私たちの暮らしをめぐる 水のはなし~水は借り物~
「水は借り物」。これは、生活クラブとの産学連携プロジェクトに参加した、日本大学芸術学部の学生たちが生活クラブの産地を取材して見いだした言葉です(*2)。
生活クラブでは、環境を守るために産地と連携して、せっけんの利用をすすめています。米や海産物の産地での水を守る取組みを知り、せっけんを取り入れてみませんか。
(*)の付いた写真:撮影/日本大学芸術学部 写真学科 下沢真梨子
(*2)詳しくはこちらから▼
【日本大学芸術学部×生活クラブ】学生たちがせっけん活動の冊子・ポスター等を発表!組合員など100名以上が参加③(2024年1月10日掲載活動レポート)
豊かな水を地域ぐるみでまもる「遊YOU米」の産地・山形県遊佐(ゆざ)町
池そのものがご神体として崇められている「丸池様」(*)
鳥海山のふもとにある山形県飽海(あくみ)郡遊佐町。鳥海山の雪解け水を含む地下水脈が豊潤な、水に恵まれた地域です。ここでつくられる「庄内遊YOU米」は、生産者と組合員が農法まで話しあい、農薬の使用量を一般的な山形県の慣行栽培基準の半分以下に減らしてつくられています。食べる上での安全性はもちろん、産地の豊かな水を守ることにつながっています。
遊佐町にあるJA庄内みどり女性部では、町内の小中学校から回収した油をリサイクルしてせっけんを製造。調理後の油をせっけんの原料として再利用すれば、資源として活用できることを地域に広めていきたい、という想いが込められています。
遊佐町にあるJA庄内みどり女性部では、町内の小中学校から回収した油をリサイクルしてせっけんを製造。調理後の油をせっけんの原料として再利用すれば、資源として活用できることを地域に広めていきたい、という想いが込められています。
JA庄内みどり女性部「石けん研究会」の方々がつくっているせっけん(*)
生産者メッセージ
水がなくなれば米もつくれなくなってしまう。作物をつくるためにはきれいな水が欠かせないため、地域の中に水を大切に使う意識が根付いていると思います。
JA庄内みどり 遊佐町共同開発米部会 池田 恒紀さん(*)
「肉厚わかめ」を育む海のために地域でせっけんを使う重茂(おもえ)漁協
わかめやこんぶ、あわびなど多様な海産物が水揚げされる重茂漁港(*)
岩手県宮古市の重茂地区は、生活クラブの「肉厚わかめ」をはじめとする海産物の産地です。約9割の住民が漁業に携わっているため、重茂の人々にとって海は暮らしの糧そのもの。重茂漁業協同組合では昭和40年以降にあわびの漁獲量が減少したことをきっかけに、女性部のメンバーが中心となって合成洗剤を売らない・買わない・使わないことを呼びかける活動を続けています。
さらに生活クラブなどと協力して合成洗剤を使わないことを示す看板を立て、周辺地域の人々にもきれいな海を大切にすることを呼びかけています。
さらに生活クラブなどと協力して合成洗剤を使わないことを示す看板を立て、周辺地域の人々にもきれいな海を大切にすることを呼びかけています。
重茂地区内に立つ、合成洗剤追放運動の看板(*)
生産者メッセージ
水産資源やそれを育む海などは、みんなで共有している自然の恵み。恩恵にあやかるだけでなく、次につなげられるよう返していくのが私たちの使命です。
水産資源やそれを育む海などは、みんなで共有している自然の恵み。恩恵にあやかるだけでなく、次につなげられるよう返していくのが私たちの使命です。
重茂漁業協同組合 齋藤 義治さん(*)
私たちと産地をつなぐ水を大切にするためにできること
(*)
私たちは毎日、食器や衣服などを洗うために水を使っています。水は、私たちの暮らしと食料を生産する産地をめぐるもの。借り物のように、きれいに使って返す気持ちが未来の食や環境を守ることにつながります。
水を大切にするための選択肢のひとつとして、生活クラブではせっけんを選んでいます。
天然の油脂とアルカリでできたせっけんは洗い流すと分解され、環境にやさしいのが大きな特徴です。毎日使う水に思いを馳せ、せっけんを使ってみませんか。
左から、固型せっけん、ハミガキ、酸素系漂白剤、洗濯用粒状せっけん
日々の暮らしの選択で環境や生態系を守ります
生活クラブでは、石油などを原料とした合成界面活性剤でつくられる合成洗剤は扱いません。せっけんの利用をすすめ、多様な生物が暮らす豊かな環境を守ることをめざしています
生活クラブでは、石油などを原料とした合成界面活性剤でつくられる合成洗剤は扱いません。せっけんの利用をすすめ、多様な生物が暮らす豊かな環境を守ることをめざしています
★生活クラブ食べるカタログ 2024年6月2回(24週)より転載しました。
【2024年5月27日掲載】