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無駄をなくし、未来の生産を約束する「よやくらぶ」

誰でも、いつでも、いくらでも購入できる品ぞろえ豊富な店舗では、どうしても食品ロスが生じる。それなら、あらかじめ必要量を把握して生産、出荷することで無駄を省けないか。より良い素材を適正価格で購入するために、50年以上前に生活クラブが始めたのが「予約共同購入」だ。組合員と生産者、直接提携だからこそ実現できた仕組みでもある。ライフスタイルの変化に合わせ、システムは変わってきたが基本の理念は変わらない。「よやくらぶ」はこれを引き継ぐ象徴的なシステムだ。おおぜいが参加することで、国内自給力の向上や生態系の維持など、生産者とともに描く将来の夢へとつながっていく。
 

よやくらぶは、使う約束

2015年に始まった「よやくらぶ」は、毎週申し込まなくても、自動的に届くように予約するシステムだ。利用する量や届く間隔は、自分のライフスタイルに合わせて選ぶことができ、使う約束をすることで、通常の申し込みよりも安く購入できる。一方、生産者にとっては、定期的、継続的な利用が約束されているため、無駄なく計画的に生産を続けることができる。

当初、価格差をつけていたのは、「ビジョンフード」と位置づけられた消費材のなかで、米、鶏卵、牛乳だけだった。ビジョンフードには、国内自給力の向上や生態系の維持といった明確なビジョン(展望)があり、それを実現させるため、とりわけこの3品目は安定的な利用が重要とされたからだ。その実績を踏まえ、今年度より、ビジョンフードを含め、よやくらぶで取り組む全113品目が予約価格の対象となった。畜肉類、青果、調味料、せっけんなど日常の暮らしに欠かせない消費材ばかりだ。

組合員と生産者が互いに話し合いながらつくってきた「よやくらぶ」。将来にわたり継続できる生産と消費の仕組みの原点は、50年以上も前に始められた「予約共同購入」にある。

原点は予約共同購入

その一例が鶏卵の共同購入だ。生活クラブが鶏卵の取り組みを始めたのは1970年。当時の仕組みは、7人前後で構成された班を単位とする予約共同購入のみで、月に一度、翌月届く分を注文する形だった。小売店を通さず、問屋から直接、10キログラムの段ボール入りの鶏卵を仕入れ、それを組合員が分け合った。小分けにする作業を自分たちで行うため、安価でとても好評だったが、時折、腐敗卵が交じった。そこで、すぐに提携を辞めることはせず、まず自分たちで鶏卵が手元に届くまでの過程や仕組みを丹念に調べたところ、望む品質の鶏卵を購入するには、問屋も通さず、生産者と直接提携することが必要であると知った。

そこで74年、埼玉県で養鶏を営む鹿川養鶏場(後に鹿川グリーンファーム、現・生活クラブたまご)との提携を始める。念願の、産卵後24時間以内の新鮮な鶏卵が再使用可能なケースで運ばれてきた。これが、その後形を変えながら50年以上も続く、養鶏場と直接取り組む予約共同購入の始まりだった。

鶏卵の価格は、日々の需要と供給のバランスで、相場が著しく変動する。仕入れ値が変わるため、当初は、配達日により鶏卵の価格が異なるという状況だったが、それでは大変だ。そこで77年、生活クラブ独自の「生産原価保障方式」を導入した。相場による価格ではなく、生産コストを反映し、再生産可能な価格を設定する、という方法だ。

一方、利用する組合員には、「毎週取り組み」など鶏の産卵事情に合わせて利用するようルールも設けた。鶏は卵からふ化した後、140日前後で産卵を始め、約420日間、産み続ける。日によって利用量に増減があると過不足が生じロスや欠品が発生するためだ。

市場にはない独自の価格設定と、年間を通して安定した利用で、生産者との信頼関係を積み重ねた結果、双方の協議も深まり、その後生活クラブは、望む鶏卵の生産を、次々に実現していくことになる。ほとんどの採卵鶏が海外の親鶏から供給されている状況に対し、純国産鶏種を守ろうと、後藤孵卵場の採卵鶏「もみじ」と「さくら」を導入した。飼料のトウモロコシは収穫後農薬不使用のものに切り替え、大豆かす、なたね油かすとともに、遺伝子組み換えでないものを分別して使用している。飼料の自給を目指し、飼料用米の給餌も始めた。

未来の生産も約束

班を単位とし1カ月分の申し込みを基本とする予約共同購入は、その後、組合員のライフスタイルに合わせて多様に変わってきている。2002年には個別配送が導入され、週単位の申し込みも始まった。システムやルールで縛るのではなく一人一人が自発的に安定した利用の継続を選択するのが、今の共同購入だ。とはいえ、原料手配など生産現場はより厳しい状況におかれている。より積極的に不安定な利用を解消しようとよやくらぶの仕組みが始まった。

生産者とともに作り上げてきた消費材を今、利用できるのは、過去の「利用する」という約束の積み重ねでもある。現在の予約は未来の生産につながる。よやくらぶは、消費材を、子どもたちやこれから参加する組合員に手渡し、将来にわたり利用し続けるための、生産者との約束でもある。

 
撮影/田嶋雅已
文/伊澤小枝子
★『生活と自治』2024年9月号 「生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。
 
【2024年9月30日掲載】
 

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