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北海道に「生活クラブでんき」の新しいバイオガス発電所がオープン

生活クラブでは電源構成比の約90%(※)を再生可能エネルギーの発電所から供給する「生活クラブでんき」を共同購入しています。生活クラブでんきは、再生可能エネルギーの電気を供給するだけでなく、発電所もつくっており、その地域に貢献し、自然環境を大切にした発電事業をすすめてきました。

2023年5月、北海道の釧路市阿寒町に新しく生活クラブでんきへ供給するバイオガス発電所がオープンしました。同月12日の竣工式の様子をレポートします。
※2023年3月実績
 

地域資源からつくる再生可能エネルギー

生活クラブでんきへ供給する電源として、バイオガス発電は初の試みです。バイオガス発電とは、生物の排泄物、有機質肥料、エネルギー作物などの発酵でガスを発生させ、その燃焼で発電するものです。化石燃料を燃やして発電するのと異なり、CO2を吸収して成長する植物や、それを飼料として成長する家畜のふん尿などを主原料にしているため、新たに大気中に放出されるCO2は抑えられています。

今回、阿寒町にできたバイオガス発電所は、酪農から出る牛の糞尿を活用して発電します。発電所は敷地面積約62,000㎡、飼育頭数1,200頭という大規模酪農施設(株)天翔阿寒の敷地内に建設されました。ここで発電された電気は、酪農施設で自家消費し、一部を生活クラブでんきが購入。生活クラブでんきを契約する組合員や事業所に供給されます。

また、生活クラブからは、北海道、東京、神奈川、埼玉、千葉、山梨と連合会、計7組織が運営会社の(株)阿寒マイクログリッドへ出資。電気の供給を受けるだけでなく、出資者としてもこの事業にかかわることになりました。

2023年5月12日、運用開始にあたり竣工式が行なわれ、先の7つの生活クラブから15名が参加し、建設地の酪農場天翔阿寒をはじめ、地元の農業協同組合、施工業者などが出席しました。

生活クラブ連合会 会長の村上彰一氏は「生活クラブが大切にしていることに『第一次産業の強化』があります。これまで消費者という立場にとどまらず、一次産業の振興に参画してきました。そういう意味で今回の事業は、生活クラブの考えと一致する事業です。今後、地元の農業協同組合はじめ地域との交流を深めて、互いの発展に貢献したい」と話しました。また、生活クラブ北海道専務の高階洋介氏の乾杯の音頭により牛乳で祝杯をあげました。
バイオガス発電設備は酪農場内に建設された
 
酪農施設の見学
 
発電機
竣工式の後は発電所施設を見学しました。まずは酪農場から見学し、発電の原料である牛の糞尿は、牛舎からバイオガスプラントまで自動で運ばれるしくみになっているなど、大規模酪農場には大きな電力が必要なことを確認しました。そのほか、発電の際に発する熱を発酵槽の温度維持や乳牛の飲み水の加温に利用すること、発酵後の残渣(ざんさ)は、液体は良質な肥料として農業へ、固形分は再生敷料として利用することなどを視察し、地域産業からの廃棄物をエネルギーや各種資材として、無駄なく循環するしくみになっていることを学びました。

地域の非常時の電力を確保

当発電所は、「地域マイクログリッド」という重要な役割も担っています。地域マイクログリッドとは大規模発電所の電力供給に頼らず、地域のなかで再生可能エネルギーの地産地消ができる小規模なエネルギーネットワークのこと。再生可能エネルギーの導入を促進させるなどのメリットがあります。さらに、災害により停電が発生した場合には、マイクログリッド内だけの送電網に切り替え、安定的な電力の供給が可能です。当発電所はその周囲約4kmの範囲の酪農家14軒、民家25軒、市の指定避難所1軒に送電網を形成し、平常時には既存の配電網で電気を供給、非常時にはマイクログリッドで送電するしくみになっています。

特にこの地域でマイクログリッドが大きな意味を持つのは、2018年の胆振東部地震でブラックアウト(全域停電)という非常事態に見舞われた経験があってのこと。酪農が盛んなこの地域では、生乳を冷蔵保管できなくなり廃棄せざるをえなかったり、搾乳ができないために牛に乳房炎が発生したり、経済活動にも大きな打撃を受けました。また、高齢化などで酪農家の集約がすすみ大規模化する傾向がある中、電源の確保は非常に重要な課題になりました。マイクログリッドによりそれら課題への対策が前進しました。

また、この事業は、"地域にあるものに着目して、それを資源にエネルギーを生み出す。そしてそれが地域の産業を継続させ、そこに生きる人たちの暮らしをつくりだす"という「エネルギーの自治」を体現したものです。新たにエネルギー自治に取り組む地域が誕生し、生活クラブでんきもその一翼を担う事業となりました。

再生可能エネルギー100%の実現に向けて

竣工式に出席した生活クラブ北海道の理事、伊藤弘子さんはこのたびの発電開始に際し次のように話します。

「阿寒町はとても自然豊かなところです。第1次産業の酪農からエネルギーを生み出すシステムを目の当たりにし、とても感激しました。ここで生まれた電気を使うこと、このしくみにかかわれることがとても嬉しく、誇りに思います。生活クラブは組合員自身が必要だと思う食を、生産者と協力しながらつくり、共同購入してきました。電気も同じように安心でクリーンなものを自分たちでつくり、選びたい。そんな思いを抱えるおおぜいの組合員と喜びをわかちあいたいですね」。

特に生活クラブ北海道は、泊原発の建設・稼働反対運動から、自分たちで納得できる電気をつくろうとNPO法人北海道グリーンファンドを設立。2001年、日本初となる市民風車を建設しました。「当時、大手電力の独占状態だったところに介入したわけです。まさか!と思う夢を実現しました。このバイオガス発電の開設を受け、今も当時から地続きで夢はどんどん大きく叶っていると感じています」。
喜びや誇りを感じる一方、国が原発へ回帰する方向に動こうとしていることも考えざるを得なかったといいます。「原発を後世に残さないということはとても重要です。このバイオガス発電を目の当たりにすると、決してただの夢物語にはならないはずだとの思いと、してはならないという思いがわき上がります。そのためにも生活クラブでんきを使おうよ、とたくさんの人に伝え、再生可能エネルギーを選択する人を増やしていきたいと思っています」とお話しいただきました。

伊藤弘子さん
再生可能エネルギー100%の実現に向け、生活クラブでんきでは、これからも発電所がつくられる地域に貢献できる、そして自然環境を大切にする発電事業をすすめます。あなたも生活クラブでんきに切り替えませんか。

<釧路市阿寒町における地域マイクログリッド構築事業 発電所概要>
発電の方式:牛1,200頭分の糞尿63.2t/日を発酵させて得たメタンガスを使い発電機を回す。
・メタンガス日量:約1,300N㎥
・ガス発電機合計出力:3基 計216kW
・他に160kW規模の太陽光発電設備(自家消費専用)も併設。
発電機出力
ガス発電機A(出力166.0kW)1基:自家消費+ガス産出プラント内消費+余剰売電用)
ガス発電機B(出力25kW)2基  :低圧FITで生活クラブエナジーに売電
太陽光発電(出力160kW):自家消費+余剰売電用
マイクログリッド利用施設
釧路市指定避難所1か所、周辺地区の大小酪農施設14軒、民家25世帯
※「生活クラブでんき」お申込みウェブサイト
 
【2023年6月14日掲載】

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