生活クラブグループの生協や関連団体では、福祉・たすけあいの活動や事業が各地でとても豊かに展開され、さらに広がりをみせています。これらの取組みを紹介します。
 

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アルコール依存症の患者数は日本国内で80万人以上と言われており、さらに「予備軍」を含めると約440万人になるとも推定されています。そして、本人だけではなく、家族も影響を受け、大きな問題を抱えていることが多く見られます。苦しむ家族のために立ち上げた自助会が、ともに支え合い学び合う場として共感を広げています。
「あるあるコールおしゃべりサロン」（以下、サロン）は、アルコール依存症の方の家族の支え合いの場です。夫・子ども・兄弟など、家族の飲酒問題やアルコール依存症に困ったり、心配したり、悩んだりしている人などが集います。全員がひらがなで表記されたファーストネームで参加し、サロンで聞いたことは口外しないのが決まりです。また、問題を解決する場ではないので、アドバイスもしないことにしています。かなり深刻な状況の話が多いのですが、誰もが顔を上げてしっかり話し、話すことで元気になっていくような雰囲気です。

サロンを始めたのは、アルコール依存症の家族のことを誰にも話せずに不安を感じていたみやこさんとあやこさんです。みやこさんの息子とあやこさんの夫が断酒会に参加した際に知り合い、同じような悩みを抱えた人とつながりたいと、2022年4月に生活クラブ生協千葉のコミュニティ活動＊としてサロンを立ち上げました。

＊生活クラブ生協千葉では、組合員やそのお友達が様々なテーマで自発的に集うコミュニティづくりを応援しています。 活動費一部補助、広報（ブロック機関紙・ブロックSNS等）利用、託児ケアシステム利用などがあります。

2024年最初の会は、お酒の機会が多いお正月明けに開催しました。そのような時期の家族のお酒の飲み方やそれに関連するさまざまなできごとを、一人一人話していきます。かなり明け透けな発言が続きますが、誰もがウンウンとうなずきながら聞き、「言いっぱなし、聞きっぱなし」で会は進行していきます。不安や怒りなどなかなか周囲に言えない気持ちを分かち合います。

全員のおしゃべりが終わると、後半はサロンの代表を務めるみやこさんが作った資料をもとに学習し、意見交換をします。内容は「治療したくない人に治療を勧めるには」「アルコール依存症の進行プロセス」「家族の接し方」「再飲酒」など。「知識を持つことは自分を助けます。日々の生活に追われて本やネットの情報に手が回らなくても、ここに来れば知識や情報を仲間と共有でき、気づきも多いのです。専門書やサイトなどから引用した資料を作りながら私も学んでいます」（みやこさん）。

第1回には3人の参加者がありました。みやこさんは「初回から参加者があったことに驚きました。会のニーズを実感し、不安な思いを抱えているのは私たちだけじゃないんだという思いを持ちました」と言います。「かつてアルコール依存症についてネット検索を重ねていましたから、参加された方の思いがよくわかりました」と、あやこさん。

おしゃべりサロンの参加者数は、2023年12月の第45回までで、のべ386人（行政機関からの見学者、スタッフ含む）にものぼります。その他、不定期で土曜サロンも開催し、より参加しやすい会の運営に努めています。「アルコール依存の問題はまだまだ言い出しづらい環境にあります。同じ目線で悩みや不安をしゃべり合うことが、自助の一歩です。声を上げてよかったと思っています」と、みやこさん。

サロンの開催は月２回（第2・第4火曜日10時～12時）。場所は稲毛保健福祉センターボランティア活動室です。参加費100円、申込み不要、託児あり（要事前連絡）です。
 

「あるあるCall」に込めた意味 ・あるCall・・・アルコール ・あるある・・・アルコール依存症の「あるある」 ・Call・・・呼ぶ、声を出す　 Callには「選択」「決断」という意味もあります。「あるあるCall」で知ったこと考えたことを通じてどうするかは「It's your call.（あなた次第。）」

あるあるCallのウェブサイト



https://al-al-call.amebaownd.com/