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生協の食材宅配【生活クラブ】
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「東日本大震災 被災地視察(宮城)」に参加

10月11日~12日、東日本大震災の被災地である宮城県を、生活クラブ生協の組合員リーダーの6名が視察しました。東日本大震災から今年で13年。被災地で活動する方や生産者の今の声を聴いてきました。
 
門脇小学校の展示物 災害を生き延びてもなお苦悩が続く人々がいたことを訴えかける印象的な詩

「地域復興」から「こころの復興」へ

八木代表との懇談

一般社団法人コミュニティスペースうみねこ八木純子代表から、東日本大震災からの活動についてお話しいただきました。

八木さんは石巻市の保育園で20年働いた後に学習塾を主宰。2011年に被災し、避難所で困っているお母さんや子どもたちをお手伝いすべく様々な活動を始めました。「支援」ではなく「寄り添う」をモットーに、避難所から仮設住宅に被災者が移っても地域の復興活動を続けました。地元の方の多くが漁師で皆が職を失い生きる気力も失う中で、畑仕事なら参加できるのではと考え、地域で声をかけ唐辛子等の栽培を始め現在に続いています。

その後も地域復興のため人と人を繋げる活動を様々おこない、2022年4月に合同会社EEEを立ち上げ石巻市にお惣菜屋さん「はんじろう」をオープンします。地域の台所としてはもちろん雇用も生み出し、更に子どもたちや地域の皆さんの居場所としても日々賑わっています。「地域を元気にするためには住民を元気にしないと」と仰っていましたがその言葉通り、お話を聞いている最中も「元気」なお客さんが何人も来店し、気さくに話している八木さんの姿が印象的でした。

「震災遺構・門脇小学校」を訪ねて

語り部さんの案内とお話

石巻市の海の間近にある、「震災遺構・門脇小学校」を訪ねました。こちらの小学校では地震が起きた当日、いつもの訓練通りに学校の裏手にある日和山に避難しました。校内にいた児童と職員は全員無事でしたが、下校していた児童は津波の犠牲になったそうです。当時学校の裏手には山に直接登る道が無く、また 1.5m ほどの高さの壁がありました。当時の職員のとっさの判断で教卓を壁の前に設置し、子どもたちは壁を越え山を登っていけたそうです。その場その場の判断は非常に難しいですが、自分が災害に遭った時にどうするかを考えるきっかけとなる資料館となっています。

少しで良いから自分で行動する

高橋社長との懇談

翌日は生産者の㈱高橋徳治商店を訪ね、高橋社長に震災時と今に至るまでのお話を伺いました。当時の従業員は時間をかけて全員無事の確認がとれましたが工場は津波に襲われ壊滅状態でした。そんな中でも大勢が避難した山の上の避難所で様々な問題に対応し、「こころ」のサポート・ケアが非常に重要だと感じたそうです。現在は新工場で練りものの生産を再開していますが、6年前からは工場の隣に野菜加工工場を併設し、社会復帰が困難だった方々の雇用もしています。

震災当時の状況を語る中には聞くだけでも心がしめつけられるお話が多々あり、涙なしには聞けない場面もありました。パワーポイントを使い丁寧にお話ししていただきましたが、その中で「少しで良いから自分で行動する」という言葉が胸に残りました。この言葉は被災者とそうでない方、双方に言える言葉だそうです。被災した方はすぐに動くのは無理ですが、ずっと支援されていると自分で動けなくなってしまう。被災者ではない方も自分のこととしてとらえ、自分の私生活で何か少し行動をしてほしいと。最後に「事業と想いの両輪、あなたの笑顔は私の元気」と締めていた高橋社長に、こちらが元気をもらいました。

感謝を形にする生き方

引地代表との懇談

最後に亘理町の(一般社団法人)WATALISを訪ね、代表の引地恵さんよりお話しいただきました。引地さんは亘理町の職員として働く中で震災を経験しました。町の職員として震災の対応に追われる日々の中で、とても明るい高齢の女性にお会いしたそうです。その方は使わなくなった着物で巾着袋をたくさん作り、誰かに何かをしてももらったときに「お米」などを入れて渡せるように常に準備をしていました。巾着袋に特別な名前は無く、「ふくろ」亘理町の方言で「ふぐろ」だよと。その方の「感謝を形にする生き方」に感銘を受け、WATALISを立ち上げました。そこで地域の女性たちが集まり、「ふぐろ」の生産がスタートしました。当時は地域で職を失った方々の居場所づくりになればという思いもあったそうです。その後新たな地域課題、担い手不足の遊休農地をどうにかできないかと思い始め、野菜作りや養蜂を始めました。その後も様々な人たちと出会い、様々な活動を経て「地域の居場所づくり」や「地域を元気にする」活動を続けています。今年度から生活クラブで、WATARISのはちみつ等の販売支援をしています。

視察を終えて

震災から13年経った宮城の今を見てきました。小学校のような遺構など当時の状況を知ってもらうためにそのまま残されている建物はありますが、普通に市街を車で走っていると震災があったとわかるような場所は少なくなっています。「防潮堤の役割のため道路が高くなっている」「流された地域が公園になっている」など説明を受けて初めて気が付きます。

「街の復興」は進んでいると思います。しかし、「こころの復興」は年数が経ったら進むかというと、そうではないという現状がそこかしこに残っており、今回お話しいただいた3人の各団体の代表は「こころの復興」に日々尽力しているのだと感じました。

【2024年10月30日掲載】

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