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生協の食材宅配【生活クラブ】
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たまごをこれからも利用するために! 埼玉の産地を訪問しました


 
2024年9月5日、生活クラブのたまごのこれからを組合員と生産者が話しあうため、生活クラブ連合会「鶏卵ビジョンフード(※1)産地推進会議」のメンバーが埼玉県深谷市の産地を訪問しました。「鶏卵ビジョンフード産地推進会議」としては2015年以来、9年ぶりの産地訪問です。
消費材(※2)の開発に関わる「連合消費委員会」の組合員7名と関係者が、提携生産者である株式会社生活クラブたまご(以下、生活クラブたまご)の2つの施設を訪問しました。深谷市の岡部農場では親鶏の飼育の様子を、飯能市の「生活クラブたまごGPセンター(※3)では、たまごの洗浄・選別・パッキングまでの工程を視察し、生産者と意見を交わしました。

※1:生活クラブでは、牛乳や鶏卵、米などの「一次産品」を食べ続けるためには、将来にわたって見通す「ビジョン(展望)」が必要と考え、これらの食品を「ビジョンフード」と呼んでいます。
※2:消費材とは生活クラブで取り扱うもののことで、その多くは組合員と生産者が協力してつくったオリジナル品です。
※3:GPとはGrading and Packingの略。選別やパッキングを行なう施設を意味します。

近くでみたい!わたしたちのたまご

生活クラブでは、たまごの親鶏に国内で4%しかいない希少な純国産鶏種を選び、育て方やあたえる飼料についても独自の基準を設けています。
生活クラブたまごは、純国産鶏種のもみじ(褐色卵)とさくら(淡褐色卵)両方を飼い、国内自給飼料の飼料用米を35%もの高配合と非遺伝子組換えを分別したトウモロコシや大豆かすなどを給餌し健康に親鶏を飼育しています。

生活クラブたまご 岡部農場(埼玉県深谷市)

5つの鶏舎で約21万7000羽(※4)を飼育しています。
※4:2024年4月現在
鶏舎に入る際は白衣に着替え、履物の消毒をするなど衛生管理を徹底。
 
7段式の新鶏舎。見回りは朝と午後の2回、高所は台に乗って実施。
 
産み落とされたばかりの卵。
生活クラブたまごGPセンター(埼玉県飯能市)

2022年8月に新設された「生活クラブたまごGPセンター」は、鶏卵の洗浄・選別・パック詰めに特化した施設です。ここでは、岡部農場や提携農場からの原料卵を受け入れ、1時間におよそ6万個のたまごを取り扱っています。
ブラシと50℃の湯で汚れを洗浄。
 
機械で異常のあるたまごを検査。合格しなかったものは廃棄されます。

 
計測・パック詰めし、フタに採卵日と賞味期限を印字します。
温度管理された状態で、他の冷蔵品と一緒にピッキングされます。
 
温度や衛生状態が管理されたたまごが組合員に届いていることを確認。

たまごの価値を守りながら鶏や生産者にやさしい環境づくりへ

生活クラブでは、純国産鶏種から産まれたたまごという価値を守りながら、生産者が安心してたまごを生産できるよう検討を重ねています。
今回は主に、黄身の色や親鶏の飼育環境について、組合員と生活クラブたまごの工藤 一さんが意見を交わしました。

卵の黄身の色について

生活クラブのたまごは、親鶏のえさに配合する飼料用米を35%まで高めてあたえていることから、黄身の色が薄いのが特徴です。通常は、えさに含まれる色素に影響されるため、黄身の色が薄くても栄養価が損なわれることはありません。

ところが、一般的には黄身の色が濃いほど価値があるというイメージもあります。生活クラブで消費しきれないものは一般の市場に出荷されますが、これらは色が薄いという理由で、低価格で取引されています。
 
生活クラブたまごの工藤 一さんが、たまごが置かれている現状を説明。
工藤さんの説明を聞き、生活クラブ栃木の永森隆子さんは次のように発言しました。
「夏の猛暑のなか、鶏舎で作業されている方の苦労を考えると、一般の市場で低価格で取引されないような工夫が必要なのかなと思いました」
 
生活クラブ栃木の永森隆子さん
工藤さんは、卵黄色チャートで色の違いについて説明しながら、このように語ります。
「世間一般と生活クラブが考えるたまごの価値にずれがあるのが、悔しいところです。私たちも鶏の健康やたまごの品質に必要ないものは使いたくありません。いくつかの提携農場では、経営も安定させる「平飼いたまご」(※5)を増やすことも検討をすすめています。組合員のみなさんと一緒に、今後どのようにしていくか考えていきたいです」

※5:鶏舎内で自由に動き回れるように平飼いした鶏が産んだたまごのこと。
 
生活クラブたまごの工藤 一さん
開放型鶏舎について

生活クラブでは、自主基準のもと開放型鶏舎を採用しています。ところが、近年は地球過熱化により夏場の気温がとても高く、鶏舎内は過酷な暑さになります。鶏は人よりも体が小さく汗腺もないため暑さに弱く、埼玉県にある岡部農場ではひと夏に約3600羽もの鶏が死んだり、食欲が落ちたまごが小さくなったりするといった事態にみまわれました。また、暑い中白衣や手袋を着用しての作業は、飼育を行なう人たちにとっても、体力的に酷な環境です。
生活クラブ埼玉の村山なみさんは、鶏が大きなストレスを感じている現状を知り、次のように質問しました。
「鶏舎を閉鎖型のウインドウレスにせず、開放型にしているのは組合員の要望によるものでしょうか。今日のお話を聞いて、温度管理のしやすいウインドウレス鶏舎のほうがメリットがあると思いました。従来の自主基準について話しあい、鶏や人にとってよりよい環境にしていくべきだと思いました」
 
生活クラブ埼玉の村山なみさん
工藤さんは村山さんの質問に、このように応えました。
「自主基準ができたのは1997年ごろ。当時の気候は風がさわやかで、わざわざ扇風機で強制換気する必要もなかったのだろうと思います。ところが近年、夏の鶏舎では、私たち作業者もやせてしまうぐらい過酷な暑さになります。ぜひ、自主基準の見直しを検討していただきたいです」

時代や環境の変化をとらえながらこれからも前向きにたまごと向きあっていく

岡部農場は、2023年11月に発生した鳥インフルエンザで約19万4000羽もの鶏を焼却処分(一部は埋却処分)するなど、多大な被害を受けました。一時は供給量を大幅に減らしてたまごを出荷していましたが、他の提携生産者たちと協力し、現在は発生前の水準まで回復させることができました。ところが、組合員の利用は思うように戻っていません。

消費材のたまごは、組合員の安全なたまごを「食べたい」という気持ちからうまれた、わたしたちのたまごです。継続的におおぜいで利用し、時代や環境の変化にあわせたよりよいたまごづくりができるよう生産者とともに考え続け、その生産を支えていく必要があります。

生活クラブでは、生産者と組合員がともに意見を出しあい、消費材についてともに考える機会をこれからもつくっていきます。

【2024年10月18日掲載】

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