実施に向けた研究を進めている。

地域への貢献や自然環境への留意も重要な原則だ。山形県遊佐町の太陽光発電や秋田県にかほ市の風力発電では、収益の一部を自治体がつくった基金に寄付するなどまちづくりに役立てている。また設置前の独自の環境影響評価の実施や、使用した太陽光パネルのリサイクルの徹底など、原則に基づいた運営を行っている。

エネルギーの自治

昨年から小売電気事業者、いわゆる新電力の撤退や破綻が増えている。電力自由化が問題であったような報道も一部にあるが、半澤さんは次のように指摘する。

「撤退した会社の多くは自前の電源を持たずに、卸売市場を中心に電気を仕入れていました。市場価格が高騰して採算が取れなくなったのが原因で、電力自由化そのものの問題ではありません。ただし電力システム改革は旧電力会社に有利なしくみが多く、公平性・透明性に課題があると考えています」

生活クラブでんきを販売する生活クラブエナジーでは、バイオマス発電所など相対で契約する独自電源が複数あり、市場価格に左右されにくいと言う。電気料金は国の規制料金で3段階制とし、電気の使用量が少ないほど単価が低い、省エネ優遇型の料金設定を採用している。21年度は事業剰余が出る黒字だったため、契約者に1年間の電気料金の0.1%分を還元する割り戻しを7月に実施した。

一方、新電力が必要な地域もある。再エネ発電所の立地地域には新電力がないところが多く、住む人が再エネの電気を使用できないのが現状だ。半澤さんは「再エネ発電所のある地域で新電力を設立する可能性の調査を事業連合で行いたいと思います。そして、再エネを中心にしたローカルSDGsを推進し、持続可能な地域社会づくりに貢献していきたい」と抱負を語る。

再エネは太陽光や風力といった、これまで活用されていなかった地域資源からエネルギーと資金を生み出すことができる。それを食の地産地消や地域の福祉、資源循環に活用すれば、持続可能な町づくりの原動力になる可能性がある。

多様な構想が広がる事業連合の再エネ普及策だが、最大の課題は再エネ由来の電気を使う人が少ないことだ。生活クラブでんきの契約者は約1万7000人、組合員全体の約4%にとどまっている。

「先に決めた『生活クラブ2030行動宣言』の生活クラブでんき契約者5万9666人を確実に達成したい」と半澤さん。

事業連合の設立により再エネを使う人が増え再エネ発電所が増えることで、消費地と産地の自治が進むことが期待される。
ローカルSDGs:環境省が提起した、複雑化する環境・経済・社会の課題を地域資源の活用により統合的な解決を目指す構想。

文/本紙・橋本 学

生活クラブのエネルギー7原則(抄)

1.省エネルギーを柱とします。
2.原発のない社会、CO2を減らせる社会をつくります。
3.地域への貢献と自然環境に留意した発電事業をすすめます。
4.電気の価格や送配電のしくみを明らかにします。
5.生活クラブの提携産地との連携を深め、エネルギー自給率を高めます。
6.エシカルコンシューマーとして、再生可能エネルギーによる電気を積極的に共同購入します。
7.生産から廃棄までトータルで責任を持ちます。

*エシカルコンシューマー「環境や社会に配慮した商品・サービスを選択し、購入・利用するなどの消費行動をつうじて、社会的な課題の解決に寄与していこうという意識を持った消費者」のこと。
★『生活と自治』2022年9月号 「生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。
 
【2022年9月30日掲載】
 

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