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学習支援~地域で支える子どもの「学び」~

【連載】みんなで広げるたすけあい

生活クラブグループの生協や関連団体では、福祉・たすけあいの活動や事業が各地でとても豊かに展開され、さらに広がりをみせています。これらの取組みを紹介する連載をあらたに始めます。

「不登校の小中学生が30万人近くいる」という調査発表がありました(文部科学省)。心身の不調、家庭状況、障がいなどさまざまな理由で、学習しづらい状況にある子どもたちが増え続けています。

今回は、子どもたち個々の状況に寄り添うことにより地域で安心して成長し生きる力を身につけていく取組みを2つ紹介します。子どもたちにとって大切な場であるだけでなく、関わる大人たちにとっても活躍の場となっているようです。

地域の大人が子どもに寄り添い、生きる力を育む
みかづき学習室 NPO法人ワーカーズどんぐり(東京都武蔵野市)

みかづき学習室1

毎週水曜日の午後3時から「みかづき学習室」が武蔵野市の都営住宅の集会所で開かれています。大島登志子さん(学習室事務局)は「水曜日はみかづき学習室がある日と思ってもらえるように、毎週開いています。さすがにお正月だけはお休みにしましたが、お盆の時期でも子どもたちを待っています。誰も来ないこともありましたけど、必ず開いています」と言います。学校に行けなくなった子どもたちなどの居場所として、「ふらりと来ていい場所です。おやつも用意して、楽しく過ごしながら一緒に勉強をしています」。

始まりは、大島さんが民生児童委員を引き受け、地域の中にさまざまな困りごとを抱え、困窮している家庭の内情を知ったことからでした。「子どもの7人に1人が貧困という現実が自分たちの地域にあることに、それまで気づかなかったのです。子どもたちに温かい食事を提供したいと思い、2015年11月にワーカーズどんぐり(生活クラブ生協東京の関連団体)の地域活動として子ども食堂を始めました」。そして、食堂に来る保護者から不登校や学習の遅れの相談を受けたことから、「みかづき学習室」を開設しました。

みかづき学習室2

子どもたちは、武蔵野市のスクールソーシャルワーカーや養護教諭など個々の情報を把握している人たちからの紹介などでやってきます。算数のドリルを開いた子どもの横で、見守るように座っている男性は元教師。他のテーブルで漢字検定問題集を解いているのは子どもと保護司です。一人ひとりの子どもに合わせて一対一で学んでいます。みかづき学習室で学び進学できた高校生が遊びに来て、大人たちとおしゃべりを楽しむ姿も見られます。「自分の力を信じて高校進学を果たしたという事実が子どもを勇気づけます。子どもたちが安心して来られる場を継続することが大事なんです」と、大島さん。

「格差の拡大と貧困の連鎖は社会的な課題で、親の収入が子どもの学力や進学に影響を与えます。チャレンジする前に将来の夢や希望をあきらめることが多いです。地域の大人ができる支援として、家庭の事情などで学力が身につかない子どもに寄り添いながら、自己肯定感を育む場所にしたいと思っています」。フードパントリーなども行ないなから、地域の大人が子どもたちを受け止めてその先へつなげる場所になっています。
 
みかづき学習室3

元教師が個別指導で子どもと向き合う
てらこや四宮 NPO法人たすけあいワーカーズさざんか(東京都杉並区)

てらこや四宮1

東京都杉並区には地域の高齢者などが利用する「ゆうゆう館」という公共施設が区内に26カ所あります。個々のゆうゆう館の運営は、プロポーザルで選ばれたNPOなどがそれぞれ担っています。たすけあいワーカーズさざんか(生活クラブ生協東京の関連団体)は「ゆうゆう四宮館」の運営を受託し、区との協働事業として「てらこや四宮」を企画し、地域に暮す高齢者と子どもの交流の場となっています。

高齢者の介護事業を行なうさざんかでは、地域の高齢者福祉には社会参加が欠かせないとの思いがあり、豊泉惣子さん(さざんか元代表)は「教職などを退かれた方々の経験を生かし、子どもたちに学習を通したもう一つの居場所をつくりたいと考えました」と話し、学習支援の場「てらこや四宮」を始めました。

10年前に立ち上げた当初は講師探しも手探りでしたが、活動に共感した退職校長会の方の声かけなどで、元教師の人たちが参加するようになりました。現在8人の先生がいて、1対1での学習を毎月第1・3水曜日の夕方に行なっています。

呼びかけのために地域の小学校に「学ぶことが楽しく思えるよう、個別にわかりやすくサポートします」というチラシを配布しています。そのため、子どもの学習に悩みを持つ保護者たちなどが一般の学習塾とは違うことに期待して申込みをしてきます。まず、スタッフが困りごとなど子どもの様子を聞き取り、子どもの個性と講師の特長とをふまえて組み合わせを決めています。「毎回、同じ先生が対応する中で信頼関係ができます。不登校の子や、障がいがある子もいます。学校のような集団の場では気づきにくい特性を持つ子どものために、その子に合わせた教材を手作りする先生もいます」と、豊泉さん。

毎回子どもたちが帰ったあとに、先生とスタッフで「反省会」をします。その日の子どもの様子を一人ずつ報告し共有します。個々の状況に合わせた教え方の工夫や学習のめざすところなども率直に意見を出し合います。地域の子どもたちを支えるとともに、大人たちにとっても特技を活かした活躍の場となっています。
 
てらこや四宮2

 
【2024年2月6日掲載】

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