生活クラブ連合会と台湾の主婦連盟生協、韓国の幸福中心生協連合会は、1999年に姉妹提携を結んで以来、お互いの活動を学び合う交流を続けています。2025年は台湾主婦連盟生協がホストとなり、10月31日から11月1日にかけて、台北で26周年記念式典と代表者会議が開催されました。生活クラブからは、組合員と事務局の9名が参加しました。

25周年にあたる2024年は生協間の調整が整わず、2025年にあらためて26周年記念式典が開催されました。オンライン併用で開催されたこのイベントには、生活クラブから歴代の担当理事などを含め、オンライン参加も20名ほどありました。

式典では小谷里香さん（生活クラブ都市生活）が挨拶し、台湾・韓国・日本の三姉妹の協同組合として歩んできた26年を振り返りました。遺伝子組み換え食品への対応や脱原発への共同宣言など、国境を越えて連帯してきた歴史を紹介し、「この三姉妹の連帯が、私たちの地域と世界をより良いものへと導く力になることを、これからも信じてともに歩んでいきましょう」と決意を述べました。
 

続いて、26年間の会議や交流、それぞれの現場の視察などの写真をまとめた記念ビデオが上映されました。(5分15秒）

代表者会議では、三姉妹の生協が共通して直面している課題について、どのような対策をとっているのか意見交換しました。「若い人にもっと参加してほしい」「協同組合の価値をより広く伝えたい」といった課題は、三姉妹に共通しています。

代表者会議で三姉妹に共通の課題を議論
 

台湾主婦連盟生協からは、若い組合員に対する伴走型の支援や発信力の強化などの取り組みが報告されました。会場には若手組合員リーダーも参加し、それぞれから挨拶がありました。韓国幸福中心生協からは、労働者協同組合と連携した「青年38麺屋」などのソーシャルフランチャイズ事業を通じ、若者の自立や起業支援をめざしている事例が紹介されました。

生活クラブからは、子ども連れで参加できる企画や、組合員による消費材の開発などを通じて、若い世代を巻き込もうとしていることを報告。「お互いに学び合いながら解決策を探り、ともに歩んでいきましょう」と呼びかけました。

会議のあとには、主婦連盟生協の店舗「公館デポー」を見学。デポーを運営するワーカーズから説明を受けました。
 

台湾主婦連盟生協公館デポー見学

振り返りの会にあたる「評価会議」は、障がい者の雇用支援を行っているビクトリー財団が運営するカフェで開催されました。台湾では、企業が福祉事業を担う仕組みが一般的です。ビクトリーカフェのケーキも、福祉事業としてではなく、おいしい手作りケーキとしてコンビニなどで販売されています。

ビクトリーカフェで評価会議
 

台湾主婦連盟生協の彭桂枝（ポン・グイジー）会長は、「日本と韓国の姉妹組合の皆さまには、遠路はるばるお越しいただき、協同組合運動の道を歩む仲間がいることを実感しました」と、感謝の意を述べました。

生活クラブにとっても、多くの学びがありました。

アジア姉妹会議に初めて参加した生活クラブ埼玉の村山なみさんは、韓国の事例に触れ、「若い世代とつながるために、こちらから若者がいるところへ出て行くことや、多様な議題を持つ青年グループを支援し、連帯していくことは、生活クラブでも取り組んでいきたいと思いました」と感想を語りました。

生活クラブ東京の加瀬和美さんは、「台湾では、例えばケーキを焼く10分の間に、必ず協同組合とは何かを語り伝える時間を設けているという話を聞き、生活クラブでも実践する必要があるのではないかと思いました」と話しました。

生活クラブ千葉の福住洋美さんも、次のように感想を語りました。「社会の価値観が多様化し、孤立化や経済的不平等が広がるなかで、生活する上でのケアのニーズが増し、協同組合に期待が寄せられているという発言を聞きました。生活に密接にかかわり、人と人とのつながりを重視するという、資本主義に対するオルタナティブを提示できることが、協同組合のアイデンティティなのだと理解しました」。
 

2026年のアジア姉妹会議「代表者会議」は、10月29日から11月1日にかけて、日本で開催します。

【2025年12月25日掲載】