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生協の食材宅配【生活クラブ】
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Non-GM飼料の今と、これからの畜産のこと Non-GM大豆かすと今後の課題

世界に広がる遺伝子組み換え作物

1996年にアメリカで遺伝子組み換え(GM※1)トウモロコシの商業生産がスタートして以来、世界でGM作物が増え続けています。遺伝子を組み換えると、除草剤耐性や害虫抵抗性などがある作物をつくることができ、高い収穫量がのぞめるためです。

一方で、GMによる人体や自然界への将来的な影響がまだわからず、種の独占※2を招く可能性もあることから、生活クラブでは、1997年1月に「遺伝子組み換え作物・食品は取り扱わないことを基本とする」「やむを得ず使用する場合は、情報を公開して取り組む」と決定しました。これを実践するため、提携生産者と協力。すべての消費材を見直し、遺伝子組み換え食品・添加物などを取り除き、どうしても使用しなくてはいけない場合の独自表示を進めてきました。あわせて畜肉生産で必要な飼料も、可能な限りNon-GM飼料を使用してきました。

※1 GM(Genetically Modified)= 「遺伝子組み換え」の略。Non-GM(Non Genetically Modified)= 「非遺伝子組み換え」の略 
※2 種の独占…遺伝子組換えされた種子を、開発力のある世界的な販売戦略をもった特定の企業から買い続けることからくる独占化など。

 
豚を育てる生活クラブの提携生産者
 

Non-GM飼料を求め、海を越えて結んだ連携の輪

このNon-GM飼料の確保のために重要となるのが、「Non-GMとGMの飼料がきちんと分けられて生産・流通されたと証明すること」※1 です。Non-GMのトウモロコシや大豆かす※2 などは、アメリカの穀物生産者から流通業者を経て穀物が日本に輸出され、それを日本国内で保管し、工場で飼料に加工されます。この間、それぞれの施設内でクリーニングを行ない、Non-GM作物とGM作物が混ざらないようにして証明書を発行し、管理しています。

現地の生産者からすれば、管理に手間のかからないGM作物を育て、大量に売るほうが効率のよい場合もあります。さらに、単独の生協の力だけではNon-GM飼料を手に入れるのは難しいため、生活クラブでは同じようにNon-GM飼料を求める国内生協や、過去にはNon-GM飼料やコーンスターチを必要としている韓国の生協とも協力。国を超えてニーズを集めることで、全国農業協同組合連合会(JA全農)を通じ米国産のNon-GM飼料の輸入を実現してきました ※3

これは生活クラブの組合員が、自分たちの求める肉を食べ続けることでできた大きな価値です。

※1 「生産分別流通管理(IPハンドリング)」といいます
※2 大豆かす…植物油製造用の原料大豆から油を抽出したかすのこと。動物にとっては良質な植物性たんぱく源となります
※3 久保田 治己(元JA全農常務)『農協が日本人の “食と命” を守り続ける』 ビジネス社, 2024年

Non-GM飼料が高騰し、畜肉の生産がきびしい状況に

現在、Non-GM飼料の使用を続ける上でさまざまな問題が起きています。その一つが、飼料用のトウモロコシや大豆かすの価格高騰です。

2000年代以降、軽油に代わる新たな燃料として植物油由来の「バイオディーゼル」の需要が高まり、原料となるトウモロコシや大豆かすの需要が増え、穀物価格が上昇してきました。バイオディーゼルにする際にはGMかどうかの分別管理が必要ではないため、より手間のかからないGM作物の需要が伸びます。その分、Non-GMの分別にかかるコストは増大します。

こうした穀物需要の増加による価格の上昇や、円安による輸入価格の上昇に加え、Non-GM飼料の分別管理にかかるコストの上昇が、Non-GM飼料価格の高騰に拍車をかけています。そのような状況のなかNon-GM飼料をあたえ続けると、畜産生産者の払う飼料代がかさむことになります。また、飼料代が増えていくと、肉の価格も上げざるをえません。生活クラブの畜肉生産では、健康に家畜を育て、飼育方法や流通過程を明らかにし、おいしさや食の安全安心を追求してきましたが、このまま生産コストが上昇し、利用が減少してしまうと、生産者が畜肉の生産を続けること自体が難しくなってしまいます。

Non-GM大豆かすとこれからの畜肉の生産

組合員が求めてきた安心安全な畜肉を、生産者とともに守っていくためには一体どうしたらよいか。生活クラブ組合員の代表者たちと畜肉生産者は何度も話しあった結果、コスト削減のためNon-GM飼料の副原料に使用している大豆かすの一部を、GMの大豆かすに切り替えざるをえない状況となりました。

しかし、今後すべての畜産の飼料をGMに変えるわけではありません。飼料の主原料であるNon-GMトウモロコシについては組合員がJA全農とともにアメリカの種子会社と長期種子供給協定を結び、引き続き2031年までNon-GMの種子を供給してもらう約束をしています。

さらに今後もNon-GM大豆かすの生産と消費を途絶えさせないために、量が減っても輸入のしくみは継続し、「我々にはこれが必要です」という意志を、アメリカのNon-GMトウモロコシ・大豆かすの生産者・種子会社などに示し続けていきます。

※複数年ごとの契約更新になります

■飼料の切替え予定
2025年1月から、平田牧場の提携牧場と栃木県開拓農業協同組合で、また2025年4月から北海道チクレン農協連でGM大豆かすに変更予定です。

安心安全な食べ物を守っていくために

さまざまな状況が変化するなか、以前から生活クラブの組合員と生産者は、自分たちが望む基準を満たす飼料を確保できるよう努力してきました。その一つが、国際市場に価格が左右されやすい輸入飼料だけに頼らず、提携生産者とともに国内で自給できる飼料を増やす取組みです。

たとえば全国に先駆け、生活クラブの組合員は1996年から提携生産者と協力し、飼料用米を育てて畜産の生産者に供給するしくみをつくってきました。日本のお米を食べて育った豚の肉は甘みがあり、オレイン酸なども多いことが分かっています。

現在は子実トウモロコシ栽培のほか、高たんぱく飼料用米の栽培実験も行なっています。これは、たんぱく質が多く含まれる大豆かすに代わる新たな飼料を、国内でつくるための挑戦です。

生活クラブは、これからも安心安全な生活クラブの畜産のために、そしてGM反対の意思を示していくために、組合員の力をあわせ、お肉や卵や牛乳などの利用をさらに広げていきます。
 
【2025年1月20日掲載】

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