消費材の産地の作業に組合員が参加できるんだって?
生活クラブの消費材を生み出す産地は、今さまざまな課題を抱えています。大切な消費材をこれからもつくり続けていくために、組合員がみずから生産にかかわり、産地の課題に向きあう「夢都里路(ゆとりろ)くらぶ」という仕組みがあります。どんなことができるのか見てみましょう。
高齢化と担い手不足がすすむシークヮーサー農家で援農
生活クラブでは、提携生産者を通じて沖縄県産の柑橘類シークヮーサーや、その果汁を使ったジュースなどの加工品を扱っています。しかし、産地ではシークヮーサー栽培の将来が危ぶまれています。その背景にあるのは、農家の深刻な高齢化。平均年齢が80歳といわれ、担い手不足がすすむなか、手入れや収穫作業が追いつかず放置される農地もあります。農地が消えると、果樹によって支えられてきた地域自体も崩壊しかねません。
こうした産地の課題に対し、組合員が直接作業に参加できるのが、生活クラブの「夢都里路くらぶ」という仕組みです。
こうした産地の課題に対し、組合員が直接作業に参加できるのが、生活クラブの「夢都里路くらぶ」という仕組みです。
シークヮーサーはもともと沖縄県北部地域(やんばる)で親しまれてきた在来の柑橘類のひとつ。国内生産量のほとんどを沖縄産が占めます。
30℃を超える気温の中生産者とともに果実を収穫
2024年10月、提携生産者の(株)沖縄物産企業連合(沖縄県那覇市)が、やんばる地域でシークヮーサーの収穫援農を初めて企画しました。加工品の原料を供給する銘苅(めかる)清孝さんの畑に朝から集合。約500坪の畑には、450本のシークヮーサーの木が育てられています。参加者はびっしり実った果実を手でねじり取ったり、ハサミで刈り取ったりして肩に下げたカゴに入れていきました。木の高いところは脚立が必要となり、低い場所はしゃがんで枝の内側まで体を入れて収穫しないといけません。10月でも気温は30℃超。強い日差しを浴びながら長時間の作業となり、その大変さを実感しました。1日がかりで作業し、目標の500kgを超える量を収穫できました。
コンテナいっぱいに詰め込まれた果実
果実が青いうちに収穫する「青切り」のシークヮーサー。加工品にも使われる
シークヮーサーを収穫する組合員
産地への思いを深め大切な食べ物を守りたい
(株)沖縄物産企業連合の船村哲平さんは、「組合員と生産者、産地が目標に向かって一緒に収穫し、最後に積みあがったカゴを見た時の達成感はひとしおでした。交流を通じ産地の現状や苦労、消費材ができるまでの話、沖縄の文化風習について伝え、組合員のみなさんからは夢都里路くらぶなどの話を聞くことができました。ゆくゆくは産地を支えられる仕組みをつくり、消費材開発も進めて、沖縄に関心をもってくれる人を増やしていきたいです」と話しました。
組合員にとっても「夢都里路くらぶ」は、提携生産者と交流しながら、産地の努力を知ることができる機会。自分たちの食べ物をつくり守っていくうえでも大切な活動となっています。
組合員にとっても「夢都里路くらぶ」は、提携生産者と交流しながら、産地の努力を知ることができる機会。自分たちの食べ物をつくり守っていくうえでも大切な活動となっています。
(株)沖縄物産企業連合 船村 哲平さん
粗ごしシークヮーサー
夢都里路くらぶに参加した組合員の声
熊本県 生産者グループきばる
水俣の甘夏みかん畑で収穫体験
八代海を臨む水俣市の高台で甘夏みかんを収穫。一人では1日に約500kg(甘夏は3個で1kg)を収穫するのがやっとだそうですが、私たちが参加した3日間で8t(8000kg)を収穫できました。これからも体が許す限り「きばる」の甘夏を届けてもらい、私たちも作業に参加していきたいです。
長野県 北小野地区振興会
水源地のある地区で植樹や草刈り作業
いつも飲んでいる「信州たのめの里・森が育てた天然水」の水源地へ行き、下草刈りやもみじの植樹などをしました。塩尻市や北小野地区の方々と話し、水と森を守る大切さを知ることができました。力のいる仕事ですが、北小野地区のみなさんがとても好意的で、新たなふるさとを得た気持ちになりました。
◆2/22(土)夢都里路くらぶフェア開催!チラシを1/27月から配布します
夢都里路くらぶの募集内容やフェアなどの詳しい情報はこちらから▼
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国内生産を追求するとともに、提携生産者との関係を深める機会をつくります
家庭で消費する基本の食材であり、加工品の原料にもなる一次産品*をつくり、食べ続けていけるように、国内自給力アップをめざしています。さらに組合員と提携生産者が互いの声を聞き、現場を知ることを目的に、さまざまな交流の機会をつくっています。
* 一次産品:青果物やお米、牛乳、鶏卵、肉類など、自然からとったままの状態で、加工されていないもののことをいいます。
家庭で消費する基本の食材であり、加工品の原料にもなる一次産品*をつくり、食べ続けていけるように、国内自給力アップをめざしています。さらに組合員と提携生産者が互いの声を聞き、現場を知ることを目的に、さまざまな交流の機会をつくっています。
* 一次産品:青果物やお米、牛乳、鶏卵、肉類など、自然からとったままの状態で、加工されていないもののことをいいます。
★生活クラブ食べるカタログ 2025年1月3回(03週)より転載しました。
【2025年1月6日掲載】