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映画「原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち」上映会とパネルディスカッションに組合員100名が参加

一人ひとりが考える、日本のエネルギー自給と食料自給の未来

ソーラーシェアリングについて語る二本松営農ソーラー代表 近藤恵さん(中央)

生活クラブでは、原発にたよらない、人と自然が共生する社会をめざして、組合員が中心となり、風力や太陽光などの再生可能エネルギー(以下、再エネ)発電所の建設や、再エネを電源にした「生活クラブでんき」の共同購入を実現するなど脱原発への歩みをすすめています。 
その活動の一つとして、組合員が主催で学習会なども開催。2023年7月8日には、神奈川県横浜市のオルタナティブ生活館で映画「原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち(監督・小原浩靖)」の上映会と、パネルディスカッション「原発と化石燃料のない世界の実現に向けて」を行ない、組合員100名が参加しました。

約40年前から今に続く、生活クラブのエネルギー政策

■未来の子どもたちに安心・安全な社会を手渡したい

生活クラブが推進するエネルギー政策(生活クラブ総合エネルギー政策)の契機となったのは、1986年に起きた「チョルノービリ原子力発電所」の事故です。それから約40年にわたり、「原発のない安心・安全な未来を次世代へ手渡していきたい」という思いのもと活動し、現在は、電気を「減らす」(省エネをすすめる、エネルギーの使用を減らす)、「つくる」(自然エネルギーをつくる)、「使う」(自然エネルギーを選択して使う)を柱としています。
しかし、日本政府からは、脱炭素社会の実現や電力の安定供給を理由に原発の新設案が出るなど、今また原発推進に拍車がかかっています。原発は脱炭素には役立たず、電力は現状の発電所で足りています。この状況に対し、生活クラブは2023年4月に「GX脱炭素電源法案」の撤回を求める意見書を提出。さらに今年9月から、エネルギー政策の転換を求める署名を展開し、脱原発、脱炭素、再エネを中心とした政策を切望する組合員の声を大きな力にしていきます

■「原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち」の上映

2022年に公開された映画「原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち」。この作品の主要な登場人物は二人。

一人は2014年に関西電力大飯原発の運転停止命令を下した、福井地方裁判所元裁判長・樋口英明さんです。樋口元裁判長は、判決文に次のように記しました。
「原発事故のもたらす被害は極めて甚大である。それゆえに原発は高度の安全性が求められる。(中略)しかし、我が国の原発の耐震性は極めて低い。よって、原発の運転は許されない。」
「中高校生でも理解できる」(小原監督談)平明な論旨で述べた判決文は、その後「樋口理論」と呼ばれ、数々の原発差止訴訟の基本軸になりました。

もう一人は二本松営農ソーラー株式会社の代表・近藤恵(けい)さん。近藤さんは、福島県二本松市で専業農家として有機農業に従事していました。しかし、2011年3月に東京電力福島第一原発の重大事故で農地を失い、廃業。試行錯誤を経て、2021年にソーラーシェアリングで営農法人として兼業農業に復帰しました。
二本松の豊かな自然の中で、いきいきとソーラーシェアリングに取り組む近藤さんと仲間たち。荒廃した農地が、再エネによって活力を取り戻していく姿は、日本のエネルギー自給と食料自給の未来を示しています。

原発でも化石燃料でもない、すすめるべきは再エネへのシフト

左から半澤彰浩(生活クラブエネルギー事業連合理事長)、金子教授、大島教授、近藤さん、小原監督

■パネルディスカッション「原発と化石燃料のない世界の実現に向けて」

映画の上映後に行なわれたパネルディスカッションには、小原監督や近藤恵さんのほか、原発回帰の現状はじめ、日本の社会のあり方に疑問を呈している、慶應義塾大学名誉教授・金子勝さんと龍谷大学政策学部教授・大島堅一さんがパネリストとして登壇しました。

小原監督は、“最近、うれしかったこと”として大学生主催の上映会を紹介。上映会後、学生から「原発が危ないという理由がわかった」「農業とソーラーシェアリングに希望を持てた」という感想が寄せられ、大きな手ごたえを感じたそうです。

大島教授は、私たち消費者が求めるのは、エネルギーそのものではなく明るさや便利さといった「エネルギーのサービス」であると指摘。食べものと同じように、安全性が高く、地球や環境にやさしいエネルギー源でつくられた電力を選ぶという意識に少しずつ変えていってはどうかと語りました。

金子教授は経済学の視点から、再エネへのシフトが急務であると強調。停滞を続ける日本経済に風穴を開けるのは、再エネや蓄電池、EV(電気自動車)など新たな産業への参入です。そのためには、日本政府はエネルギーと食料を自給する地方分散型の経済にシフトし、産業と人材の育成にじっくり取り組むべきと指摘しました。

近藤さんは“映画のその後”と題して、ドイツや中国、台湾におけるソーラーシェアリングの大規模な取組みを紹介。一方、日本ではソーラーシェアリングに対する誤解も根強く、「農地をつぶすのでは?」と問われることが多いそうです。近藤さんは、人と作物が太陽光を分かちあうソーラーシェアリングからは作物と電力の両方から収益が得られると笑顔で語りました。

一人ひとりの選択からはじめるサステイナブルなアクション

この上映会とパネルディスカッションから得た気づきを、それぞれの暮らしや活動にどう活かしていきたいか。今回の企画メンバーの中から、二人の組合員に話を聞きました。
「どんな未来を手渡したいか?」を考え、より安心な電気を選ぶ
「2016年の法改正により電力の小売りが自由化されるまで、私たちは“電力を選ぶ”という機会がありませんでした。けれど、選べる今だからこそ、自分たちが使う電力が、誰が、どのようにつくっているのかということに目を向けてもよいのではないでしょうか。
生活クラブでんきは風力や太陽光などの再エネを軸に、組合員と提携生産者が対話と交流を重ねてつくる、いわば「生産者の顔が見える電力」です。
もちろん、すぐに電力を切り替えるのは難しいという方もいらっしゃいますよね。その場合は、“こんな電気があるんだ”と気に留めていてくれるだけでも十分です。どんな小さなアクションでも、それぞれが一歩踏み出せば思い描く未来につながると思います」

生活クラブ神奈川
副理事 佐野めぐみさん
納得して選べるように、電力の知識や情報をシェアしていきたい
「電力は今や私たちの生活に欠かせないものです。だからこそ、より安心な方法でつくられたものを使いたい。そう思うのは当然ではないでしょうか。東京電力福島第一原発の事故後、私の住んでいる地域はホットスポットになりました。放射能の影響がどのくらいあるのかわからず、不安な日々を過ごしました。
映画の中でも指摘されていましたが、地震の多い日本では、原子力発電所の事故の可能性は今後もゼロではありません。それなのに何故、今また原発推進の方向に向かうのか。その理由を、エネルギーの専門家ではない私たちにもわかるように説明してほしいです。
私が次世代の子どもたちに手渡したいのは、やはり再エネです。理由は“誰が、どこで、どのようにつくっているか”が明らかで、太陽光や風力など地域に合った方法で発電しているからです。一人ひとりが納得して電力を選べるように、私が得た知識や情報をシェアしていこうと思います」

生活クラブ千葉
福住 洋美さん
今回のパネルディスカッションの様子は、全国の組合員に向けてインターネットで同時配信されました。

映画やパネルディスカッションを通して、組合員一人ひとりが受け取った気づきや思いを、今秋提出の意見書に盛り込んでいきます。そして、国にも要望を伝え、家族や仲間たちと再エネ推進の輪を広げていきます。

【2023年8月9日掲載】
 

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