せっけんがいいって聞くけど、どんなよさがあるの?
普段の暮らしで使う洗剤には、「せっけん」と「合成洗剤」の2種類があり原料や製法、使われてきた歴史が違います。
生活クラブは「せっけん」だけを扱っていますが、どんなよさがあるのか、一緒に考えてみましょう。
環境への負荷が大きい合成洗剤にNO!
1970年代、日本では合成洗剤による河川の汚染などの環境への影響や皮膚をはじめとする人体への影響がクローズアップされ、せっけんの使用を推し進める「せっけん運動」が全国に広がっていきました。生活クラブでは日本生協連の合成洗剤を扱っていましたが、「私たちは環境汚染の被害者でもあると同時に、加害者でもある」ことに気付き、「自分自身のライフスタイルを少しずつ変えていきましょう」と運動を展開。1977年から合成洗剤の取組みを中止し、せっけん類のみの取組みがスタートしました。岩手県の重茂漁協をはじめとした多くの提携生産者もこの取組みに賛同し、ともに活動してきました。
生活クラブのわかめ類の提携先・重茂(おもえ)漁協(岩手県)で合成洗剤追放運動が始まったのは1975年のこと。重茂地区の豊かな海と天然資源を守るため、今も変わらず「合成洗剤を使わない」という意思を表明し続けています。
せっけんは分解されやすいから環境への負荷が小さい
天然の油脂とアルカリを原料とするせっけんの起源は約一万年前と言われています。せっけんは使用後に環境中に排出されると短時間で洗浄力(界面活性作用)を失い、水と二酸化炭素に分解されます。自然に還る素材でできているので手肌にやさしいのはもちろん、川や海などの自然環境を守ることにもつながるのです。このような考えから生活クラブでは、手洗いだけではなく、洗濯や洗髪、食器洗いなど、暮らしの “洗う” を支えるせっけん類を幅広く扱っています。
毎日の食器洗いも手肌にやさしいせっけんで。
リサイクル原料を使用してよりサステイナブルに
近年、せっけんの主原料であるパーム油生産地の一部で、森林破壊や人権問題等の課題が指摘されています。こうした背景を踏まえ、生活クラブは長年提携するヱスケー石鹸とともに、2022年に洗濯に係わる3品目の原料を見直しました。飲食店、食品工場などから出る廃食用油を回収・精製処理したリサイクル脂肪酸を、原料の一部に使用しています。さらに洗濯用せっけん2品目の包材の一部には、リサイクルPETを使用し、限りある資源を有効活用しています。
地球の生態系を維持するため、海や陸の環境保全に取り組みます
生産・流通・消費・廃棄の各段階での環境に配慮し、せっけんの利用、プラスチック使用の削減をすすめていきます。同時に、CO₂(二酸化炭素)などの温室効果ガスの排出量も削減し、環境への負荷を減らしています。
生産・流通・消費・廃棄の各段階での環境に配慮し、せっけんの利用、プラスチック使用の削減をすすめていきます。同時に、CO₂(二酸化炭素)などの温室効果ガスの排出量も削減し、環境への負荷を減らしています。
★生活クラブ食べるカタログ 2023年5月1回(18週)より転載しました。
【2023年4月17日掲載】