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梅畑の草刈りに羊を導入しました

農家の負担を軽減する、紀伊半島地域協議会の新たな挑戦
 

2024年7月に、生活クラブと提携する有限会社王隠堂農園(以下、王隠堂農園/奈良県)の梅畑に羊を導入しました。梅の木の下に生える雑草をエサとして羊に食べてもらい、草刈り作業の負担軽減をめざす実験的な取組みです。王隠堂農園もメンバーである「紀伊半島地域協議会」が、地域の産業を未来につなぐためにはじめた新たなチャレンジをレポートします。

羊に雑草を食べさせて、草刈りの負担を軽減

奈良県・和歌山県・三重県にまたがる紀伊半島は、梅や柿、柑橘類などの果樹栽培が盛んな地域です。農産物やその加工品を生活クラブに届ける生産者が数多くおり、長年にわたって提携しています。2017年には、生活クラブと農産物や提携生産者、さらに地域の事業者が連携し、「紀伊半島地域協議会」を立ち上げました。高齢化や働き手不足、気候危機などの課題に直面する中、サステイナブルな地域づくりをめざしてさまざまな取組みをすすめています。

今回、羊を導入した一番の目的は、草刈り作業の負担を減らすことです。果樹の根元に生える雑草は病害虫が発生する要因となるため、年に3回から、多いと7回ほど草を刈る必要があります。王隠堂農園の梅を育てる農家は、化学合成農薬は使わずに草刈り機で除草しているため、特に夏の炎天下での作業は重労働になっています。一方、羊による除草は、畑に放牧しておくだけで雑草を食べてくれるので、農家の大幅な負担軽減が期待されています。

羊を導入した梅畑を管理している、王隠堂農園の阿部和正さん。山あいにある畑は勾配があり、木の根元には草が生い茂っています

梅畑で羊による除草がスタート!

約4000平方メートルの梅畑を「中山間地における有畜複合農業(※)実験圃場」と位置づけ、6頭の羊を放牧しました。これらの羊は、同じ奈良県内にある「めえめえ牧場(まきば)」からのレンタルです。どんな草も食べるサフォーク種を選んでいます。

畑に羊を放つと思い思いの場所に移動し、すぐにむしゃむしゃと草を食みはじめました。導入から2ヶ月ほど経った9月時点で、草刈りをせずとも梅の生育に影響のない草丈を維持できています。
実験圃場の入り口には看板が掲げられています
 
急斜面ももろともせずに登りながらむしゃむしゃ
 
草刈り機の入れない木の根元の雑草も食べてくれます
はじめての試みのため、トライ&エラーをくり返しながら対応しています。下草のほかに米ぬかや野菜などもあたえてみたものの、草だけ食べている方が羊の体調がよいこと、好き嫌いがあり、嫌いな草が生えているエリアは他にくらべて草が多く残ることなど、実際に羊を導入してみて分かったことがたくさんあります。また、羊の頭が届く高さにある梅の芽や葉を食べることは想定していましたが、梅の実の収量に影響がないかは、これから検証していく予定です。

※有畜複合農業:農業と畜産業を組みあわせた農法。家畜の力を農業に取り入れて生産性を高める目的があります

紀伊半島の持続可能な生産をめざして

羊による草刈りは11月まで続けられますが、すでに一定の効果が出ているため、来年度は梅畑の近くにある柿畑でも実験しようと計画しています。今後はほかのエリアへの導入の拡大や、自前での羊購入なども視野に入れながら、検証をすすめていく予定です。

近いうちに、羊が草刈りをした畑の梅や柿が生活クラブの組合員の手元に届く日がくるかもしれません。羊の力を借り、農家の負担を減らす今回のチャレンジは、環境にもやさしい未来につながる取組みです。こうした産地が抱える課題の解決に向けて、生活クラブは生産者とともに挑戦を続けていきます。
【2024年10月16日掲載】

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