子どもたちに最高の給食を届けたい!第2回全国オーガニック給食フォーラム in 常陸大宮に生活クラブが参加
第2回オーガニック給食フォーラムの会場となった常陸大宮市文化センターに800人が集結
生活クラブ連合会は2022年に東京で開催された「第1回全国オーガニック給食フォーラム」に参加したのをきっかけに、翌年発足した「全国オーガニック給食協議会」に参加しています。第2回目のフォーラムが11月8日に茨城県常陸大宮市で開催され、生活クラブの組合員と事務局が参加しました。
生活クラブ連合会は2022年に東京で開催された「第1回全国オーガニック給食フォーラム」に参加したのをきっかけに、翌年発足した「全国オーガニック給食協議会」に参加しています。第2回目のフォーラムが11月8日に茨城県常陸大宮市で開催され、生活クラブの組合員と事務局が参加しました。
全国オーガニック給食協議会に参加し、さまざまな事例を学ぶ
全国から市町村長が40名参加した第1回目の全国オーガニック給食フォーラムは、2022年に東京で開催され、1200名の会場が満席、オンラインでも4000人が参加して大盛況でした。翌2023年には生活クラブも発起人として参加し、全国オーガニック給食協議会が発足。その後2年にわたって、オーガニック給食の先進自治体として知られる千葉県いすみ市、長野県松川町での現地研修会をはじめとする企画に参加し、オーガニック給食について学習を重ね、会員単協と情報共有してきました。
そのようななか、「オーガニック給食」といっても、有機農産物を100%使った給食というわけではなく、米だけから始めたり、有機認証をとっていなくても地場産の野菜を取り入れたり、どこの自治体も少しずつ前にすすめていることが分かってきました。
そのようななか、「オーガニック給食」といっても、有機農産物を100%使った給食というわけではなく、米だけから始めたり、有機認証をとっていなくても地場産の野菜を取り入れたり、どこの自治体も少しずつ前にすすめていることが分かってきました。
千葉県いすみ市で有機のお米作りを見学(2023年7月、農事組合法人みねやの里)
長野県松川町では、休耕地の活用からオーガニック給食の取組みが始まり、学校の食育の一環として展開されている。(2024年7月、松川町での現地視察のようす)
松川中央小学校の給食室そばに展示されている小学生によるパネル(2024年7月)
そして迎えた第2回オーガニック給食フォーラムは、会場に800人、オンラインで400人が参加。生活クラブからも組合員と事務局で5人が会場参加、オンラインで各地から10人ほどが参加しました。
常陸大宮市とJA常陸がタッグを組んで、オーガニック給食を推進
常陸大宮市はもともと、有機農業が盛んな地域ではなかったそうです。しかし、2020年に鈴木定幸市長が誕生し、有機農業を強力に推進。2021年には有機農業推進計画が策定されました。市長に賛同したJA常陸の秋山豊組合長は、JA常陸の子会社(JA出資型農業法人)である㈱JA常陸アグリサポートに有機農業に取り組むよう説得。最初はできないと反発がありましたが、いばらき有機農業技術研究会の松岡直孝氏に技術指導を仰ぎ、2022年に14haの畑で有機栽培を開始。なんと1年目にして、じゃがいもやカボチャなどの有機栽培に成功し、学校給食で使われました。2023年には民間稲作研究所の指導で3.9haで有機米を栽培。13トンの有機米が給食で使用されました。2023年度は、学校給食のお米の約50%、野菜の20%に市内産の有機のものが使われたと言います。2023年に常陸大宮市は、オーガニックビレッジ宣言をしました。
常陸大宮市の学校給食センターも、市長の「子どもたちに最高の給食を届けたい」という思いに共鳴し、栄養士やセンター職員とともに有機食材の調理にあたっています。調味料も食品添加物を極力使わないものが選ばれ、特に天日塩には強いこだわりを持って、うまみのある給食を作っています。センター所長の大髙康夫さんは、オーガニック給食の推進力について「やはり市長とJAがすすめているので、スピードが速いですね」と言います。
常陸大宮市の学校給食センターも、市長の「子どもたちに最高の給食を届けたい」という思いに共鳴し、栄養士やセンター職員とともに有機食材の調理にあたっています。調味料も食品添加物を極力使わないものが選ばれ、特に天日塩には強いこだわりを持って、うまみのある給食を作っています。センター所長の大髙康夫さんは、オーガニック給食の推進力について「やはり市長とJAがすすめているので、スピードが速いですね」と言います。
オーガニック給食に取り組むことで見えてきた消費と生産のあり方
生活クラブ東京では、地元の市や区への政策提案のなかで、オーガニック給食の導入を要望しています。
参加した生活クラブの組合員は、「JAが推進していることに勇気が出た」と口をそろえます。「オーガニック給食をすすめるために、行政とJAが協力しあって実現しているところがすごいなと思いました」と長谷川ふさ子さん。
また、あるJAの組合長は、自分たちの取り組みについて「地産地消でなく地消地産」と表現しました。「地産地消と言うと、生産者が作ったものを消費者に食べろと言っているように聞こえる。そうではなく、食べる人がいるからこそ、自分たちは作れるんだ」と。これについて牧野千恵子さんは、「まさに生活クラブの活動」と感じたと言います。「生活クラブは、組合員が必要な材を食べる約束をして、生産者と一緒に作ってきたのです」。
同じく生活クラブから参加した大坪千鶴さんは、「農薬が広がってから見直され、地道に実践されてきた有機農業が、今こうやって学校給食を出口として、力強く広がり始めていることが嬉しい」と感想を語ります。「子どもたちのために、と農家の方々が気持ちを合わせて頑張っておられることに感謝です」。
これからも生活クラブは、全国オーガニック給食協議会に参加して、活動に活かしていきます。
参加した生活クラブの組合員は、「JAが推進していることに勇気が出た」と口をそろえます。「オーガニック給食をすすめるために、行政とJAが協力しあって実現しているところがすごいなと思いました」と長谷川ふさ子さん。
また、あるJAの組合長は、自分たちの取り組みについて「地産地消でなく地消地産」と表現しました。「地産地消と言うと、生産者が作ったものを消費者に食べろと言っているように聞こえる。そうではなく、食べる人がいるからこそ、自分たちは作れるんだ」と。これについて牧野千恵子さんは、「まさに生活クラブの活動」と感じたと言います。「生活クラブは、組合員が必要な材を食べる約束をして、生産者と一緒に作ってきたのです」。
同じく生活クラブから参加した大坪千鶴さんは、「農薬が広がってから見直され、地道に実践されてきた有機農業が、今こうやって学校給食を出口として、力強く広がり始めていることが嬉しい」と感想を語ります。「子どもたちのために、と農家の方々が気持ちを合わせて頑張っておられることに感謝です」。
これからも生活クラブは、全国オーガニック給食協議会に参加して、活動に活かしていきます。
懇親会でも、道の駅での視察でも有機野菜を使った美味しい料理が並んだ。写真は道の駅での「有機農産物フェア」で、常陸大宮市出身で白馬のホテルの総料理長の料理を試食
鈴木市長と生活クラブ東京から参加した組合員たち
【2024年11月22日掲載】